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駒が、君が、見せる未来 心理職の明日のために  ①                                 藤井聡太竜王・名人8冠達成に寄せて

藤井聡太竜王・名人が8冠を達成した。
彼の偉業は“偉業”という言葉さえ飲み込む。

そこには、なぜ心理職をはじめそれぞれの仕事を続けるのか?トライするのか、という疑問への答えが詰っている。

マスコミ、ビジネス、そして心理の3つの視点から祝砲を挙げ、心理職に就くこと、そして仕事として継続することの意味を考察する。

    ①マスコミの視点  <筆は走り、記事は踊った>


私に動画 を見る習慣はない。

新聞社に在職中、 映像 の仕事に就こうかといくつか 映画祭にも 出展したことがある。

それなりの成績を修めたかもしれないが 、やはり 情報を 伝える タイムラグが体に染み込んでこなかった 。

スポーツや選挙 など、 人が派手に動く 映像 ならば見る、 という友人も多いが、 私はそういう大きなうねりは現場で見たい。

だから 長い間 ネットテレビ さえ 遠ざけてきたのだが 10月 11日だけは異質だった。

うねりではない、小さな 小さな 手の動きが、 大きな 歴史を造った。

挑戦された 名人は 自分の 失態がわかったのであろう 、顔を歪ませ、頭をかきむしり、 上半身を、端から見ていても 胸が潰れるほど くねらせていた。

そして

挑戦者は

ただただ 将棋を指していた

藤井聡太 竜王にして名人 。8冠達成。

その瞬間を 中継していた ネットテレビの記事が 速報で掲載された。

その記事達が踊っていた。

記者だって人間なのだ。

気の乗らない記事は予定稿という 要領のいい 定型の記事を書き 、その後 、数字とコメントだけを差し込んで さっさと 送信してしまう。

しかし、これは と思った記事は 渾身の力を込める。

藤井聡太竜王・名人の各社 記事は どれだけ筆が走ってるだろう とこちらの 心まで跳ね上がるような 躍動感に満ちていた 。

マスコミというのは 記事も動画も写真も売っていない。

何を売ってるか。

価値判断だ 。

日本で初めて 、世界で一番、前人未到 。

こんな言葉はいくらでもマスメディアを飾ってきた。

しかし藤井聡太竜王・名人が ここまで 記者たちの筆を競わせるのは、彼の 偉業が 歴史上で 大きな意味を持っているからだ。

藤井聡太竜王・名人は新しい将棋の世界への扉を開こうとしている。それが目的だ。そして、日々の対局はその道なりにある手段にすぎない。

一体 今に生きる人たちは、私も含め、 何に向かって 日々を過ごしてるのか。
あまりにも 毎日毎日 こなさなければいけない、そう思い込んでる手段に振り回されて いるのではないか。

立ち止まれ。
そして自分を振り返れ。

記者だって「誰に何を伝えたいのか」それが全て。
経営も目的を果たすための手段であり、経営をすることが目的ではない。

あなたはどこに行くのですか?
思い出してください。あなたが心理士になった目的は何でしたか。

はるか遠くを 見やる藤井聡太竜王・名人の目はあまりにも無邪気で突き刺すようで、だからこそ、我々の胸をふるわせる。

続く(3回の1回)

次回:ビジネス編・「眼は遥かか、四肢は地か」


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