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映画感想文『tick, tick...BOOM!』

名作ミュージカル『RENT』の裏側にあった人生。

時限爆弾がチクタクいっているような、僕らの人生。友達のことも、恋人のことも、自分が本当にしたいことも、生計を立てる時間に奪われていく。今にも爆発しそうな爆弾を抱えていると、余裕が持てない。だから、いろんな人を傷つけてしまう。

生きるということは、他者や現実やプレッシャーが僕らの首元にナイフを突き立てているかのようでもある。だから焦る。時間が、ない。
でもその中ででも、そんなナイフが突き立てられていることを "忘れる"瞬間があって、そういう時に創造性が生まれるし、人生の中で本当に大切にしたかったことを思い出せたりする。
大切な2人の別れ際にジョンが思い出せたのは、この時間のなさに追い立てられる前に積み上げてきた、愛おしい時間があるからなのだと思うし、そこに人間らしさや愛が詰まっているのだと思った。

命はいつ終わるかわからない。
彼は、どんな気持ちで亡くなったのだろう。
僕もあと2年で、30歳だなあ。

鑑賞日: 2022年10月30日
友人宅にて

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