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教育資金は将来どれくらい必要?教育資金を確保するための方法を解説

子どもがいる家庭にとっては、将来の教育資金がどれくらい必要なのか知りたい方も多いでしょう。
令和2年の4月から高校授業料無償化が始まりまっていますが、2025年からは大学無償化制度も開始されると言われています。
しかし、これらの制度にはいくつかの条件があり、どの世帯も対象になるわけではありません。
そこで、この記事では今後の教育資金がどれくらいなのか、教育資金を確保するための方法について解説します。

■教育資金とは?幼稚園から高校までの費用は?

そもそも教育資金とは、どのようなことを意味するのでしょうか?
教育資金は、幼稚園から高校、大学などの授業料、学用品、修学旅行費、学校の給食費など学校に対して支払うお金に加えて、教養向上のための塾や習い事に対しても含まれます。
基本的には、子どもを育てていく際に必要な費用です。
文部科学省が行った平成30年度の子どもの学習費調査では、以下のような結果になっています。

【年間学習費】

◎幼稚園(公立)165,126円
・学校教育費…61,156円
・学校給食費…13,415円
・学校外活動費…90,555円

◎幼稚園(私立) 308,909円
・学校教育費…134,835円
・学校給食費…29,917円
・学校外活動費…144,157円

◎小学校(公立)352,566円
・学校教育費…65,974円
・学校給食費…39,010円
・学校外活動費…247,582円

◎小学校(私立) 1,666,949円
・学校教育費… 961,013円
・学校給食費… 45,139円
・学校外活動費…660,797円

◎中学校(公立)538,799円
・学校教育費… 132,349円
・学校給食費…37,670円
・学校外活動費… 368,780円

◎中学校(私立)1,436,353円
・学校教育費…1,061,350円
・学校給食費…7,227円
・学校外活動費…367,776円

◎高校(全日制・公立) 512,971円
・学習総額費…309,261円
・学校教育費…なし
・学校外活動費…203,710円

◎高校(全日制・私立)1,054,444円
・学習総額費…750,362円
・学校教育費…なし
・学校外活動費… 304,082円

(文部科学省 令和3年度子供の学習費調査
https://www.mext.go.jp/content/20221220-mxt_chousa01-100012573_3a.pdf)

学校教育費の中には授業料だけでなく、PTA会費、教科書代、通学の交通費、修学旅行、遠足などの費用も含まれています。
小学校、中学校は義務教育なので授業料の負担はないものの、授業料以外の費用が多いことがわかります。
学校外活動費には、家庭学習費用、学習塾、習い事などの費用が含まれます。

■大学に入学した場合の費用は?

ここまで、幼稚園から高校までの費用をみていきました。
公立と私立を比較した結果、私立の方が必要なお金が多いことがわかります。
幼稚園から高校まで全て公立の場合、合計金額は1,569,462円ですが、全て私立だった場合は合計金額が4,466,655円となり、2,897,193円の差が生じます。
ここで大学に入学した場合、約680.7万円必要とされていますが、私立大学の場合は文系で951.6万円、理系で1,083.4万円という結果です。
国公立なら743.0万円です。
ただし、これは学校にかかる費用であり、通学費や一人暮らしや寮で生活した場合などはさらに費用がかかります。
自宅外に住んでいる場合は仕送りをすることもあり、その年間平均額は95万円です。
最近は物価の高騰も著しいため、これ以上の金額になる可能性も高いでしょう。
これらを踏まえた結果、支援制度の活用に加えて早期から子どもの進学費用について考えて用意しておくと安心です。

(日本政策金融公庫 令和3年度「教育費負担の実態調査結果」

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_r03.pdf)

■支援制度にはどのようなものがある?

子どもが対象となる支援制度には、どのようなものがあるのでしょうか?

