虐待サバイバーの友だち回顧録A




美しい友だち



変な時間に目を覚ましたから回顧録書いてく
Twitterでこのnoteの引用ツイートを見かけて、「見えない子どもだった友人」の事を思い出したのだ
見えない子どもとされた虐待サバイバーが大人になってどうなったか
その話しを書いてく


ロシア人のように美しい虐待サバイバーの友人の話し
中学生の娘さんのお母さんだった


休みに家のそばの公園を通った時に、顔にたくさんニキビがつぶれたような傷がある女性をみた


うわッて驚くほどの数で、普通は引くと思うけど
あまりに整列してできている傷に、これは自分で付けたなと確信した
なんとなくベンチに座ったりして声をかけた


その人は、かなさん


夏祭りが近かったので世間話をしながら夏祭りに行く約束をして、少しずつ仲良くなり
かなさんと2人でランチに行ったり、図書館に行ったりしているうちにかなさんの事情を聞いた


幼少の頃から、一家の家事をやらされ
父と兄にレイプされていて、母親はかなさんを奴隷のようにこき使っていた
家は貧乏とかではなかったらしい
かなさんはちゃんと進学だけはさせられていた


肌が透けるように白く、地毛なのに限りなく金髪に近いような茶髪だった
ロシア人のように(今だとウクライナ人のようにと思ったと思う、ウクライナ人てめちゃくちゃきれいな人多いよね笑)整った顔立ち、その素直な瞳はそんな過去があると思わせない緑がかった薄茶の瞳だった


でも拒食症を患っていて、誰の目から見てもそれとわかる
自分が虐待された事で、自分の子を傷付けずに育てられるのか
未だに実母からのプレッシャーがあり、隙あらばかなさんを管理しようとすること
夫からは過食、拒食症について理解がないこと
かなさんはそれらの事を話しながらも、愚痴だけではなく
とてもユーモアに溢れて、そんな酷い目になぜあったのだというぐらい明るくて魅力的な話しをするマドンナが大好きな女性だった


いろんな節目に遊んでいたけど
最後に遊んだのは自殺未遂を経て、とても弱っている時だった
ハイターをガブ飲みしたのだ
それで死ねるの?という人がいるかもしれないけど
わたしはファーファという柔軟剤を飲んで一カ月闘病したのちに苦しんで亡くなった患者さんを看取った事がある
すぐ死ねないものを飲んだら苦しみ抜いた上に亡くなるのだ、やめていただきたい


確かに壮絶な過去で、母親をシャットアウトしているとはいえ、虐待サバイバーの後遺症、過食、拒食症などを夫に理解されず苦しんでいたと思う
わたしは時折り話しを聞いたり相談に乗ったりしていた程度だけど
家族は毎日のことだし、疲弊していたのだと思うなかでも大切に育てていた子どもの反抗期で、煙たがられていたのが刺さっていたのだと思う


今までも拒食症だから小枝のような身体だったけど
なぜかもっと痩せていて、脱水が起きているのがわかって立っているのが不思議なぐらいの危険水域だった
話しを聞いたら、彼女が子どもを虐待せずに大切に育てられたなと思ったのに
反抗期のような時期で、彼女を忌み嫌っているというのだ


かなさんは明るい女性だけど、家族にとても依存があるのを知っていた
子どもが友だちみたいになっちゃってて
それは子どもも面倒くさがる時期があるだろうなと思ってて
それは彼女の母親が、かなさんを管理してきた事と闘うことでもあるのだ


心から大切に思う娘と
人生で初めて心を分かち合える相手、友だちと思うのが自分の娘だった事と
自分がされて嫌だった事をしないでいい母親になろうとする事と
彼女はうまく話せなかったけど、そういう事だったのだと思った


かなさんはそんなに弱っているのに、家族以外には依存を見せなかったから
たまにのわたしでさえ、なかなかにヘビーな話しをしよるのーと思っていたけど
毎日の事だから、家族には耐えきれない事も多かったと思う


かなさんから連絡あって、ちょうど寝ないで学校行って実習やって年間3日ぐらいしか休みもなくて
食べてくのに寝ないで夜勤のバイト行ってみたいな時だったので電話でいい?と最後に話したのは亡くなる1週間前だった


それは友人のわたしでさえ、どうしたらいいのって途方に暮れるような哀しみで
かなさんは死んでしまうっていう気持ちが拭えなくて
何か食べてお願いだから食べてって懇願した


