どーも、うぇいです。本記事では、マルティン・ハイデガー『哲学の根本的問い』の第1章の日本語訳を載せようと思います。
ハイデガーは、根本気分(Grundstimmung)が哲学を始める上で重要だと言っています。
理性的っぽそうな「哲学的問い」ですが、実はそうした哲学的問いを立てる動機というのは、「漠然とした気分」なのではないでしょうか? みなさんは、どのような気分から哲学的な問いを立てていますか?
僕は、「好奇心」や「違和感」から考え始めますね。「好奇心」とは、なぜ物事がこのようになっているんだろうという世界への「驚き」です。「違和感」は、「これっておかしいんじゃね?」という素朴だけど解消しないと居心地が悪くなるような疑問です。
ハイデガーは、『哲学の根本的問い』の第1章では謙虚(Verhaltenheit)こそが根本気分だと述べています。
なお本記事は下記記事の続きから訳していきますので、まだ下記記事を読んでない方は先に下記記事をどうぞ↓
lediglich ただ、単に auf Akk. abstimmen 合わせる、調和させる vorsichtig 用心深い、慎重な der Anklang 共鳴、共感、賛同、類似、面影
denkerisch 思想家の、思索的な
zusammengehen 適合する、協力する、(線などが)交わる
Allerdings (強い肯定を表して)もちろん die Nüchternheit しらふ、無味乾燥、客観性、冷静 verweilen とどまる、滞在する
starr 頑固な、融通の利かない、硬直した Ungeheuer ものすごい、途方もない、巨大な Ansichhalten 自らのうちに留まる
unmittelbar 直接の、すぐの(間接的でない)
erschrecken 驚く、どきっとする aufdringlich 厚かましい、押し付けがましい zugleich 同時に、その上また zusammengehörig 一体を成している、対になっている
überwinden 克服する、乗り越える、脱却する beseitigen 取り除く、かたづける、除去する(remove)die Scheu 物おじ、おそれ、臆病、内気 bewahren 守る、保つ
Verborgenheit 隠されていること、隠遁、内密
verzehren 身がやつれる、憔悴する、食べる、平らげる、消耗させる sich in~ stürzen (in 以下に)のめりこむ、打ち込む hinweisen 指し示す
errungen 獲得する gebrauchen 使用する、使う
der Gegenstand 対称、物体 schnellfertig (schnell=早い、fertig=準備のできた)早く準備のできた feststellen 確かめる、気付く
※補足
「現成する」原語はwestである。これはハイデッガー特有の語で、Wesen(本質)という名詞を動詞として用いた三人称単数現在形である。istが論理的なコプラとして使われることが多い、つまり「SはPである」という場合の「ある」の意味に使われることが多いのに対して、westは「Sがある」という場合の「ある」を意味する。現成という日本語は、もともと禅語であって、普通「げんじょう」と読まれている(マルティン・ハイデッガー『形而上学入門』川原栄峰訳、平凡社ライブラリー、1994年、346頁)。
参考文献
最後までお読みいただき、ありがとうございました。