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おすすめ書籍📙なぜ学ぶのか

本書内『はじめに』の最後の一説で、全身を伝うように鳥肌が立ったのを覚えています。言葉に乗った経験の重さと面白そうという感覚が目を通して伝わってきたのだと思いました。

この本を読んでいると、終始、ドラマ『女王の教室』で真矢先生(天海祐希さんが演じた先生役)がおっしゃった「勉強はしなきゃいけないものじゃありません。したいと思うものです。」という言葉がリフレインのように頭に浮かんできました。

権力者や他人に振り回されることなく、自分の頭で考えて選んで生きていくために、”学び”が必要であることを、一貫して伝えられています。

知ることで表現が増える

学ぶことにゴールはない。難しい知識や歴史の勉強、社会の成り立ちやお金の勉強だけでなく、「この色って何色なんだろう?」「これって何て読むんだろう?」「これはどういう意味なのかな?」「これはどういう材質なのだろう?」。この世界は自分の知らない謎で包まれている。そういった些細なことにでも僕たちがそれらを知ろうとする限り、人は学び続けられる。それはすなわち成長ができるということ。

僕は『知ることで表現が増える』と思っている。先ほど使用した”リフレイン”という言葉。英語では「refrain 〜を控える」という意味を持つ単語だけど、日本語では「繰り返し」という意味で使われるらしい。”きなり色”という色も、最近年上の方々に教えていただいた。

表現が増えるということは、自分が伝えたいことをより明確に伝えることができるようになるということ。相手と共通項や共通言語を持ちながら会話をしたりお互いを理解できるようになるということ。そして自分の中にストレスを持たずに物事を把握できるようになるということ。

学ぶことで僕はこの”表現”を増やしていきたい。でもその根源にはただ、知りたい、読みたい、見たい、試したい。こんな色々な”したい”があるから、知って学んでいきたいと思えるのだと思う。 

僭越ながら本文の訂正

間違った説明があったので、、😓

一点、文中で”リンガ・フランカ(Lingua Franca [発音的にはリングア・フランカ])”という言葉が出てきます。僕の専門は英語なので、この点だけ筆者に代わって訂正させていただきます。本書内では「リンガフランカというのは国際共通語のことで、現代でいうと、英語がこれにあたります」と紹介されていますが、違います。必ずしも英語でないといけないわけではありません。

リングアフランカ(正しい発音をもとに表記します)というのは、その場にいる人たちにとっての共通語のことです。

例えば、あなたが中国語ができたとして、中国人と中国語で話す場合、リングアフランカは中国語になります。あるいは、国籍の違う5人が会議をフランス語で進めていたとすると、彼らのリングアフランカはフランス語になります。ただ、多くの場合、共通語が英語になることが多いので、リングアフランカは英語になることが多いです。

学びがたくさん詰まった第1章

タメになる章でした!✏️

第一章の途中に『函谷関の鶏鳴(かんこくかんのけいめい)』という中国の故事が紹介されています。「どんな能力が役に立つかはそのときになってみないと誰にもわからない。だから、いま興味のあることや好きなことを勉強すればいい」というエッセンスに至る話は一見の価値ありだと思います。1ページぐらいの短い紹介ですが、この部分が僕は大好きです。

📙なぜ学ぶのか 著者:出口治明

学ぶことは選択肢を増やすこと。でも別に学んだからといって、やらなくてもいい。ぐるぐる遠回りして、また元の場所に戻ってもいい。より納得感を持って取り組めるかもしれないから。

ところどころ、歴史を持ち出した極端な論調が気になりましたが、全体を通してすごく良い本でした!

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