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大人の読書感想文:組織を芯からアジャイルする

いつもの読書感想文です。いつもは「全人類に読んでいただきたい!」と思うのですが、今回はちょっと違いますね。今回のおススメ読者は「今、会社という組織に悩んでいる人」に読んでほしいです。

なぜならば、この本の熱量。半端ないです。もし熱量がない人が読んでしまうとアテられちゃうかもしれません。(プラスの方にアテられれば良いが、マイナス側に走っちゃう人もいそう。。。)

いつものように感想なんで、概要を知りたい方は著者のnoteを端から端まで見てください。市谷さんのパッションを感じられるとともに、うまく体系だって整理されているので、わかりやすいですよ。


さて、この手の「組織変革」の話って、日本企業にかかわらず、どんな国でも、大きさでも、業種でも、「うちの会社は頭が固い」問題は生じているような気がするんですよね。

そう、そう考えると「組織は硬直化するもの」と考えて、むしろ硬直化が問題でなく、硬直化するために組織というものがあるのではないか?という方が自然です。

そこにメスを突っ込んだところから始まるのがこの本のすごいところ。まずは、組織の在り様を考えると、組織とは業務を「より効率的に」遂行するためにシステム化するものなので、よくよく考えたら、その組織に「硬直化しない」という選択肢はなく、「より効率的に」と活動すると「より硬直し」になるのは自明の理でしょう。

なので、まずはその現実を受け止め、そもそも変わることが命題に含まれていない組織に対して、変わることの必要性を感じることから始めるというフェーズから入ることになる。

では、何をもって「変わることの必要性」を感じてもらえるのか?

そこで、この本から私が感じ取ったのは、「小さなdoから始めよう」ということです。まずは自分でやってみて、感じてみて、振り返ってみて、次の一手を考えてみて、またやってみて、、、そう、まずは「一人アジャイル」を小さく始めてみればいいんです。

たぶん、自分自身がやってもいないことを人に説得なんてできないし、先に自分自身が半信半疑でしょ?だから自分をまずは納得させるために「アジャイル」に動いてみる。そして、自分が納得出来たら、周りの数人に、周りの数人が変化したら、次の数人に、、、

そうまるで、らせんのように回転しながら上に上がる感じ。これがアジャイルなのだと、私は理解しました。

ちょうどいいフリー素材がなかったので、スパイラルアップのイメージ


でもこれ、目的に従って真っすぐ上に上がればよいのに、わざわざグルグル回って、何回も繰り返さないと目的に行かない。。。

そう、おそらく今の組織って、最初はこんなことを繰り返していたんでしょう。それがいつの間にか「あれ?これって真っすぐ上に上がったほうが効率的なんじゃね?」と気が付き、組織というものがアジャイルではなく、決められた所作によって目的を達成しようとする、ウォーターフォールな組織に変わっていく、、、

組織って、別にあなたの新しい考え方を拒否しているのではなく、そういう風に運命づけられているものなんですよ。

だからこそ、我々のような「新しい事に気が付いちゃった人間」が率先して行動し、その背中を見せること。これが重要なんだと思います。

これまた適当な「小さく始める」がなかったで「小さく前ならえ」で、、、


ただ、ここまで書いていてなんですが、この「組織の方向性」がきちんと描かれているのか?は一般社員だけでは、どうしようもない壁なんですよね。。。

この企業はどうしていきたいのか?創業時の意思は何なのか?そしてその想い(パッション)はどのように現在の経営者に引き継がれているのか?

つまり、アジャイルで行動を起こした先の目標、北極星を作るのは創業者だったり、経営者だったりするのだと思います。ここだけは吐き違わないようにしないと、組織に甘い夢を見すぎるような気がするんです。

たとえ、それが明文化されてなくてもいい、経営者の想い、パッションと同じ向きならば、手法はウォーターフォールだろうが、アジャイルだろうがなんでもよいはず。

そして、この外部環境の先の見えない時代において、アジャイルに行動すること自体が責められるはずはないのです。

まずは、北極星を言語化し、それをみんなで共有する。これが組織の変革に向けての大きなターニングポイントだと思います。

適当な写真がないので、これまたイラストや!


小さく始めて、大きな目的(北極星)を見つめなおす。。。
できることから始めたって、組織を変えることは絶対にできます!そう、私もまさに行動して組織を変えることができた!と実感をしている最中です。

少しでも「組織をよくしたい」と思っている人は読んでみては如何でしょうか?そのためのヒントはいっぱい見つかると思います。(答えは企業ごとに違うので載ってないですけどね。)

日本企業全体が、ここから復活劇を見せることを期待したいものです。


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