罪作りな女、Kさん

前回までのお話

 僕は重度のメンヘラである。精神障害2級保持者である。そしてひきこもり・ニートでもある。収入は年金収入とnoteで稼いだ小銭くらいである。社会の底辺層よりではあるが、親元で暮らしているため、生活水準は決して低い方ではない。
 しかし、この生活も永続的なものではない。稼ぎ頭である父はあと数年もすれば定年だし、障害年金もいつ支給停止になるかわかったものではない。最悪のケースとして、父が定年退職し、障害年金も切られ、100%親の年金収入で生活するという可能性がある。
 考えてみて欲しい。少ない年金収入で、働く気も見せず、毎日ダラダラ過ごしているだけの穀潰しが家にいることを。考えるだけで腹が立ち、そんな奴は排除するべきだと思うだろう。それは、特別冷淡なことではなく、ごく当たり前の人間の思考だと、僕は思う。
 白饅頭師匠だって「かわいそうランキング」とか「社会的包摂」だとかいろいろ言ってはいるが、白饅頭師匠のねぐらに、そういう穀潰しがやって来ようとしたら、間違いなく叩き出すと思う。白饅頭師匠のことだからきっと福祉をあてがってくれるだろう。そこは間違いないと思う。しかし、自分のねぐらから追い出すことには違いない。穀潰しを養ってやるほど余裕のある人間はこの世にはごく僅かなのだ(女は別)。

 そんな穀潰しである僕は、腹を決めていた。今の生活が壊れ、親からも見捨てられた場合は、潔く死のうと。これから数十年の孤独と困窮に苦しめられるくらいであれば、自ら命を断ってしまう方がよほど建設的であるだろうと考えていた。だから今も寝床には大量のヘリウムガスを用意し、いつでも死ねる態勢を整えている。この世に未練はない。この世にあるのは苦しみだけだ。早く死にたい。

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