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うぇいの哲学

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哲学みがある記事のまとめ
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#生物学

「人生に意味があるのか」という問いに向き合うための、2つのアプローチ

記事の要約 人生の意味について、どのように考えるべきなのでしょうか。究極的には「個人の人生の意味」が問題になってくるのでしょうけど、まずは「一般的に生きる」ということがどういう事態なのかを考えることから始めようと思います。なぜなら、私たちはさしあたり他の人と同じように生きているからです。一般的な生について考えた後で、「自分の人生の意味」にアプローチしたほうがよいでしょう。 そもそも、人生の意味を問うてしまったのはなぜなのでしょうか。現代日本の構造上、人生の意味を考えざるを

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生存と繁殖の先に何があるのか?(人生の意味への問い)

記事の概要人間社会は非常に複雑ですが、社会が存続するためには生殖活動が行われ、新たな個体がこの世界に参入し続けなくてはならないという事実があります。 社会や共同体でルールが定められている理由は、人々が平和に暮らすため、言い換えれば人々の「生存」と「繁殖」のためなのです。 では、人類が生存し、繁殖した先には何があるのでしょうか?...  しかしそもそも、このような問いを立てること自体が、生物学的には「バグ」であるように僕には思われるのです。というのも、「生存と生殖」を円滑

言葉が過剰な時代に、どのように言葉を紡いでいくか

1. 話し言葉と書き言葉人間の生活と言葉は不可分の関係にあるけど、従来の関係とは少し変わった付き合い方になってきているのではないかと思うんです。 いま人間と言葉は「新しい関係」にあると言える。なぜなら、書き言葉が話し言葉の影響を強く受けるようになっているからです。 インターネットの存在が大きいと思うのですが、この僕のnoteみたいに「誰かに語りかけている風」の文体の文章に多く触れるようになっていますよね。いまの僕の文体からは、教科書や論文みたいな「お硬い」文体の書き言葉と

この世界に、「この自分」が何を付け加えればよいのだろう ハッピーエンドのその先の生き方を構想する

1. 「たぶん、自分が死んでも淡々と世界は続いていくよね」と思う人に向けて現代日本に生まれてよかったなーってすごく思うんですよね。歴史の教科書を読めばわかるけど「衣食住に困らないで暮らしていくこと」がヒトの最終的な目的だったわけで、そう考えると、まぁ大変だけど労働すればとりあえずは目的達成できるねって状況です。 「じゃあ、僕たちは何のために生きるのだろう?何をして生きていこう?」 昔話って、「こうして、いつまでもいつまでも平和に暮らしましたとさ」みたいなお決まりのフレーズ

日常を愛することはできるか? とりわけ、「明日から人生変わる」みたいな書籍や動画を見ても全く人生が変わらなかった人に向けて

本記事の要約 人生のほとんどの時間が日常生活であると考えると、「人生を変える」ためには「日常」を変えることが必要だとわかります。日常生活は、習慣的な思考や行動によって占められています。もし人生を変えたいのであれば、現在の習慣を、自分が望む別の習慣に少しずつ変えていくのがよいのではないかということを筆者は提案します。(要約終わり) 1. 「日常」というものをどのように過ごすか人生の大半の時間は、様々な雑事に追われながら慌ただしく過ごすうちに消失してしまいます。このように考え

自分がおじいちゃんになった時、孫世代に「おじいちゃんたちの時代ってみんなバカだったんだね」と言われそうなことなんだろう、と考える

今日の記事は、いつもみたいに僕の思想を発信するのではなくて、ちょっと妄想してみようと思います。 いまから数十年後、自分の孫と話しているとしましょう。その時に、「おじいちゃんの時代って大変だったんだね」とか、「おじいちゃんの時代ってみんなバカだったんだね」と言われそうなこと、何かあると思いますか? 僕は、たくさんあると思います。例えば、サラリーマンの労働時間がずっと8×5=40時間(以上)より短くならないとか、年上のほうが絶対的に偉いとか、努力すればなんとかなるとか、そうい

「もう誰も信じられない!」「どんな言葉も信じられない!」と病まないための技術

「あんないい人がこんなひどいことするなんて、もう誰も信じられない😭」、こんな思いを抱く人が少なからずいるように思われます。他者を信じては裏切られ、信じては裏切られということが繰り返されると、他人を信用できなくなってしまう。このように他者に裏切られ続けた人々は、人間嫌い(ミサントローポス)になってしまっているのです。 それでは、この人間嫌いの原因とは何なのでしょうか。 このことについて、古代ギリシアの哲学者プラトンの著作である『パイドン』で描かれるソクラテスおじさんに教えて