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アロマテラピーが心身にもたらす効果とは?自宅で手軽に楽しむ方法もご紹介!

アロマテラピーと聞くと、何となく香りでリラックスしたりリフレッシュしたりというイメージが思い浮かぶけれど、それ以上のことはよく分からないという方もいるでしょう。
もちろん、リラックスやリフレッシュはアロマテラピーの代表的な効果ですが、実はその他にも様々な効果があると言われているのです。
今回は、そもそもアロマテラピーとは何かというところから、アロマテラピーに使用する主な精油の種類、自宅で手軽に実践できるアロマテラピーの方法までご紹介していきます。
アロマテラピーに興味がある方、アロマテラピーについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

■そもそもアロマテラピーとは?

まずは、アロマテラピーの定義やエステとの違い、アロマテラピーによる効果や仕組みについて理解しておきましょう。

・アロマテラピーの定義について

アロマテラピーという言葉は、1930年頃にフランスの調香師兼科学者であるルネ=モーリス・ガットフォセが、芳香を意味するアロマと、治療・療法を意味するテラピーを組み合わせて造った造語です。
日本で唯一、アロマテラピー関連で内閣府から公益認定されているJEAJ(公益社団法人日本アロマ環境協会)では、アロマテラピーを次のように定義しています。

アロマテラピーは、植物から抽出した香り成分である「精油(エッセンシャルオイル)」を使って、美と健康に役立てていく自然療法です。
〈アロマテラピーの目的〉
◎心と身体のリラックスやリフレッシュを促す
◎心と身体の健康を保ち、豊かな毎日を健康に過ごす
◎心と身体のバランスを整え、本来の美しさを引き出す

https://www.aromakankyo.or.jp/basics/introduction/

・エステとの違い

上記でご紹介したアロマテラピーの目的だけを見ると、「エステみたいなもの?」と考える方もいるでしょう。
もちろんエステも、心と身体のリラックスやリフレッシュに用いられたり、健康や美容に役立てられたりしますが、心と身体へのアプローチの仕方は大きく異なります。
エステの場合は、手技や機械、化粧品などを使って体に直接施術をしますが、アロマテラピーの場合は、植物から抽出される精油を使い、その成分と香りがもたらす作用によって心身を健康に導くのです。

・アロマテラピーがもたらす効果と仕組み

アロマテラピーの効果は、使用する精油の種類によっても異なりますが、代表的な効果は以下の通りです。
◎心身がリラックスする
◎自律神経が整う
◎集中力がアップする
◎睡眠の質が高まる
◎免疫力が向上する
◎ホルモンバランスが整う
このようなアロマテラピーの効果に深く関係しているのが、五感の中で唯一、脳に直接作用する働きを持つ「嗅覚」です。
日常生活の中でも、ふいに漂ってきた匂いで懐かしい思い出がよみがえってきたという経験をしたことがある方もいるでしょう。
それは、匂い物質が鼻の奥にある嗅細胞を刺激し、その刺激が電気信号となって脳の記憶を司る「海馬」などからなる大脳辺縁系まで届くからです。
大脳辺縁系には海馬の他にも、ホルモンの働きをコントロールする「下垂体」や自立機能の調節を行う「視床下部」などがあります。
アロマテラピーの場合、精油に含まれる特定の芳香成分が、海馬や下垂体、視床下部などを含む大脳辺縁系に直接作用し、自律神経やホルモンバランス、免疫力の調整を行っていると考えられているのです。
また、芳香成分は分子が小さいことから、希釈した精油でボディトリートメントをすれば、皮膚の奥にある毛細血管にまで有効成分が浸透して、血行が促進したり新陳代謝が活性化したりして、美肌につながることが期待できます。

■アロマテラピーに使用する精油の種類とその効果

アロマテラピーに使用される精油には様々な種類がありますが、その中でも特にポピュラーな精油を「フローラル系」「柑橘系」「ハーブ系」の3つに分けてご紹介します。
それぞれの特徴や効果を把握した上で、シーンごとに使い分けてみましょう。

・フローラル系

様々な花から抽出されるフローラル系の精油は、香りが豊かで華やかな印象を受けます。
フローラル系の精油の中でも特に、「ラベンダー」「カモミール」「ローズ」の3つは世界中で様々なシーンに活用されています。

