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まいにち寅さん

毎晩、夕飯は一人で食べている。窓越しに庭を眺めたり空の移ろいを観察するのも楽しいのだが、一食分ゆっくりとなると飽きてくる。テレビは見る気にならないし、じゃあ映画はというと、洋画は字幕を読む暇がない。で、寅さんである。

寅さんの世界はなんのしがらみもなくていい。だってフーテンの寅なんだから。寅さんはカタギの仕事をやっていない。行商やらテキ屋やら、気分次第で西へ東へ旅しては、その場その場で恋をして、これがホントに笑えるんだけど、いつも誰とも結ばれず、他人の恋の仲裁ばかりしている。

寅さんも、たった一人の肉親のさくらも、実は苦労人で、お父さんはどうやら遊び人だったのか、二人は腹違いの芸者の子たち。だからあんなに似ていないらしい。

寅さんときたら中学の時に親父と殴り合いのケンカをして家を飛び出したっきり帰らなくって、その間さくらの世話してくれたのは葛飾柴又にあるだんご屋のおいちゃんおばちゃん夫妻。

この二人がまた、お人好しで、下町の風情があって、帝釈天やら商店街やら、人と人との関わりがあって。心がほっとあたたまりながら、寅さんのあまりのバカさ加減に思わず笑ってしまって、次から次に作品を見てしまう。

そんなわけで、まいにち夕飯の時間は寅さんになってしまうのであります。昼ごはんではないんだよねぇ、ふしぎなことに。日本の夏、夕暮れ、そんな映画です。

#男はつらいよ



HAPPY LUCKY LOVE SMILE PEACE DREAM !! (アンミカさんが寝る前に唱えている言葉)💞