【十日目】雪の阿蘇山【阿蘇山→雲仙・普賢→長崎】

 「阿蘇リトルアジア」では、朝食にパン一枚と紅茶がサービスで付いてきた。トースターにマーガリンを塗って優雅な気分で朝を過ごした。このゲストハウスは阿蘇山の南の麓にあり、表に出るとそびえ立つ阿蘇山が見られるはずだったのだが、あいにくの空模様であった。

 そのまま阿蘇パノラマラインを通って登山していく。ところどころ雪に覆われた山肌が見えてきたところで、少し雪もパラついてきた。

さらにいくと、路肩は全て雪に覆われ、周りの木も真っ白にコーティングされていた。おっかなびっくり走る車の後ろを、さらにおっかなびっくりゆっくり走った。

 なんとか頑張って行けるところまで上の方まで行った。前回(https://note.com/watta2222/n/nc4ba6a60e5d5)と同じ場所で写真を撮ったが、全くの別世界であった。火山灰も雪と混じって硬く地面に張り付いていた。

寒すぎて写真は撮れなかったが、木ひとつなく広がる大草原一面に雪が積もっており、スノボがしたくなった。有明フェリーを目指し、熊本方面へ下っていく。

途中、おっちゃんとおばちゃんが牛に餌やりをしていた。ゆっくりゆっくり草を食べる牛も可愛らしいのだが、もっと可愛いのはカラスだった。牛の離れた隙を見計らってツンツンと草を食べ、牛が戻ってくると慌てて逃げ出し、様子を伺う。そんな姿がいじらしかった。昼食は、熊本名物の「あか牛丼」を「いまきん食堂」で食べたかったのだが、行くと入り口を溢れて店の周りにまで多くの順番待ちの人がいて、仕方なく断念した。開店前から整理券を配っているらしく、早くに行ってそれをもらうべきだった。

 熊本の北部から有明フェリーに乗って、雲仙・普賢岳のある島原に向かう。海の上で県境を越え、長崎県に入った。雲仙・普賢岳には雲仙仁田峠循環道路があり、任意で100円程度の環境保全金を支払う。一方通行の絶景ロードであり、対向車の存在を気にせず、気持ちよく峠を攻めることができた。ここを抜けても展望のいい道はまだ続く。途中でバイクを停めて写真を撮る。

『ツーリングマップル』の表紙を意識してカッコつけて撮った。

 そこから無心で2時間ほど走り、長崎市内のゲストハウス「カサノダ」に到着。一泊2610円朝食付きと大変安いにも関わらず、内部はとてもオシャレで綺麗だった。特に、マグカップの配置はぜひ真似したいと思った。

 シャワーを浴びてからゲストハウスを出て、まずは腹ごしらえと思い、適当に調べて見つかった店に入る。

「四海楼」めちゃくちゃでかい。

チャンポン発祥の店らしい。太麺、小さく丁寧に切られた具材、味わい深いスープ、上に乗った錦糸卵。文句なしにうまいチャンポンを食わせてもらった。唯一の不満は、一杯で1100円もしたことだ。長崎出身の友人によると、四海楼は観光地化しているため割高らしい。600円〜でお腹いっぱい食べられる店もあるようで、もったいないことをしたと思った。

そのあとはグラバー園の物凄い坂道を登り夜景を見る。夜の海と夜景が両方見られてとても綺麗だった。

そこから長崎の夜の街を走り、平和公園に向かった。落ち着いた雰囲気の照明の中に、大きな平和祈念像が立っていた。正面にはまだ新しい花束がいくつも添えられていて、両脇の小さな小屋の中にはたくさんの折り鶴が吊られていた。なんだか誠に勝手ながら、原爆犠牲者の人たちも少しは浮かばれるだろうと思った。

 そのあとゲストハウスのすぐ隣の居酒屋で軽く飲んだ。生ビールが370円だったのに釣られてしまった。結局、生ビールと日本酒ときびなの刺身をいただき、2300円くらいだった。

そのあとは、たまたま近くでバイトしていた長崎大学の友人とわずかな時間であったが会って喋った。久々に元々の知り合いと話せたので嬉しかった。


十日目

走行距離 232km

食事代 4023円

ガソリン代 2400円

宿代 2610円

雑費 2460円

計 11493円

総走行距離 2463km

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?