ベテランは若手の時間を無料だと勘違いしている
若手の美容師と話してみて感じるのは「スタイリストになったのに」という現状の憤りを感じます。
サロン側もそこに着手できていないので、退職者が相次いでいる現状だと感じます。
今回は「若手への仕事をデザインする」内容です。
【結論から】
ベテランは若手の時間を無料と考えているから、大間違いである。
スタッフを教育し、成長させると同時に、自分自身の成長もしなければならないが、どうやら成長せずそのままのベテランが多い。
若手をどのように売れるスタイリスにするかは、若手本人の未来を共有して一歩前を示してあげることからだと思う。
そこには中長期的な見通しが必要。
【ベテランは若手を都合よく使いすぎ】
ここ最近、多くの若手美容師に聞くのが「デビューしたけど、先輩の手伝いで入客できない」と言う憤りを聞くことがしばしば。
せっかくスタイリストになったのに、結局アシスタントの頃と変わらない…
このような悩みを多く聞きます。
シンプルに、ベテランがサロンに残り若手が少ない。求人かけるが集まらない。
このような悪循環が人手不足に拍車をかけ、サロン全体の構造に無理が生じている状態です。
ベテランは今までのファンの数をこなしたいし、若手はベテランのように売れるスタイリストを目標に、スタイリストとして成長したい。
ベテランの客数を回すためにはヘルプ要因が必要です。しかし、ヘルプをしてくれるアシスタントがいないので、まだファンのついていない若手は、アシスタントの頃のように先輩のヘルプをしなければなりません。
こうなると、若手には将来の不安や焦り、サロンへの不信が生まれてくるのは想像しやすいことです。
「早くスタイリストになれ!」「スタイリストのなると、楽しいぞ!」「給料上がるぞ!」のようなあまーい囁きと共に、スタイリストになるための練習や我慢を強いたくせに、スタイリストになっても手足のように動いてもらう。
これは都合がよくないでしょうか。
【若手の時間を無料と勘違い】
ここで感じるのは、若手の時間を万引きしている先輩は「特に何も感じていない」ことです。
自分の売上や、サロンの売上、お給料を保つために若手を利用しているように感じてしまいます。
スタイリストデビューを果たし、これからの若手は大きな可能性を秘めていますが、その大切な時間を簡単に無駄遣いしている状態です。
サロンのため、お客様のためにと言いながら、若手の時間を奪ってないでしょうか?
ベテランや中間のスタイリストが、フリーのようなお客様に入客して、予約の入らない若手がいつまで経ってもお手伝いをしている。
なぜって?「予約が入らないから」というロジックで手伝わせていては、いつまで経っても予約は入りません。入客してないからです。
その時間で売り上げられて、お給料が上がって、ファンがついて徐々に業績が上がります。しかしこれでは「機会損失」を続け、若手は面白くなく退職していきます。
業務委託、シェアサロン…ワンオペで仕事できる場所はたくさんあります。
【ベテランは成長したの?】
このような話になると、とても気になるのが「ベテランの成長」です。
ベテランの成長も、技術的な成長などの話ではなく、サロンを現状のメンバーや売上の状態に合わせた施策を打てているか。ここの成長が気になります。
個人的な所感は「成長していない」と感じています。
なぜならば、これから来たるベテランとアシスタントとのアンバランスに対しての準備をしていないから。圧倒的にここで感じます。
サロンの席数、ベテランの入客数、アシスタントの人数。
この数字たちがバランスを崩していくのに、今まで通りの仕事を続けていては無理が生じるのは、誰がみても明らかです。
しかし、サロンへの施策は打たずにそのままその時を迎えます。
若手が辞めようとしていると、考え直すように伝えますが、若手からしたら「まだ、アシスタントとして使うつもり?」にしか響きません。
デビュー後をいかに計画的にファンをつけるかが、若手がサロンで活躍し続ける重要なポイントだと感じます。
【どうする??】
問題定義が長くなりましたが、どうしてら改善できるのでしょうか?
簡単に考えられるのは…
1、資金に余裕があれば「出店」
2、アシスタントは別で教育を受け、スタイリストになって店舗に配属
3、ベテランが単価を引き上げ、難しい人は若手に引き継ぐ4、若手にフリーを入客させて、ベテランは顧客を担当
ざっと簡単にこんな感じでしょうか?
全ての内容に共通していることがあるのはお気づきいただけましたでしょうか?
そうです。「中長期的な計画」が必要なものしかありません。
いきなり明日から変わることはありません。
出店も物件、工事、オープン準備。どうしても年から半年以上は必要になります。
アシスタントを集中的に教育し、スタイリストとして配属も、教育する場所や講師が必要で、いきなりは変えることは困難です。
ベテランの単価アップも、若手への引き継ぎは慎重に行わなければなりませんから、来店回数とサイクルに応じた引き継ぎ(ファンになってもらう)が重要になります。
デビュー組にフリーを入客、ベテランは顧客を担当。
こちらも中長期的に決まっていれば、ベテランがKPIを設定し、いつまでにどのくらいのファンをつけなければならないかを予測が必要です。
つまり、このような状況が来ることが見えていたのにも関わらず、計画(ベテランの成長)を怠ったサロンは、若手が不満を抱え退社が相次ぐのもよく理解できます。
逆を言えば「計画性のないサロンに将来を共にするな」と若手に伝えたいです。
【ボクなら】
散々、言ってますがボクならどうするか。
「ベテランも若手も関係なく、フリーも予約枠も解放」
「ファンと技術という資産を築かせる」
これに尽きると感じます。自分本位に予約を入れて、はじめから若手のヘルプをあてにした予約の入れ方。
これでは、若手が一向に育ちません。むしろ今後のサロンを支える若手が退職していき、さらにサロンの状況は悪化します。
予約の入るベテランがアシスタントを使うので、分散しないからベテランにフリーを入客させる。一見、合理的とも言えるこのロジックは、ベテラン側を守るようなためにあるロジックで、若手のその時間は無料で「使われている」だけになってしまいます。
予約の取り方は一定のルールが必要ですが、ベテランだけに優位な予約の取り方は、やがてサロンをしぼませる施策になると、長期的に考えるのが妥当だと考えます。
ベテランは単価(価値)をあげるフェーズに移行し、若手は客数を回せるようにサロン全体がシフトするのがいいと感じます。
若手 → 量をこなす
ベテラン → 質を高める
今はしんどくても、徐々に動き始めます。
美容師の資産はファンと技術です。
やは美容師がそのサロンにいて、やりがいを感じられるのは「ファンと技術」だと感じます。
どのように美容師の資産を積み上げるお手伝いをできるのか。
ここをデザインして、サロンからの価値を提供することですよね。
【まとめると】
ベテランは若手の時間を無料だと勘違いしている。
今まさに成長を遂げる若手を手足に使うようなことをしていたら、若手の貴重な時間を浪費しているだけです。
若手の時間を投資に使い、サロンを発展させる思考にシフトしなければ教育サロンはたちいかなくなりますね。
多くの若手から聞く、最近のあるある。
業務委託もシェアサロンもよく見えてしまいますよ。
技術を学べる圧倒的な資産形成ができる教育サロンは、もう少し計画的にサロン運営をするべきじゃないかな…と最近思ったブログ。
みんなの日常のヒントになれば。
小学校入学の頃からなりたかった職業=美容師✄
高校生で美容業界に入り浸り。店長・スーパーバイザー・取締役を経て、美容業界を俯瞰して見ています🌈
夢を叶えたからこそ美容師を良くしたい❗
理想と現実の差をなくすことへの挑戦!
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