・幼児教育、保育の無償化

幼稚園、保育所、認定こども園などを利用している3~5歳の全ての子どもたちの利用料が無料です。
0~2歳は、住民税非課税世帯が対象となり、利用料がかかりません。

・児童手当制度

児童手当制度は、中学校卒業までの児童を養育している方を対象に支給する手当です。
3歳未満は一律15,000円、3歳以上小学校修了前は10,000円(第3子以降15,000円)、中学生一律10,000円です。
所得制限や子どもの人数によって制限がありますが、令和6年10月から制度の変更点がいくつかあります。
これまであった所得制限を撤廃し、支給期間を中学生から高校生年代に引き上げられます。
さらに第3子以降の支給額は30,000円となるだけでなく、支払月も年3回から年6回(偶数月)に増えます。

・高等学校等就学支援金制度

高等学校等就学支援金制度は、授業料を就学支援金として支給することで教育に携わる経済的な負担を軽減する制度です。
年収約910万円以下の世帯の生徒が対象です。

・高等教育の修学支援新制度(大学無償化制度)

高等教育の修学支援新制度(大学無償化制度)は、入学金、授業料の免除もしくは減額、給付型奨学金の支給の支援が受けられるものです。
入学後3ヶ月以内の申し込みで受けることができます。
世帯年収、資産要件などの条件を満たしていて、学ぶ意欲のある学生が対象です。
世帯収入がどれくらいか、進学先の大学がどのような学校か、自宅から通学するか、一人暮らしになるかなどで支援の内容が異なります。
例えば、自宅から私立専門学校に通う場合、授業料年間約59万円を上限、入学金年間約16万円を上限として給付型奨学金が受けられます。
自宅から私立大学に通う場合、授業料年間約70万円を上限、入学金年間約26万円を上限として給付型奨学金が受けられるのです。
これらは支援対象の条件があるだけでなく、昼間制、夜間制、通信課程などで変わってきます。

■将来のために今からできることは?

簡単に計算例をいくつかご紹介してきましたが、見てわかる通り、進学には多くの資金が必要です。
子どもの将来なので、どのような道に進みたいかによって進路は常に変わってきます。
また、今後このような制度が継続する保証もありません。
将来、子どもの進学をお金で諦めさせたくないという場合は、今のうちから教育資金について考えておくと良いでしょう。
ここでは、将来の教育資金作りに向いている方法をご紹介します。

・学資保険

学資保険は、教育資金作りに適しているイメージが強いでしょう。
毎月決まった保険料を支払い、子どもが一定の年齢に達した際に満期金や祝い金として受け取れます。
以前は学資保険の利率も良かったので利用者が多くいましたが、現在は銀行預金と変わらないため、増やすのは難しいでしょう。
保険料の支払者に何かあった場合、支払い免除になりますが、祝い金や満期金が受け取れるのがメリットです。

・投資信託

投資信託は、債券や株式に投資することで銀行預金よりもお金が増えることが期待できます。
子どもの進学時期に合わせて引き出すことができますが、進学時期と相場の下落が重なる可能性もあります。
余剰金で気長に相場を観察できる余裕がある方に向いています。
目的が決まっている場合、長期的な余剰資金がある場合には教育資金目的で使うと良いでしょう。

・個人向け国債

個人向け国債は、資金を借り入れるため国が発行した債券を持つものです。
国が発行した債券なので、国が責任を持っているだけでなく、実勢金利変動があっても元本割れすることがありません。
0.05%の最低金利保証もあり、1万円という定額から購入できます。
中途換金も1万円からできるので、教育資金を1年毎に引き出したいという方は銀行よりもお得になるでしょう。
 

子どもの教育資金は、いくつかの制度によって負担が軽減される仕組みですが、進学するにあたって必ず費用はかかります。
状況によっては費用の負担が厳しいこともあるので、早めに教育資金を確保しておくと安心です。
さらに、教育資金についての制度は条件がいくつかあるだけでなく、途中で制度の終了も考えられます。
このような事態になっても慌てないためには、早めの段階で教育資金を用意しておきましょう。
ここで紹介した方法を比較し、安心してできることから始めるのがおすすめです。

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