ラベンダー
アロマテラピーに使用される精油の中でも、最も親しみがあり使い勝手が良いのが「ラベンダー」です。
鎮静作用に優れていることから、心身の緊張をほぐしたい時や自律神経を整えたい時、寝つきを良くしたい時に最適です。
また、消炎・抗菌作用もあるので、スキンケアに取り入れれば肌トラブルの予防にも役立ちます。

ローズ
華やかで優雅な香りが特徴のローズは、精神面に良い影響を与えたい時に用いられることが多い精油です。
ローズの香りは、俗に幸せホルモンとも呼ばれる「オキシトシン」の分泌を促す作用があるので、気分が落ち込んだ時もローズの香りを嗅げば自然と幸福感が湧いてきます。
なお、「ローズオットー」という抽出方法で作られた精油は、約3tのバラの花びらからわずか1kgほどしか抽出することができないため、希少性が高く非常に高価な精油となっています。

カモミール
カモミールは、ほのかなリンゴの香りが特徴の花です。
豊富な種類がありますが、その中でも精油に用いられているのは、ジャーマンカモミールとローマンカモミールの2種類で、精油ではそれぞれ「カモミール・ジャーマン」「カモミール・ローマン」と表記されます。
カモミール・ジャーマンには優れた抗炎症作用があり、スキンケアなどに向いています。
一方のカモミール・ローマンには、緊張の緩和や鎮痛、抗炎症作用などがあります。

・柑橘系

オレンジやグレープフルーツ、レモンなどの柑橘系の香りには、リラックス効果があるリモネンという成分が多く含まれているのが特徴です。
柑橘系の精油として代表的な「スイートオレンジ」「グレープフルーツ」「レモン」の詳しい効果を見ていきましょう。

スイートオレンジ
スイートオレンジの甘くて優しい香りは、ストレスや緊張、不安などを緩和し、明るく前向きな気分にしてくれます。
消化器の働きを整えて活性化させる作用もあるため、食欲の増進も促します。
精油の中でも作用が比較的穏やかなことから、妊婦さんやお年寄り、お子さんにも安心して使用できるところも利点です。

グレープフルーツ
グレープフルーツの香りには、爽やかな中にもほんの少し苦みが含まれているのが特徴で、気分を明るくリフレッシュしたい時に最適です。
主成分であるリモネンやヌートカンには、交感神経を優位にして食欲の抑制や脂肪の燃焼、代謝促進などの作用があることから、ダイエットに活用されることもあります。
老廃物の排出を促す作用もあるので、便秘に悩んでいる方にもおすすめです。

レモン
料理や薬用、香料などとして世界中で広く活用されているレモンには、強い酸味がありますが、精油の場合は果物よりもマイルドで透明感のある香りがします。
芳香成分の70%を、リラックス効果を持つリモネンが占めており、その他の成分であるピネン類やシトラールなどが心身の活性化をサポートします。
おすすめの利用シーンは、集中したい時や心を落ち着かせたい時、仕事や勉強への意欲を高めたい時などです。
また、レモンの香りを嗅ぐことで認知症予防にもなると近年、話題を呼んでいます。

・ハーブ系

清涼感のある香りを特徴とするハーブ系の精油は、リフレッシュしたい時や気持ちを落ち着けたい時にピッタリです。
ハーブ系に分類される代表的な精油は、「ペパーミント」「ユーカリ」「ローズマリー」です。

ペパーミント
ハッカという俗称でも広く親しまれているペパーミントは、目の覚めるような清涼感のある香りが特徴です。
脳を覚醒させたり活性化させたりする効果があるため、眠気を覚ましたい時や気分転換をしたい時に重宝します。
喉や鼻の調子を整える効果もあるため、風邪や花粉症による症状を和らげたい時に使用する方も多いです。
また、乗り物酔いや二日酔いなどの吐き気を抑えたり、筋肉痛や肩こりを緩和したりする作用もあると言われています。

ユーカリ
大ストラリアに多く自生し、抗菌・消臭・防虫などの効果を持つユーカリも、すっきりとした清涼感のある香りがします。
ペパーミントと同じく、眠気覚ましやリフレッシュ、肩こり・筋肉痛の改善、喉や鼻の調子を整えるといったことに効果的です。
さらに、数種類の精油を使った実験により、ユーカリには抗ウイルス作用があることも判明しています。

