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翼の代償

ごきげんよう。わらわです。

今日は久々に。久々に雨が降っていなかった!
満を持して、美容院に行って参りました。
思い切って髪型を変えてみましたよ〜というお話です。

1. 序

前回美容院に行ってから、3ヶ月近く経っていた。

前髪で目は隠れているし、襟足もめっちゃ長い。鬼太郎を超えて、『化物語』の阿良々木くんみたいになっていた。もちろん、首筋に牙の跡はない。春に血を吸われはしたが、アレはただの採血だ。

話は少し変わるが、少し前に自分の肌に対する無頓着さに衝撃を受けた私は、スキンケアをはじめた。(下記参照)

まだ1週間くらいしか経たないが、肌の調子も少しマシになってきたように思う。

と、肌の話はさておき。

スキンケアをする際、前髪が非常に邪魔になる。風呂上がりにはバスタオルをターバンのようにすればよいが、朝の洗顔が本当に不便だった。

流石に切ろう。
私は美容院に向かうため、重い腰を上げる。

2. 彷徨いの果てに

さっさと予約してパパッと行ってしまえばいいものを、私は2の足3の足を踏んでいた。

いつもなら、時を2ヶ月戻した感じにしてください、と注文する。ぺこぱかな?
何とも味気ないが、全く髪型にこだわりがなかったのだ。前髪はなるべく長くしてほしい、というただ一点を除いて。それ、床屋でよくね?

しかし、今回の私は違った。
メイクをして、レディース服を着たいという目的を持っていた。そうなってくると、話は違う。
男でもできて、なるべく中性的な、それも少し女の子寄りな髪型ってどんなのだ?

中性的 髪型でめちゃくちゃ調べた。
新しいことに手をつけようとする時、下調べしまくってからでないと、踏み出せない性質なのだ。

特に髪型は、伸び切って阿良々木くんに戻るまで2ヶ月近くかかる。失敗は許されない。

しかし、調べても調べても、全然イメージが湧かない。モデルさんが着ているような服は持っていないし、顔のつくりからして全然違う。

コレは埒があかない。一旦予約して、時間まで全力で探して無理なら、美容師さんと相談しながら決めよう…

とうとう観念した私は、いつもの美容院を予約した。徒歩5分圏内にあるので、時間いっぱい中性的な髪型を探索し、インターネッツの海を彷徨った。

そして、とうとう時間がやってきた。
覚悟を決める私。
運命の扉は開かれる。

3. 崩れる壁

男装女子っぽい髪型にしてください。

何の成果も!得られませんでした!!
散々迷った挙句、全く要領を得ない注文をした。
こんなに無駄な時を過ごしたのも久々である。

しかし、流石はプロ。

前髪はどのくらい、横は後ろは、とどんどん具体化してくれる。
私が3時間くらいネットの海を彷徨って得られなかった答えを、3分で突き止めてしまった。
一生あなたに着いていきます、と思った。

髪型さえ決めて(もらって)しまえば、あとはこっちのもの。されるがままに待つのみである。
流石にオーダーが抽象的すぎたこともあり、何度かイメージと合っているか確認は挟んだが。

髪を一通り切り終え、普段よりずっと高級なシャンプーで髪を洗い終わった。

ドライヤーで髪を乾かす際、何か質問された。

よく聞こえなかったので、とりあえず「はい」と答えてしまった。RPGじゃないんだから、分からなかったら聞き直せばよかった。
美容院はTOEICと違って、1回しか質問文が読まれない訳ではない。

前髪はアップでいいですか?と聞かれていたらしい。

いままでずっと下ろしてきた前髪。
カーテンのように私の左眼を外界から守り、時には左眼に侵入してきてしまうお茶目な前髪。
前髪は私を他者から守ってくれる、ATフィールドだったのに。

もうどうにでもなれ、と諦観に浸った私は、そのまま仕上げをしていただく運びとなった。

ちょっとパーマっぽくしてみますか?

今度は聞こえた。もちろん、答えは「はい」。
私は考えるのをやめていた。

4. 仮初の翼

あれ??
今まで生きてきた中で一番好きな髪型だ!!

RPGの主人公と化していた私は、鏡を見て一気に感情を取り戻した。スーパーハイテンションである。

いままでの人生なんだったのってくらい、気に入ってしまった。やっぱりプロってすごい。

会計を終えた私の足取りは、切った髪の量以上に軽やかになっていた。

家に帰って、めっちゃ自撮りした。
コテとか色々使っていたので、自分で再現するには恐らく勉強が必要だが…。

前髪というATフィールドは、もう要らない。
次の注文も、時を2ヶ月戻してもらおう。

本日は以上です。読んでくださり、ありがとうございました。

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