Tinderで結婚した元東大生が半生を振り返る Pt.4

Tinderで結婚した元東大生が半生を振り返る Pt.1
https://note.com/waveformant/n/ndef85c028e96
Tinderで結婚した元東大生が半生を振り返るPt.2
https://note.com/waveformant/n/n7a50ac79e7f8
Tinderで結婚した元東大生が半生を振り返るPt.3
https://note.com/waveformant/n/n841765556f84

小学校高学年の思い出というと，バスケット部に参加したこと，佐野くんと同じクラスになり延々と嫌がらせを受けたことが主なことである．
それら以外について思い出して私の小学生時代の振り返りを終えたいと思う．

まず初めに，５年生の末か６年生の初めに通っていた塾を辞めた．
４年生くらいまではなんとかトップ集団に入っていたのだが，周りが本格的に中学受験始めると次第に成績は落ちていった．
私の学校は小学校から高校までストレートで行ける学校であり，私も母も中学受験をする予定がなかった．
東京の受験事情は誰もが知っているように過酷で，そのような中途半端な覚悟の私の成績が落ちるのも順当であった．
この頃には長男，次男の受験が落ち着き母も私の勉強の面倒を見てくれたが，
「なんであなたはケアレスミスをするの？」
「算数のケアレスミスがなかったら2つくらいクラス上がるわね」
などと言った役に立たないアドバイスを私に与えていた．

ちなみに私はこの頃自分の答えに自信が持てずカンニングをしていた．
隣の子と答えが同じだと安心できた．
しかしクラスが下がるにつれて必然的に周りも成績が悪い子ばかりなのでカンニングする意味もなくなっていた．
クラスが半分位になったところで，母から成績が下がって怒られることにうんざりし，自分も勉強が面白くなくなっていたため塾を辞めたいと申し出た．
母に怒られる覚悟で言ったが思いの外すんなり辞めることができた．
私は受験戦争から逃げたのであった．

塾を辞めて暇になり，体の酷使でバスケット部を辞めた私が次に夢中になったものはパソコンであった．
当時長男がゲーム攻略サイトを作成し少し有名であったらしく，私もホームページ作成に興味を持った．
寡黙でオタク気質な父は末っ子が電子機器に興味を持ったことに喜びホームページビルダーを購入してくれた．
（今考えるとHTMLでも教えてくれた方がよかったのだが...）
長男のような有名サイトの管理人に憧れた私は夢中でホームページ作成を行うのだが，子供の作った物である．目も当てられない出来であった．
それを見た次男はゲラゲラ笑い，ことあるごとに私を弄ったのだった．

次男については語ることが多いのでここで彼を紹介させてもらう．
次男は我が家の劣等生で母の誇張癖を受け継いでいる人物であった．
長男が難関私立に入学し東大を受験する一方で，次男はセンター全体で500行くか行かないかというレベルであったらしい．
父は次男のことを「お前は馬鹿だ」と罵り，長男も親の目に隠れて次男を虐めていたと聞く．母と次男の話なのでどこまで本当かは分からない．
家族に馬鹿にされて育った次男は，周りの人より自分が優れている点を見つける事に喜び上から目線で説教をする男であった．
大学を再受験し都内の私立に通っていたため実家にいることが多かった．

パソコンに夢中な私は当時の流行りであった「おもしろ動画フラッシュ」の存在を知る．そこで見つけたBUMP OF CHICKENの天体観測にえらく感動した．
食い入るようにそのまま歌えるようになるまで何度も何度も練習していた．
ある日大学から帰ってきた次男は私が歌っている様を見てこう言った．
「うるさい下手くそ．お前に歌の才能はないのだからもう歌うな」
私はその日以降歌うことをやめたが，物置に次男が諦めたギターがあることを知っており引っ張り出してきた．
ここから私はギターを始めるようになったのだ．