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大腿骨の形の個人差について

私たちの骨の形は基本的には皆教科書通りの形であり、基本的には一律であると無意識に考えがちだと思いますが、実際は本当でしょうか?

例えば私たちの顔も一人一人違いますが、これは顔面の骨格に個性があるからと言えるはずです。

このように、私たちの骨格にはそれぞれ個性があり、これを骨格特性と呼んでいます。
今回はそのうち大腿骨についてお話ししたいと思います。

【大腿骨の基礎】

大腿骨は股関節を形成している脚の骨であり、以下の部分で構成されています。

・大腿骨頭
・大腿骨頸部
・大腿骨体部

それぞれ読んで字の如く、人の身体で示すのであれば、骨頭はてっぺんについている頭の部分、骨体は胴体の部分、頸部はその2つを繋ぐ首の部分となります。

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【前捻角について】

大腿骨頭の部分は前方にやや捻れており、その角度のことを前捻角といいます。

教科書的には平均15度とされているのですが、この捻れの程度には個人差が非常に大きくあります。

この捻れが強い場合は股関節は内旋方向(内側へ捻る)に動きやすくなり、逆に開脚のような外側に捻る動きは苦手になります。

もし前捻角が強い場合に、無理に開脚をしようとしてしまうと股関節が骨の制限により動かないため、その代償として膝などを過度に動かし過ぎてしまい、痛めてしまうといったことも多くあります。

特に日本人の女性については、子どもの頃に床に座る際、割座をしてしまったり、横座りをする結果、角度が強くなったり、左右差ができていることが多い印象です。

実際に運動指導の現場でも女性で前捻角が強いケースが多く、その際に話を聞くとほとんどが座り方に偏りがあることがあります。

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また、前捻角が強いということは、股関節をいわゆる解剖学的な中間位にした際に、その人にとっては外旋位になっていることになります。

すると関節包の前方部分などといった股関節前方の軟部組織に緊張が高まるため、股関節の伸展に制限が出ます。

その状態で歩いてみても、脚をうまく後方に送って蹴ることができず、骨盤などで代償してしまうといったことも非常に多いです。

歩くときのつま先の向きは少し外側に向けて、などと一般的には指導されることが多いですが、これも骨格特性を考慮すると人によるということになります。

前捻角が強い人にとっては一見内股に見えてもその位置がその人にとってのニュートラルポジションで最も機能的で無理なく使える位置といったことも多いです。


【まとめ】

今回は大腿骨を例に、骨格特性を見極めることの重要性をお伝えさせて頂きました。

その人の骨格によっては、たとえ内股に見えたとしてもその向きがその人に合ってさえいれば正しい使い方ということです。

自分の骨格を正しく理解した上で動くことで、不要な障害などを防ぐことにも繋がります。

また、運動を指導する立場であっても、正しくクライアントさんの身体を見立てることが非常に重要ですね!




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