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正直に生きてきた。 自分の思いに忠実に。 自分にも他人にも嘘をつかず。 だから人は嘘をつかないと思っている。 それは大きな間違いである。 それでも、根っから信じているために気付かないことも多い。 相手もその嘘を信じて欲しくて嘘をつくのだからそれでも良いのかもしれない。 だから私は仲間と呼べる人や浅いけれども友達は多いのかもしれない。 だが困ったこともある。 嘘をつく人間は逆に私が嘘をついていると思うのだ。 あられもない嫌疑をかけられ、言いたいことを言われ、勘違いされた

    • 暗闇

      目が光っている。 言葉が鋭利で刺さってくる。 全ての矢がこちらを向き、これでもかと言うほどに矢を浴びせてくる。 絶望する。 逃げ出したい。 ここから逃げたい。 この状況から逃げたい。 いなくなりたい。 ワーッとなる。 溢れ出す。 ぶつける。 しかし何も変わることなく過ぎていく。 嫌になっても時は止まらない。 雲は流れていく。 川は流れ続ける。 地球は太陽の周りを回り、自らも回る。 実は矢なんて数本しかないのかもしれない。 沈み込み、思考は歪み、視界が揺らぎ、何

      • 緊張

        ビューという轟音と共に風が吹いている。 恐らく8個あるだろう内の1つのブラインドの角度が僅かに緩んでいて、そこから木の葉が揺れるのが見える。 後ろは振り返れないので前だけを見る。 受付を済ませて席へ案内され、机の上の書類を記入をして待つよう言われたのだが、あまりに早く書き終わりすぎて20分も時間が余る。 携帯を見ていればあっという間の20分も、今この時だけは随分と長く感じる。 どうすることもなくブラインドの外をただ眺める。 髪の毛ちゃんと染めて来なかったの良くなかったかな

        • 夢の中の話

          混み合う駅の中。 エスカレーターは嫌い。 階段を軽快に降り、一直線に出口へと向かう。 駅の周りには駅ビルや商業施設が立ち並ぶ。 デッキで繋がっているところもある。 駅を出てぐるっと回り込み、信号を渡る。 駅ビルの中を通ってきた方が早かったかな。 そう思いながらも、鬱陶しい人混みを避けながら人の吐いた呼気を吸って歩くのが面倒臭いから外を歩く。 派手なショーウィンドウのあるデパートを通過し、いよいよ駅から続くデッキも階段で地上へと繋がり終わったところで私の鼓動は高鳴り始めた

          雨が好き。 雰囲気、匂い、人々の鬱陶しそうな感じも。 あの物悲しさも。 特に好きなのは雨が何かに当たる音、窓に打ち付ける雨。 パタパタと音を立てて落ちていく。 車に当たる音。 傘に落ちる音。 屋根からポタポタ垂れる音。 窓にポツッと当たったと思えば、垂れて他の水と同化する。 夜の雨は格別。 静かな夜に雨の音が鳴り響く。 雨だけ忙しそうに降っている。 街灯に照らされて、雨の軌道が見える。 1滴の雫が空から落ちてくるまで何秒かかるのだろう。 雨が降っている景色を眺めてただボ

          人と色

          人には色がついている。 あの人は明るくて爽やかな人。 オレンジと白、ちょっと水色。 あの人は人の噂話。 口がとんがって、目が萎んで。 紫と黒と灰色がマーブル模様。 あの人は良い人のようで傷付くことを平気で言う。 実は目が鋭くて、人をよく見ている。 うっすいオレンジ、たまに黒が1滴。 最近オレンジがどんどん薄くなる。 この人は大事な人。 私のことを大事にしてくれる。 少し抜けてるけど頼り甲斐があって、安心する。 濃い青、芯にクリーム色、白がちょっと滴ってる。 私の心に

          人と色