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【第1回 お耽美ナス子】近頃流行りの「悪役令嬢」モノの小説を読んで、私もniceな令嬢になりたいですわ

 はじめまして。お耽美ナス子でございます。実は私、異世界小説に近頃ハマっています。とは言っても、いわゆる「なろう系小説」でイメージされるような「俺、またなんかやっちゃいましたか?」とか、「転生したら全部のスキルマックスでした」とかの雄々しいものはあまり私の好みではございません。私が好きなのは、女性の方たちがきらびやかな世界で強く逞しく生きていく異世界小説でございます。西洋の世界を感じさせる美しい装飾品や食べ物、優しく強い王子様、他の令嬢たちとのお茶会、ダンスパーティ....。魔物や魔法が存在する世界だったりすると更にgood。かつての私が大変憧れていた砂糖と花とドレスと魔法の世界にdrown、できるのです。

 こういった異世界令嬢の方々の小説には本当にお勉強になることがたくさんございます。令嬢の振る舞い、たしなみ、民を思いやる気持ち、異国の文化……。(本当に現実の西洋世界がこのようなものだったのかはともかくとして)
 そうして私は思い至りました。これだけ異世界令嬢の方々のことを学んでいるのだから、私もいざ異世界で令嬢になったとしてもつつがなく振る舞えるのではないかと。

 今日は、私がおすすめする異世界令嬢の小説と、そこから私が学んだことを書いていこうと思います。みなさんがもし異世界令嬢になった際には参考にしてくださいまし。漫画版にもなっているものを選びましたので、小説が苦手な方も漫画で読んでいただけますよ。

おすすめの異世界小説4選

「悪役令嬢は隣国の王太子に溺愛される」

 ベーシックな転生令嬢モノで、主人公はゲームの世界の悪役令嬢に転生した一般人。自分の婚約者に婚約破棄され、そのまま国外追放...となるはずが、ゲームのシナリオではなかった「隣国の王太子からの求婚」というイベントが発生します。 
 この物語のポイントは主人公が物語のシナリオを知っている、ということと、「妖精」が登場するということの二点だと思いました。妖精の祝福を受けて発展する国々の美しさは必見でございます。主人公が特別な妖精から「祝福」を受けるシーンもあって、かつてご都合展開の夢小説を好んでいた私には非常にオイシイ展開です。他にも緊迫する戦闘シーン、恋のライバルの登場...。

 ちなみにこの主人公は教養もさることながら、お菓子作りという特技を持っております。この特技が物語のキーになっている場面もあります。私もお菓子作りを今のうちに習得しようと思います♪マカロンを作りましょうかしら♪
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「ずたぼろ令嬢は姉の元婚約者に溺愛される」
 常に美しい姉と比べられ家族に冷遇される、いわゆる負けヒロインだった主人公のマリー・シャデラン。自分の誕生日パーティーの場でもボロ着を着せられ、来客した貴族たちも美しい姉にばかり声をかけていた。そんな中、イプサンドロス共和国の伯爵と出会ったことでマリーの人生は一変する...。というお話でございます。
 イプサンドロスという国は恐らく現実の中東かスペインとかその辺りがモデルになっていると思うのですが、この「架空の国」が本当に細かく描写されております。料理人の方が作る見知らぬ食べ物がとても美味しそうに描かれていたり、イプサンドロスの市場に置かれている調度品やアクセサリーなどのきらめきがありありと伝わってきたり、イプサンドロスに伝わる童話が物語の重要アイテムになっていたりと、作者の方の「文化」に対する強いこだわりを感じます。
 マリーと伯爵だけではなく、両親や、家族の中で唯一マリーを愛してくれていた姉のアナスタジアにもフォーカスが当てられ、非常に立体感のある作品になっております。

