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3月20日(金)消費されるだけの命

マンガやドラマの世界は、今日も死や病を題材にした作品で溢れかえっている。昨日まで普通に暮らしていたキャラクターが、次のページではもういない。先週まで元気だった登場人物が、今日亡くなってしまった。目の前に描かれる喪失に視聴者は悲しみ、涙する。

その日その時その街で、救えたかもしれない命が現実にあったかもしれない、なんてことは、きっとあまり考えられていないだろう。自分の関与しない、消費物としての死を悼み、考えた気になって、賢くなった気がして、気持ち良くなって、それでおしまい。

そういうのが、すごく嫌いだ。

大嫌いだよ。

人は、他人を、助けない。面倒に巻き込まれるのが嫌だから。陰気な空気に耐えられないから。楽しいことだけしてたいから。だから他人を助けない。

私は今も、自分が病気になりたてで心底困っていた時、誰も助けてくれなかったことで付いた傷が、小骨のように喉に引っ掛かっているのだと思う。だから、世の中の雰囲気が善意の表明になると、「じゃあなんで私は助けてくれなかったの?」と考えてしまうのだ。実際、過去の自分が助からなかったこととは、繋がりのある話でもないのに。

現実は過酷だ。一人の命に向き合うのに膨大な負担が掛かる。だからほとんとの人は、架空の世界に浸って、責任の伴わない別れを惜しむだけ。

今日も一つの命が消費された。

そういうのが心底、大嫌いだよ。

おわり


※あくまで個人の見解です


HAPPY LUCKY LOVE SMILE PEACE DREAM !! (アンミカさんが寝る前に唱えている言葉)💞