それから1週間経たないうちに彼女は亡くなった
東京のド真ん中で餓死したのだ


拒食症を知らない人は過食症の事も知らないかもだけど
拒食症の人はとても食べるんだ
そしてすぐに吐く
脳は栄養を吸収する方向なのに、食べ物が亡くなるからその飢餓感がすごい
医療従事者ならその経過は知っているけど
当事者じゃないと全く理解できないし、治す糸口が見つからないほどの難治性の病気


その過食が無くなって、ご飯を食べられずに餓死して亡くなったのだ
娘さんから、かなさんのスマホに残された遺書を見せてもらった
一年前のものだった


最愛の家族に、わたしと同じ思いはさせたくない
でも寂しい
だから自分の命を絶っていくと決めた


そう書かれていた


一年かけて、食事を摂らずに死んでいったのだ


病院で働いていると、ICU勤務だった事もあって
一日2〜3人の人を看取る
病院はお化けが出るとかいうけど
それは患者さんによくない事をしたナースしか見ない
見たとしても悪さはしないものだ
勝手にセンサー付きのトイレの灯りが点いたり消えたり
エレベーターのドアが勝手に開閉するぐらいで
わたしは直接見た事がない


患者さんは大抵の場合、長患いして急変してICUに来るので
亡くなった後まで病院にいたがるはずがない
いつも帰りたいわあって、家に帰りたいとばかり言う人たちなのだから
何年も意識がなくて病院にいる人でも亡くなってまで病院にいたいわけがないんだ
空を飛べるならどこへでも行きたいに決まってる


かなさんの亡骸をみた時、骨と皮になっていて
もう楽になったよね、もう悩まなくて済むねって泣きじゃくった

彼女の娘さんとはLINEで繋がっていたのだけど
LINEにログインできなくなって新しくしてしまい、彼女とかなさんの夫は引っ越しをして音信不通になってしまったけど
あやちゃん、このnoteに辿り着いたらTwitterにDMください
@a_san_cosmo346


見えない子どもってかなさんの事だ
一見外からは虐待されてるなんて絶対にわからない美しい容姿
進学もさせられて、まるで気付かれない
早くに結婚した事で救われたと思っていた


でも彼女がしたことは偉大
子どもを持って、実の母親にされて嫌な事をせずにそだてたのだ
それでも彼女の受けた虐待は命を落とすまで影響した


何も答えなどわからないけど
これほどまでに、かなさんを追い詰めた母親
実の娘、実の姉をレイプして平気で生きてきたやつら
(そういえばかなさんの弟は自殺したとか聞きました)
末代まで呪うぞと思った


かなさんの母親は、かなさんの亡骸をよこせと言ってきたらしい
お母さんを苦しめた奴らに絶対に知られずに葬儀をしたと娘さんに聞いた
死んでまで魂が抜けた亡骸でさえ陵辱するつもりなのかよって、話だけでも気持ち悪くなる


なんでこんな哀しい事が1人の身に降りかかるの?
どうしてこんな苦しい目に?
あれだけの資質、美しさを持った人がなぜ?
全く答えは出ないんだけど


一つ気付いたのは、山梨から東京の新宿にまで毎日通学してて
専門学校だから18歳にはなってて
いつ逃げ出そうと思ったらできる環境でも
それでもその家に帰るしかなかったという事実が洗脳だ


人の大事な部分を作る思春期に、そこを出れるか出れないかで人生は180°変わる事を知った。わたしは出て行った方サバイバーだから


わたしは生命力がとてもあって、人の参考にはならないと思うけど
今度ふとした時間が空いたら、中学2年生の時に家を出て今に至る方法論というか、経過を載せておこうと思う


虐待サバイバーは脳の海馬が縮むんだって
それは覚えていたくない事を忘却するかのよう


身体にものちのち影響するから
今サバイバーしてる人は、どんなストレスもバカにせず振り払っていったらいいと思う


しょせん家族といえど、自分を大切にしない人は人生に要らないのだ
それはいじめを受けてる人も同じ
自分を大切にしない環境なんて捨てて、次に行ったらいい
あなたが知らない良い事が待っているよ


みんな幸せになりましょう!


※ 追伸
このブログを書いたら、note経由ではないのだけど
かなさんの娘さんと連絡を取ることができました
かなさんの夢を見たの、何にも執着してなかった、楽になったのねと夢を見たことを話して近日中に焼肉タベホ行こう!ってなりました
彼女に似ている娘さんはどんなにきれいになっているだろう、かなさんの影響も心配だけど、声を聞く限りはとても張りがあった。楽しみです😊

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