月の歴史について思うところ
月の科学と人間の歴史―ラスコー洞窟、知的生命体の発見騒動から火星行きの基地化まで | デイビッド・ホワイトハウス, 西田 美緒子 |本 | 通販 | Amazon
原始。
夜空を眺める原始の人々。月夜は夜に明かりが灯る、特別な日だったのだろうな。地に足をつけて見上げた時、空に浮かぶ大きな光。月に神秘的な何かを感じるのは必然。その月を洞窟の壁に描きたくなる気持ち、分かります。
中世。
教会と政治。神秘である月が、宗教の中に関連付けられていくのも当然ですよね。夜空に浮かぶ月とその表面の文様に、様々な物語と神々が宿る。やがて人々をまとめていく教会が出現します。
ルネサンス。
教会からの独立文化。そこに現れた望遠鏡の発明。教会の神秘への疑問。これにより、天文学という科学が、教会と政治に少しずつ影響を及ぼしていきます。
神々の物語、創造ですよね?だってほら、月を望遠鏡で見てみなよ!
月の地図を作る動きが始まります。
大航海時代。
布教と科学の矛盾。教会は世界へ布教に乗り出します。でも、地球が中心で太陽が周っているのです!
教会の弱体化。
教会と産業革命。教会が天動説を唱えている中、航海での遭難が大問題に。その解決案に精巧な月の地図へ脚光があつまり、月面地図が実利へと結びつきます。
航海中に、南北における位置は北極星で確認できるけど、東西の位置がよくわからないことへの解決案。
結局は精巧な時計が解決する問題ですが、その他の有力案として月の位置とその満ち欠けを利用する試みが挙がり、注目されます。この一連の流れを把握するためには地動説を支持しないと矛盾が生じます。航海のために月について天文家が調べるほど、航海を通して布教したい教会が難しい立場に晒されていきました。
こうした流れも一つとなり、やがて教会の支配力が低下していき、産業革命へと進みます。
産業革命。
社会主義と資本主義。月への渇望は、国の威信をかけた競争になります。冷戦下で、技術の誇示・国民への鼓舞を狙った月面到達レースが始まるのです。
月の歴史。
次は何が刻まれるのでしょうか。
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