1球を追いかけるようじろうの夏な話
スポーツにはいろいろなドラマがあるから好きだ。
今年も高校野球の地方予選の実況中継をしています。
野球は筋書きのないドラマだとよく言われますが、そんなドラマに少しでも花を添えられたらと思いながらしゃべっています。
いろいろなことがある高校野球の実況中継
そんな実況のあれこれをしゃべっています今週のポッドキャスト📻
実況の仕事は3年目。
アナウンス学校は出ているとはいえ、実況については無知な状態で、あわてて専門学校の先生に電話をし、
「どうしたらいいのでしょう!?」
と相談したのですが、果たしてどんなアドバイスをいただいていたのか…
『習うより慣れろ』なのでしょうかね?
とりあえず、事前の準備をして、試合中は1球1球集中して、うまく言葉でお伝えできるように…と勉強の日々です。
課題としては、言葉のストックを増やして、状況に合わせた的確な表現ができるようになりたい。
もう少し広い視野で、球場全体にも目を向けながらしっかりとお伝えしたい。というところでしょうか?
まぁ他にもいろいろ個人的な課題はありますが。
高校野球を見ながら(高校野球に限ったことではないですが)選手のキモチというのを想像して、この筋書きもないドラマに勝手にアテレコをして、感動のストーリーに仕立てて楽しんでいます。
ピンチを迎えたピッチャーのキモチ。
それを支えるキャッチャーのキモチ。
そのピッチャーの背中を見つめる内外野の選手のキモチ。
逆に、
チャンスを迎えたバッターのキモチ。
ヒットが出たときのうれしさと、三振してしまった時の悔しさ。
こうやって書き連ねると薄っぺらくなってしまうけども、それぞれの選手の中に渦巻く様々なキモチは言葉で表現できないものがあると思うんです。
こんな試合がありました。
9回裏の攻撃。一矢報いたいバッターがヒットで出塁。
ガッツポーズこそなかったものの、反撃のチャンスメイクができたことに少し顔がほころぶ。
自分がかえれば同点、打線がつながれば逆転サヨナラ。
自分も得点圏に進んで相手ピッチャーを動揺させたい。
次のバッターも、なんとかこのチャンスを広げたい。
気合十分でバッターボックスに入る。
その初球は…
1塁への牽制球。ランナーあわてて戻る。
判定は…「アウト!」
試合終了!!
こんなシーンのそれぞれの選手の思いたるや、どんなもんでしょう。
牽制球を投げたピッチャーの安堵。
刺された1塁ランナーの無念、悔しさ。
何もできなかったバッターは放心の状態。
そして、何が起こったのか瞬時に理解することができず、言葉を詰まらせてしまった実況のワタクシ(ダメじゃん)
何がおこるか分からないからスポーツは面白い。
そう思う反面、何がおこるか分からないからスポーツは残酷。ともいえるのではないでしょうか?
1塁で刺されたランナーの気持ちを考えると、胸がキュッとなります。
そんな高校球児たちの夏がはじまっています。
私も実況席から、魂のこもった1球1球をしっかり追いかけています。
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