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バスケットボールFIBAワールドカップ2023開幕戦 日本×ドイツ テレビ観戦感想、とその前に、今回大会を見るための基礎情報整理。

 いろいろあるが男子バスケットFIBAワールドカップ2023が沖縄とフィリピンとインドネシアで開幕。

知っておくといいこと整理。

日本はグループEで、ドイツ、フィンランド、オーストラリアの順で対戦。

ちなみに前回ワールドカップ2019では日本はグループリーグでアメリカ、トルコ、チェコに全敗、順位決定戦でもモンテネクロなどに負け0勝5敗で31位/(32チーム中)に終わっている。

ちなみに現在の世界ランク、オーストラリア3位、ドイツ11位、フィンランド24位、日本は36位である。

アジア出場国で1位になるとパリ五輪出場権獲得できるが、アジアではイラン22位 中国27位 ヨルダン33位 日本36位 フィリピン40位、厳しい道のりである。

バスケットのワールドカップはサッカーやラグビーのと違って、グループリーグ上位2位は2次リーグへ、下位は順位決定戦2試合を戦い、あとはいろいろ判定基準(一次リーグからトータルの勝敗得失点差など)があって17位から32位まで順位がつく。だから勝敗だけでなく、負けるにしても得失点差もすごく大事なのである。

今回のワールドカップ成績パリ五輪出場争いに直結している。ことは上で述べたが苦らしくは、日刊スポーツ記事から引用。
「◆パリ五輪への道 今回のW杯でアジア最上位になればパリ五輪切符を獲得する。逃した場合は、出場権獲得チームを除く上位16チーム以内、またはアジア+オセアニア枠で2位に入れば、五輪最終予選に回り出場権を目指す(3位以下の場合も他チームの状況次第で最終予選出場の可能性あり)。1次リーグは、上位2チームが2次リーグに進出。下位2チームによる順位決定リーグに回った場合も、アジア+オセアニア枠内の序列を決める上で重要な試合となる可能性がある。」

チーム編成。

今。日本人には八村塁、渡邉雄太という二人のNBAプレーヤー、しかもかつての田臥さんのような小さいポイントガードではなく、二人とも2m5㎝前後で、サイズで言えばパワーフォワードもできるし、スリーポイントもうまくてシューティングガードもできる。八村ならディフェンスだけなら相手センターを守れる。NBAファイナルで敵のエース万能センターヨキッチ211㎝を守れたのは八村だけだった。という万能大型選手が2人いる。これに、195㎝の馬場雄大がNBAの下部リーグでプレ―している。こうなれば、センター(いちばん長身の210センチくらいの外国から日本国籍に帰化してくれている選手(ホーキンソン)を使い、いちぱん小さい司令塔ポイントガードは国内日本人でいちばん優秀な選手、司令塔として優秀なのとシューターとして優秀なのを使い分ければ戦えそうだぞ、という見通しであった。

しかし、八村塁が昨シーズン中に移籍したロサンゼルスレイカーズでNBAファイナルに進出、しかも大活躍、ということで、シーズンオフの移籍市場の目玉の1人となったことなどもあり、八村塁は代表を辞退。

NBAプレーヤーとしてのチームリーダーの重責を一人で背負うこととなった渡邉雄太は「このチームでパリに出られないと決まったら代表は引退する」と表明。と、なんかいろいろドラマチックな展開になっているのである。

大会メンバー

八村不在ということは、必然的に渡邉はパワーフォワード(大きい方から2番目)となり、アメリカではシューティングガード(真ん中の大きさ)の馬場がスモールフォワード。と専門ポジションよりひとつずつ大きい方にスライドするのか、サイズはさておきはパワーフォワードに187㎝の原を起用するのか。それともポジションをスライドしてシューティングガードにスリーポイントのうまい富永啓生選手を入れるのか。富永選手はNCAAのネブラスカ大で活躍した後、NBAのキャンプ参加までしている。
 センターはシアトル出身のアメリカ人日本国籍取得したホーキンソン、控えに川真田。ポイントガードは富樫がスターターで控えに河村。富樫もNBA下部チームでのプレー経験がある。

