『いつかの本棚にあったフィクション遠距離恋愛小説』

泣いてる。

泣くのはとても久しぶりな気がする。

新幹線往復料金4万円越えの遠距離恋愛をしている私はときどきメランコリー。

会う度お金がいるなんてホストクラブですか?

お金をかけなきゃ会えない関係、遠距離恋愛。

バイト代の半分以上を会う交通費に費やして。

交通費以外にお金を使った時はちょっと罪悪感を感じて。

今はないけど、会うために美容院やコンタクト代、服代を我慢してたこともあった。

そうしてたらなんのためにバイトしてるのかわかんなくなっちゃったから最近は自分へのご褒美も買うようになったけどね。

自分がすり減る、遠距離恋愛。

だったら別れれば?

そうはいかない、遠距離恋愛。

だって大好きだから。

クズだったらとっくに別れてる。そもそもクズだったら付き合ってない。

私が好きになった人が、たまたま遠くに住んでた人だっただけなの。

数週間後、初めて彼の家にお泊まりします。

会うのは楽しみなのに会ってしまったら次の「会う」日が数ヵ月後になっちゃうからデートの日が来ますようにと来ませんようにを繰り返して。

あーあ、毎日がデート1日目だったらいいのにな。

そう考えたりする。

マクドナルドの新作バーガーが出る度に「今暇?」って気軽に誘ってふたりでマックに行きたかった。

同じ大学で、授業中彼の背中を眺めてみたかった。

違う大学だとしたら、彼の大学の大学祭にとびっきりのおしゃれをして遊びに行きたかった。

抱きしめられたくなったら「おいで」って言われて抱きしめられに行くの。

ぎゅーってハグしてとろけるようなキスしたらそのままベッドに押し倒されるの。

そしていっぱい体を重ねたら、そのまま朝まで眠るんだ。

でもそれは叶わないから。

今並べた言葉はフィクション。

だって私たちは遠距離だから。

「おいで」って言われても行けないし、行くとしたら4万円(笑)かかるし。

早く遠距離おーわれ。

ウェディングドレス着てさ。

可愛いねって、似合うねって。

言われたいな。

そういえばお泊まりでパジャマを貸してもらうことになりました。

ぶかぶかなのかな。

袖まくらないと着れないかもね。

洗剤もボディーソープもお揃いだったら同じ匂いになるね。

同じ匂いのふたりが抱き合ったら溶けてくっついちゃうんじゃないかな。

私はそれでもいいや。

体温で溶かしあってそのまま朝まで眠ろうよ。


私、彼のこと大好きなんだなあ。

彼に伝わってますように。

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