ローズマリー
ローズマリーの香りは、ハーブの中でもトップクラスの清涼感を誇ります。
脳を活性化して集中力や記憶力を高める働きがあるので、仕事や勉強など集中力が必要とされるシーンで大活躍します。
また、血行や発汗を促す働きもあることから、疲労回復に用いられることもあります。
アロマテラピー以外にも、香水や化粧品、肉料理の臭み消しや香り付けなど、幅広いシーンで活用されています。

■自宅で手軽にアロマテラピーを楽しむ方法

主な精油の種類や効果が分かったら、次は自分でアロマテラピーを実践してみたいという方もいるでしょう。
そこで、ここでは自分の好みの精油を使って自宅で手軽にアロマテラピーを楽しむ方法を5つご紹介します。

・芳香浴法

精油を空気中に拡散させ、その香りを楽しむアロマテラピーを「芳香浴法」と言います。
数あるアロマテラピーの中でも最も手軽に始められて、リラックスやリフレッシュ、快眠などに効果があります。
ハンカチやティッシュに精油を1~2滴たらして枕元や机に置き、香りが部屋に広がるのを楽しむ他、市販のアロマディフューザーやアロマポットを使用するのも芳香浴法に分類されます。

・沐浴法

精油をバスベースなどのアロマバス専用乳化剤と混ぜて希釈し、それを湯船に入れて入浴するか、大きめのたらいに手や足を浸して部分浴をするのが「沐浴法」です。
沐浴法は、血行促進や疲労回復、リラックスなどに効果を発揮します。
希釈にバスベースを用いる時は、バスベース5~10mlに対して好みの精油を全身浴なら3~8滴、部分浴なら1~3滴を目安に混ぜて溶かしてからお湯に入れ、よくかき混ぜた上で浸かるようにしてください。

・吸入法・フェイシャルスチーム

「吸入法」とは、精油成分を鼻や口から吸入する方法で、喉の痛みをはじめとする呼吸器系の不調改善に役立ちます。
コップや洗面器にお湯を入れて精油を数滴たらして、そこから立ち上る蒸気を口や鼻から吸入します。
また、蒸気が逃げないようにタオルを頭からかぶれば、「フェイシャルスチーム」にも変身します。
精油成分を含む蒸気を顔に当てることで血行が促進され、肌の潤いを取り戻せるでしょう。
ただし、長時間吸入すると精油成分が必要以上に粘膜に刺激を与える可能があるため注意が必要です。

・湿布法

湿布法は、精油を使用して作ったアロマ湿布を、患部に当てて辛い症状を和らげるアロマテラピーです。
精油が持つ鎮静・抗炎・血行促進作用などが、筋肉痛や関節痛、肩こり、生理痛といった不調の改善に役立ちます。
アロマ湿布の作り方は、洗面器にお湯か水を入れて精油を数滴垂らしてよく混ぜてから、タオルを浸して硬く絞ります。
生理痛には温かいお湯を使用し、打ち身や捻挫などには冷たい水を使用すると良いでしょう。

・トリートメント法

トリートメント法は、精油をキャリアオイルと呼ばれる植物油で希釈したものを、顔や体に塗布してマッサージを施すアロマテラピーです。
リラクゼーションをしたり筋肉のコリをほぐしたり、リンパの流れを良くしたりする他、保湿効果もあるため肌トラブルの改善も期待できます。
キャリアオイルを用いた精油の希釈率は、体に使用する場合は1%以下、顔に使用する場合は0.5%以下が望ましいとされています。
ただし、精油によってはさらに低い濃度が推奨されていることもあるので、商品説明をよく読んでから使用するようにしましょう。

今回は、アロマテラピーの定義や仕組み、主な精油の種類と効果について解説するとともに、自宅で手軽にできるアロマテラピーの方法をご紹介しました。
アロマテラピーは、選ぶ精油や使用方法によってリラックス&リフレッシュ効果の他、安眠作用、鎮痛作用、血行促進、疲労回復など、様々な効果が得られます。
ただし、アロマテラピーを安全に楽しむためには、いくつか注意点もあります。
例えば、精油の原液が肌に直接触れないようにする、油を含んでいるので火気に注意する、精油によっては刺激が強いものもあるため妊婦さんやお年寄り、既往歴のある方の使用は慎重にする、光毒性のある精油は外出前の使用を避けるなどの注意点があります。
これらの注意をよく理解した上で、心身の健康にアロマテラピーを役立てていきましょう。

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