直前強化試合で起きたこと。

まず、8/15、アンゴラ(41位)戦。試合は75-65で勝つが、大黒柱渡邉雄太が右足首をけがしてしまう。この試合は無理。大会には出場できそうだが、故障を抱えての大会になる。スリーポイント期待された富永が6本のスリーポイントを含め20得点の大活躍。

8/17フランス戦。フランスは4位の強豪。70-88で敗北。記事から。
「この試合で日本は、得点源として期待されている富永啓生選手がチームトップの20得点をあげ4本のスリーポイントシュートを成功させましたが、チーム全体でのスリーポイントシュートの成功率は29%と求めている40%に及びませんでした。」

8/21
21年東京五輪4強のスロベニア(同7位)に68-103で敗れた。

調子は下降気味である上に、手の内をかなりさらけ出してしまっているのも不安点、という形で本大会、昨日の試合を迎えたのである。

以上のことが分かっていれば、初戦ドイツに勝つぞう、というモードで試合を見てはいけないことがわかる。負けるにしてもどれくらい善戦できるか。どれだけ点差を小さくできるか。

そして昨夜のドイツ戦。

渡邉雄太は怪我をおして復帰。ドイツは直前好調だった富永を徹底マークして、スリーポイントを富永には絶対打たせない作戦に出た。かわりに他の選手、富樫や河村のポイントガードが激しくゲームメークしながらスリーポイントも打たされることになり、全然入らない。入れているのはエース渡邉だけ、という前半。40%目標が1割である。

通用している渡邉、馬場、ホーキンソン、苦しんでいる富樫、河村、特に完封されている富永、という構図が鮮明である。富樫や河村はフリースローまで苦戦してしまう。

サイズの小さいチームはどうしたって普通のインサイドの攻防、リバウンドで不利なのだから、スリーポイントで上回り、フリースローは9割決める、でないと勝ちようがない。

前半が日本31-53ドイツと22点差をつけられたが、後半は日本32-28ドイツと挽回したが、トータル63-81で負けました。かろうじて10点台の差に収めることには成功。第4Qには富永もやっとのことでスリーポイントを決めて、次のフィンランド戦に向けて自信をすこし回復したかも。

 ただ、不安なことが。

 ちょっと関係ないのだが、試合を見ていた妻が、渡辺雄太の顔見て「なんか大谷翔平に顔の雰囲気がすごく似ている」と。

 そう、僕も以前に何度もいろんなところで書いているが、「同じ漫画家の書いたキャラクター、マンガ主人公ぽい」のである。なんか、日本が秘密のハイテク技術で、アニメマンガ主人公を生身のスポーツ選手化することに成功して、第一弾が羽生結弦で、第2弾が大谷翔平、それをバスケに応用したのが八村塁と渡邉雄太という珍説を僕は唱えているのである。

 でね、今回の「このチームがパリ五輪を逃したら代表は引退する」っていう渡邉雄太選手の宣言、そして今日も怪我をおして無理をして、鬼気迫るプレーをしたわけ。

 なんか「どうしてもエンジェルスでプレーオフ、ポストシーズンに出る」と超人的働き、結果として無理を続けた大谷翔平のことが、ダブって見えるのだよね。

 昨日も第4Qに、一人でカットインしてからのフェイダウェイシュートを決め、ディフェンスでも誰よりも激しくあたりに行き。直後に馬場からのアリウープパス(リング近くにダンクしていれてねも、と出されるパス)を掴んでアリウープて゜ダンク、リングにぶら下がってから下りたところで、太もも裏、明らかにハムストリングを痛めたぽいしぐさをした。スポーツファンならご存じの通り、短距離スプリントやジャンプをする瞬発系の能力が高い選手はハムストリングを痛めやすく、肉離れをやってしまうと数か月は復帰は無理。大怪我である。

 渡邉は、腕がけいれんしても「大丈夫」と出場を続けた大谷みたいに、「大丈夫」と、プレーを続けた。最終的に日本63点のうち、20点を渡邉があげた。

 日本代表も大事だけれど、ワールドカップも大事だけれど、渡邉雄太という稀有な存在も、本当に大谷と同じくらい大事なのである。

 無理しないでほしいなあ。他の選手の奮起を期待して、次1試合は休んだほうがいいと思うのである。


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