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詩◆花

冷えた空気の中
僕らは全てを誤魔化す様に
ホットココアを飲んでる
でもね、やっぱりそれは
ただの 気休め
湯気が立たなくなった頃には
乾いたため息が一つ
カップが空になった時
僕は一人ぼっちだった

僕と君の壊れゆく隙間に
種が一粒 零れ落ちた
どんな花が咲くのかなんて
今の僕には 解らない

君がいなくなっても
僕がどんなに堕落しても
太陽は昇ってる
やがて 隙間の種は
芽を出した

季節が一つ 過ぎた頃には
鮮やかな花が咲いてた
「君にも見せたかったな」
僕は 一人 呟く

本当に 綺麗な花が咲いたよ
全てを包み込む様な
やさしい 花…………


1998年4月30日(木)PM∶8:44 UP