本に関わる仕事がしたい

久しぶりに大型書店に行った。棚に置かれた本のタイトルや表紙を見るだけでも心臓がドキドキして、気になるもの全てを手に取って読み尽くしたい衝動に駆られた。
実際にはそんなことができる時間も金も持ち合わせていないためできっこないのだが、いつかはそのぐらいの余裕をもって生活したい。

店内にいる間は本当にずっと楽しかった。隅から隅まで移動し、気になるものがあれば足を止めてあらすじや中身を読んでみるといったことを繰り返していたら、あっという間に一時間が経過していた。
本棚を見ている最中、なぜか急に梶井基次郎の『檸檬』を思い出し、今の私は「私」からかけ離れた行動をしているなと思った。ここが爆破される想像なんてしたくもないし、むしろ一冊一冊を丁寧に大切に扱いたい。「本」という媒体に関して何か役に立てることがあれば率先して取り組みたいし、できることなら本の良さをもっと広めたいとも思う。

そう考えて、やはり私は本に関わる仕事がしたいのだということに気づいた。
そもそも私の場合、それなりに興味・関心があるものでないと、仕事を続けることができない気がする。
就職すれば、おそらくこれまで学校生活に宛ててきた時間は就業時間に置き換わることになる。小・中・高校生のころは授業よりも部活や友人と会えることの方が楽しくて学校に行っていたし、大学生になった今は自分が学びたい分野だからこそ学校に足を運んでいるのだ。興味・関心のある仕事でないと続けられる自信がない。

ここに来る前は市の図書館、もとい図書室に行った。図書「室」なので蔵書数は少ないしスペースもあまり広くないが、それでも心はときめくものだ。どんなものが所蔵されているのか、他の図書館・図書室と比較してみるのも楽しいし、利用者はどんな人が多いのか、職員はどんな人かを観察してみるのもなかなか面白い。
高校生の頃は図書館司書になることを夢見ていたが、求人の少なさと給与の低さが原因でだいぶ前に諦めた。この経験があったため、三年生になってとりあえず「就活」というものに向き合ってみたときに、本に関係する職業に就くことすらほぼ諦めていた。

しかし、今日でそれが諦められなくなってしまった。自分の気持ちに嘘はつきたくないし、私は「やる」と言ったら絶対にやる。
何もやらずに後悔するよりはやって後悔する方が遥かに良いし、途中で「思ってたのと違うな」と感じたのなら道を変えたっていい。まずは動くことから始めろ。

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