その思い出が今を彩るときもある

世の中には沢山の音楽がある。
そのすべてを聴くことはほとんど無理なほどにある。

だからこそ、自分の好きな曲に出会えた時はたまらなく嬉しい。
忘れてしまった感覚を、時間が経っても思い出させてくれる。

僕にもある。

僕は小学校4年生の時に初めて触れたアーティストに夢中になった。

オレンジレンジだ。

あの時の衝撃は今でも覚えている。

あれは新しい年が始まる日だった。歳が近いいとこのお兄ちゃんと初日の出を見に行こうと約束した。祖父の家に親戚が集まって、思い思いの年末を過ごしていたが、僕らはまだ小学生だったから、年末といえども恐らく22時にはしっかりベッドに入っていた気がする。
眠い目をこすり、まだ寒い朝に、いとこのお母さんの運転で海へ向かった。

とても寒かったのを覚えており、両手にはこれから温まるカイロ二つと、いつ準備してくれたかわからないが、魔法瓶に入った温かく苦いコーヒー。
いとこの兄とその弟と僕を日の出へと運んでくれた。

車の中で、いとこ家族がCDで聴かせてくれたのがオレンジレンジだった。
「musiQ」というアルバムで、デビューしてからのヒット曲やまだ新曲で人気な曲もある。めっちゃいいよ、と。
当たり前のようにいとこ家族はオレンジレンジを聴いて、その母親も、私はメンバーのだれだれが好きと言って嬉しそうに話していたのを覚えている。

musiQ / ORANGE RANGE

2004年12月にSony Music Rrcords(gr8! Records)よりリリース


そんなこんなで素敵な新年の始まりに僕は、この先何十年先も自分を支え続ける音楽に出会ったのである。

「musiQ」の中で「ミチシルベ~a road home~」という曲が一番印象に残って何度も何度も聞いた。もちろん、そのほかの曲も沢山聞いたし、思い入れはどの曲にもある。本当にいい曲ばかりである。ぜひ聞いてほしい。

大人になって、元気が出ない時、なんとなく悲しく寂しい夜、ふと思い出してミチシルベを聴いてみた。泣きそうになった。まだ少年だった自分の記憶の中に潜り込み、初日の出へ向かう車の中で初めて聴いた時のことを思い出した。

少年の心から今までの人生を振り返るように曲を聴くと、僕も歳を重ねたんだなとしみじみ思う。

昔は刺さらなかった歌詞たちが、ズサズサと心に刺さりそして優しく染み渡る。

果てしなく続く道が宿命
選ばれしものが進む運命
ダイビング 海から海へつながる毎日
時に身をまかす
時間に追われ 己を磨け
小さく揺れてる ブランコめがけ
さらけだされた自分がいる
中で叫んでる自分が言う
信念保つために必死で
笑われたり けなされたり
負けずに汗ふき立ち上がれば
少しは大きくなれるかな?
時には涙も流したっていい
自分らしく強く進む道
ただ歩こうか さぁ厳しくても
自分の見つけた道しるべを
いつのまにか忘れたのか?
大人へと歩む道の中でいつのまにか忘れたのか?
楽して流れに身をまかす人生
いつのまにか忘れたのか?
大人へと歩む道の中で光と闇をさまようけど
誰にも 胸には 道しるべ

https://lyrics.lyricfind.com/

この歌詞は2番の歌詞で、ここを聴いた時沢山の思い出と上手くいかなくて苦しかった日々を思い出した。大人になるということは楽しいことが増えることもあるが、全てが自分の道として、責任と結果というものが目の前に露呈される瞬間が多くある。

だけど、そんなことも全て抱きしめて
今の自分が幸せであることも感じることができた。

好きな曲はずっと大切にしておきたい。
今を彩ってくれることもあるから。

#思い出の曲


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