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大人の読書感想文:新しいDX戦略

こちらの本、早稲田の根来先生がFacebook上で「巷でDX関連の書籍は溢れているが、こちらはオススメできます。」と書いてあったので、早速購入してしまいました。

購入して読んだ感想は、、、「根来先生のコメントに偽りなし!」という感じで、網羅的でありつつも、今の日本企業に所属するサラリーマンにわかりやすい本になっています。

とはいえ、この内容までたどり着かないサラリーマンの方も多いはず。そこで、もっとかいつまんでエッセンスだけ残したような私のまとめスライドもありますので、ぜひご参考を、、、(ちょっぴり宣伝www)

まず、こちらの本、対象とする読者の範囲は「DXって概要はなんとなく理解できているけど、ほんとは、よくわからないんだよね~」って方です。

「当社はチャットツールを導入したのでDXを完了した!」とか「DXを推進のために新しいシステムを開発する!」なんてことを言っている企業や個人は、まずは考えを改めてから読んだ方がよいでしょうね。(辛辣かもしれませんが、それが現実)

逆にDXの本質をすでに知っており、すでに所属する組織で活動が始まっているのであれば読む必要もないでしょう。なぜならDXとは「デジタル・トランスフォーメーション」であり「変革」だから、すでに変革が始まっている人に説明する必要性はないですからね。(ただ、自分たちの行ってきたことを対外的に説明するときには使えるエッセンスはあるかも。。。)

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ただ、読む前に覚悟してほしいのは、「DXが関与する領域は無茶苦茶幅広い」ってことです。だって、よく考えてください。変革ですからね、会社全体が変革しなきゃ、一部だけ変わるなんて改善であって、変革とは呼びません。なので、もし「当事業部はDXで生まれ変わる」なんて部門長がいたら気を付けた方がよいです。DXの最初の一歩は一事業から始まるかもしれませんが、会社全体を含んだ変革には遠のいてしまいます。

変革なんで、経営はもちろん、人事、経理、法務、総務などのバックオフィス部門はもちろんのこと、社員一人一人の「マインドセット」が変わらなければどうしようもありません。いや、むしろマインドセットが最初にかわらなければ、変革は進まない、と言っても過言ではないでしょう。

ちょっと話はそれましたが、DXに関する書籍を読むときは、その書籍の示す範囲は情報システム部門の知識ではなく、経営全般、組織運営全般に及ぶことを事前に知っておいた方がよいでしょう。

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で、この本のスゴイところは、そのマインドセットの変革を最終章に持ってきており、全体の1/4を割いているというところ。他の書籍でもマインドセットの変革を謳っている書籍は多いですが、ここまでの分量を割いている本はないし、しかも最終章の結論部分に持ってきている本もないでしょう。(もしあったらゴメンナサイ)

あと、よくあるのは「DXで重要なのはX=トランスフォーメーションであり、D=デジタルは重要じゃない!」みたいな論調もありますが、私は半分同意、半分反対です。

半分同意という部分はDXだけでなく「AX=アナログトランスフォーメーション」もアリなんじゃないか?と個人的に思っているからです。デジタルからは背を向け、逆張り的にアナログを推し進める。そんなビジネス形態があってもおかしくないと思います。例えばネットが必ず繋がらないキャンプ場なんかは、デジタル疲れした現代人に必要なサービスになるかもしれないですからね。

半分反対の部分は、これからのビジネスにおいてグローバルに市場を考えるのであれば、デジタルという有効的ツールを使わない選択肢はないし、そのツールが使いこなせないような経営者に企業経営を任せたくない。という思いです。

ま、チャットツールやweb会議も参加できない経営者やCIO/CDOが「これからはDXだ!」と発言しても説得力の欠片もないですけどね。苦笑

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最後にDXの文脈で私が普段から感じていることですが、「既存企業は無理してDXなんてしなくてイイですよ。無用な延命処置は辛い時間を増やすだけです。」と。。。

変革には苦しみも伴います。なにせ今まで培った成功体験を手放す必要があるのですもの、そりゃー社員全員が納得することもないでしょう。

なので、既存企業にいるDX推進者は「あ、この会社は変わらねぇな~」と思った瞬間に転職をオススメします。変革志向がある日本人は今や貴重な人材です。そんな貴重な人材を助かる見込みのない企業の治療に充てるほど、日本の人材は豊富ではありません。

この本を読んで「よし変えよう!変わろう!」と意識が変わった人は、ぜひ自分の所属する企業のことだけでなく、もっと広い視野で人類の役に立つような働きをしていただきたいと思います。

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