 もちろん、主人公のマリーがなんの取り柄もないのに突然伯爵に見初められてハッピー⭐︎というような話ではございません。マリーが伯爵の心を掴んだのは、イプサンドロスの文化への造詣の深さや語学力といった豊かな教養があったからこそ。私も語学力を磨こうと強く決心いたしました。美しさは内面から表れるものなのですね。
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「真実の愛を見つけたと言われて婚約破棄されたので、復縁を迫られても今更もう遅いです!」
 淑女とは何か、皇妃になることがどれだけ大変なことか、というのを学べる作品でした。「平民が王子様と結婚する」といういわゆるシンデレラストーリーへのアンチテーゼのようにもなっていた気がします。
 皇太子が主人公に婚約破棄を突きつけた理由は、酒場の平民の女性を愛してしまったため、その女性と婚姻関係を結びたいと思った、というもの。彼は貴族の女性ではあり得ないような気さくな物言いや快活な笑顔に惹かれて平民の女性を好きになりました。しかし、実際に城に呼び他の貴族の女性と会話しているところを見ていると、愛していたはずの部分が何故か「下品」に見えてしまう...。という心情描写が非常に見事でございました。
 身分違いの恋の難しさってやっぱりそういうところなのでしょうね。お付き合いしたり遊んだりする程度なら、新しい刺激が得られて楽しいかもしれませんが、あまりにも立場の違う方と結婚したり生活したりしていくというのはなかなか難しい気がします。
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「無自覚な天才少女は気付かない~あらゆる分野で努力しても家族が全く褒めてくれないので、家出して冒険者になりました〜」

 これは少し他の作品とは毛色が違うのですが、紹介します。貴族をやめて冒険者になった子の話です。主人公があらゆる分野で無双しているという点は非常に「なろう系」っぽさがあるのですが、実の家族との確執?が描かれているのが特徴的でございます。
 娘を深く溺愛しているつもりだった家族と、厳しく叱られてばかりでその愛を感じ取ることができなかった主人公が対比的に描かれています。主人公はもう家族との縁を切るつもりでいるようです。血が繋がっていても、少しくらい楽しい思い出があったとしても、例え愛していたと言われても、自分の価値観を歪めてしまった仕打ちを許す必要はない、という近代の家族観らしさがありました。
 錬金術の描写が比較的多く、存在しないはずの魔法石についてここまで深く掘り下げられることに感動いたしました。主人公の無双感や魔法と冒険の世界を味わうことができる心地良い作品です。
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 余談ですが、私は溺愛される系のお話が大好きです。私はまだ誰かと交際をしたことがないのですが、いつか誰かに溺愛されたいわムフフ、なんて思いながらお話を読んでおります。

 これらの4作品から得られた異世界令嬢のふるまいをご紹介しますね。

異世界令嬢の振る舞い方


・令嬢が開くお茶会は情報収集が目的のものが多いようです。お友達とキャッキャウフフ、ではなさそうなので残念。

・お茶会の際はカップを持ち上げたり置いたりする際になるべく音を立てないようにする。

・もしも皇太子などの身分がかなり高い方と結婚される場合には求められる能力が多数。社交の場だけではなく、旦那さんの政治のお仕事を手伝ったりもするので知性と教養がとても必要。

・政治、経済、商業の分野に詳しい令嬢は特に歓迎されます。少なくとも一般教養と向上心は最低限欲しいところ。私はあまり自信がなく...。

・目上の人には自分から話しかけてはいけない。話しかけられるのを待つ。

・自分で食事を作ったり、使用人に気さくに話しかけたり、手伝ったりすることは令嬢はほとんどない様子。もしそういったことをすれば変わり者扱いはされるものの、好感度が上がります。

・貴族としての暮らしが窮屈ならば、城を出て冒険者や錬金術師、鍛冶屋などになる道もある。

 こうして見ると、私に令嬢は難しいのかもしれない、と思い至りました。よくよく考えれば、(よくよく考えなくとも)年中ドレスを着るのは嫌ですし、様々な思惑が交錯するようなお茶会はしたくありませんし、あまりにも政治や経済に疎ければ民からの信頼を失ったり命を落としたりしてしまうような世界は怖すぎます。 
 可愛いものと魔法と王子様に囲まれた、お姫様のような暮らし。憧れていましたが、どうも甘い砂糖だけ味わう、というわけにはいかないようです。

 ただ、教養やスキルを身につけて振る舞いを美しくする、というのは個人的には意識していきたいと思いました。あとはどうにかして、錬金術なり魔法なりの能力を身につけたいところ...。

ナス子でございました。

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