遠くへ行きたい
故郷は遠きにありて思ふもの
遠くへ行きたい
遠くで汽笛を聴きながら
遠くと言う言葉には、
何やらロマンが詰まっている。
それは
ここじゃない何処か、なのか
あるはずのない何処か、なのか
自分の行くべき場所
安らぎの楽園
自分を無条件に受け入れてくれる場所
そんな意味なのかもしれない。
遠くへ行きたい。そう思う時、
今いる場所へ戻る、という前提はない。
やはりそこには究極の逃げのような
すべてを捨て去り解放されたい、
そんな欲の香りがする。
ん?
すべて捨て去るのに欲?
ちょっと変だけど、
生きるために
心が自然に求める欲。
それは別に悪いことじゃない。
人は色々背負いすぎたのかもしれない。
真面目に将来を考え、
真面目に生活を守る。
遠くへ行くわけにもいかない。
(それは戻らない旅だから)
いい詩だなぁ、としみじみ思うのは、
私も何処か遠くへ、
何のしがらみもない遠くへ、
行きたくなったからなのだろうか。
自分の背負っているものを
決して下ろせないと知っているからだろうか。