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陽明学コラム vol.3 ~採用・定着をどう考える?~

京都で経営者が学び合う
Happy Work Design Lab座談会

第2回は~採用・定着どうしていますか?~
というテーマで話し合いました。

業種、業歴、規模に関わらず
人に関する悩みは尽きることがないのですが
実はみなさん「自分の中に答えを持っている」。

陽明学ではそれを「良知」と呼びます。

心の内側から湧いてくる想い
心の声に正直になることが
物事を正確にとらえる助けになり
悩みを解決するカギになります。

今回共有いただいた

・現在取り組んでいること
・課題に感じていること
・これから取り組みたいこと
・参加した感想や気づき

には、どんな「心の声」が現れていたのか
いくつかの事例をピックアップしてみたいと思います。

1.甘えと厳しさ
2.理念の浸透が不十分
3.社員の退職をどう考える?
4.どうすれば「的中」するのか?


1.甘えと厳しさ


「社員の希望に限りなくあった働き方を用意した。
 その結果、離職は少ないが、甘えが出やすい状況になっている。
 社員の成長につながる事は、きつい事でも「言う、やってもらう」」

という事例がありました。

働き方改革、ハラスメント防止対策、多様性への対応などが世間で大きく取り上げられる時代になり、こういった悩みが多くなったように感じます。

「ホワイトと甘やかしは違う。」
「仕事に厳しい、達成感の感じられる組織に」
「信用とは、不信(性悪説)との対義語。
 信頼する仲になることが重要。」

などの意見も出ました。

さて、みなさんは、この事例からどんな事を感じられますか?


2.理念の浸透が不十分


「理念の浸透の不十分さ、古参社員と若手の人間関係の難しさ。
 理念の共有と浸透を再徹底し、未来展望の持てる会社像を可視化したい」

という事例がありました。

経営者の世代交代を迎える頃には、外部環境も大きく変化していることが多く、これまでのやり方から様々な変革が起こります。

そんな時、経営者が感じる課題が「理念浸透の不十分さ」。

そもそも、「理念」とは「浸透」するものなのでしょうか?

さて、みなさんは、この事例からどんな事を感じられますか?


3.社員の退職をどう考える?


「初めての新卒採用者が丸3年で退職に。何がいけなかったのか。何が足りないのか。
 求める人物像をはっきりと描き、他社との社員同士の定期的な交流会を行いたい。」

という事例がありました。

初めて経験することというのは、いくら予備知識として体験者の話を聞いていても、うまくいかないことがあるように思います。

反対に、
「採用で選ぶという行為ってホントはどうなの?という疑問も湧いてきた
 (どんな人でも活躍できる場作りをしなくても良いのか?)」

などの意見も出ました。

社員の退職をどう考えるか?

さて、みなさんは、この事例からどんな事を感じられますか?


4.どうすれば「的中」するのか?


これらの事例はどうすれば「的中」する結果が得られるのでしょうか?

陽明学のポイントから、次の2つのキーワードが浮かびました。


1)良知だと中る(あたる)、良知だとつながる

  「内側からの意志なのか」「外側からの意見なのか」を大事にすること。


2)一つのやり方に囚われない

  状況によって、薬は毒にもなる。
  その時々の状況に応じて、慎重に対応することが大切。


1.甘えと厳しさでは、

「社員の希望に限りなくあった働き方を用意した」という言葉がありました。
希望したのは「社員」ですが、用意したのは「会社」です。
これでは、自らの努力で獲得したものではなく、「会社がやったこと」と他人事になってしまいます。

社員の成長につながる事はきつい事でも「言う、やってもらう」」という意見についても、「言われたからやらなければならない」ではなく、社員の意志「やりたい」をどう引き出すかがポイントになります。

2.理念の浸透が不十分では、

「理念の共有と浸透を再徹底」という言葉がありました。
「共有」「浸透」は誰から誰にするものなのか?
経営者の内側から湧き上がる想いと、社員の内側から発動する応答(相互作用)がとても重要になります。

3.社員の退職をどう考える?では、

「初めての新卒採用者が丸3年で退職に。何がいけなかったのか。何が足りないのか」という言葉がありました。
そもそも、退職は「いけないこと。足りないことでしょうか?」
退職が社員の内側からの意志なのであれば、それは巣立ち(親離れ)と呼べるかもしれません。

陽明学の教えの根本はとてもシンプルで、
心の内側から湧いてくる想い(良知)
心の声に正直になること

それを、日常に起こる出来事の中で、
繰り返し繰り返し鍛錬していくことを勧めています。

一つのやり方や、外からの意見に左右されることなく、「自分自身の意志」はどこにあるのかを大事にする。

そうすると、「~しなければならない(人為)=偽」から、
「自然とそうしてしまう(良知)」状態が発動できるようになり、
「良知で行えば中る(あたる)、和になる」という状態が生まれます。

自分の状態によって、外で起こる出来事の受け取り方が変わり、対応が変わり、結果が変わる。

日常のあらゆる悩みごとに対する「自分の中にある答え」に気づく。
そんな体験をいろいろな人と共有しながら学んで実践していきたいなと思っています。


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