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やっぱり青大の演技は凄かった。

こんにちは!

8月11日に埼玉県の越谷で行われる「Gym Dreamフェスティバル」に男子新体操枠で参加予定のbakuten新体操クラブ。
本番まで1ヶ月を切った今、練習の日々が続いています。

今年僕たちが行う演技は青森大学の2017年の演技。
2015年のルール改正以降、今もなお破られることのない歴代最高得点を記録した演技を今年は復刻でやるわけですが…
まぁこれがキツい。
5年ぶりに本格的に新体操をしているのですが、びっくりするほどにこれがキツいんです。

当時はそんなふうには思っていませんでしたが、「やっぱ青大の演技ってすげーなぁ〜」と心から感心している今日この頃。

今日は、8月のジムドリ、9月のクラブ選手権を見るのが100倍楽しくなるように、この演技の何がすごいのかを解説していこうかと思います。

まずは演技を見てみましょう

話を始める前にまずは1回演技を見てみましょう。
「どこがそんなに凄いのかなぁ〜」と予想しながら見てみてくださいね。

キツいポイント①

さてさて、では演技を見終わったので最初から順番にこの演技のすごいところ(キツいところ)を解説していきます。

1番目は「休憩時間の短さ」です。

演技中に休憩?と思われる方もいるかもしれませんが、団体演技の3分間の中には休めるポイントがちょこちょこあるんです。
タンブリングの前後、組み技の前、誰か1人ソロで踊っている時
などなど、6人中誰かが目立っている時はそれ以外の人は少しだけ休憩ができるのです。

が…。
この演技、それがほぼない。
あるんですよ、一応。
誰かが目立っててその他の人が目立ってない時は一応あるんですけど、目立ってない時は大体後ろで駆け回っているし、休める時間があったとしてもほんの一瞬。
ほぼほぼ3分間走り続けているわけです。

まぁ〜キツいですよ、これは。

例を挙げるのであれば…
1、全てのタンブリングフレーズ
→それぞれがスタート位置についてからすぐに出発しているため、タンブリング前後の落ち着ける時間が最小限に削られています。
2、1:10〜2:50 全て6人同時の動き。
→同じ動きを6人で同時に行うフレーズが1分40秒間続きます。「6人同じ動き」ということは…休む時間がないということです。

キツいポイント②

2つ目は「異常な移動距離」です。

この演技、移動距離が本当に異常。
常軌を逸しています。

例えば…
1、2:05〜の渡辺選手。
→今年BacXTokyoとして社会人大会に出場する渡辺選手。
この画像では後ろの列の真ん中にいます。

さあ、注目。
彼は第3タンブリングの連続バク転までにどれだけ動き回ったでしょうか?
動きを線で辿ってみると…↓

たった20秒の間にフロアを2周しているのがお分かりでしょうか?
13m四方のフロアを20秒で2周ですよ…?
おかしいです。

2、1:26〜 倒立後〜三角形になるまでの移動
→全員6歩のステップでフロアを半周しています。
これもなかなか異常な距離です。

3、2:52〜 柔軟までの移動
→全員が3歩のステップ+回転でフロアの端から端まで横断しています。
演技時間2:20秒を過ぎた一番キツいタイミングでこの移動はキツ過ぎます。

キツいポイント③

3つ目は「ハイレベルな組み技」です。

1:54〜の組技と3:12~の組技。
どちらもかなりハイレベルです。
そして、組技をしている時間も長い。

土台の選手は常にフルパワーで人を持ち上げているし、飛ばされる選手は空中にいる間は常に呼吸が止まっています。
皆さんも経験があると思いますが、重いものを持ち運べば疲れるし、水中で息を止め続けるとはぁはぁしますよね。
それがかなり高い強度で演技中に行われているわけです。
こりゃキツいですよ。

キツいポイント④

最後は「6人の同時性」です。

ポイント①のところでも述べましたが、この演技の大半は6人が同じタイミングに同じ動きをする演技構成になっています。
①のところでは「休憩をするタイミングがない」という視点から解説をしましたが、もう1つキツい理由がありまして…
それは、一瞬たりとも気が抜けないということなんです。

6人が同じタイミングで同じ動きをする場合、一瞬のズレが命取りになります。
普段の練習で注意されるところを1つも逃すことなく意識しながら完璧に動いていかないと他の5人の動きが死んでしまう。
だから、一瞬たりとも気が抜けなくてキツいんです。

もしこれが半分ずつでタイミングをずらしたりそれぞれが違う動きをするフレーズだったならば、少しくらいは意識が抜けてしまってもそんなに問題はありません。(限度はありますが)
ただ、6人同時の場合はそれが絶対にNG❌。

スピードが早くて移動距離も異常に長いこの演技。
動きをこなすだけでも大変なのに、自分の癖を殺したり、周りをよく見てタイミングを感じながら動いたり。
頭をフル回転させながら3分間動き回らないといけないのです。
体だけでなく頭もキツいんです、この演技。

6年ぶりにやってみたら…

さてさて、この演技がどれだけキツいのかを理解していただいたところで…

新体操を5年ぶりにした僕がこの演技をタンブリングを入れて通してみたらどうなったと思いますか…?

答えは。
「第2タンブリングができなかった」でした!!😂😂

4つあるうちの2個目ができなかったのです。
いや、相当落ち込みましたよ、これ。
こんなにもできないものかと絶望しました。

絶望を感じている瞬間

と、いうことで!
井藤 亘の体力への飽くなき挑戦はまだまだ続きます!
8月のジムドリームフェスティバルお楽しみに〜😇


井藤 亘(いとう わたる)
名古屋アクロバットスクール

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名古屋市立原中学校ー埼玉栄高校ー青森大学ーシルクドソレイユー株式会社bakuten

3歳から男子新体操を始め、中学校3年生時の全日本ジュニア出場をきっかけに、埼玉栄高校へ進学する。
骨折などの大きな怪我を克服しながら3年時にインターハイで団体優勝し、名門・青森大学へ進学。
大学では、全日本選手権・全日本学生選手権ともに4連覇を果たし、4年時には主将も務めた。
卒業後は、幼児・小学生を対象にスポーツ指導をしていたが、パフォーマーとしてイベント出演したことをきっかけにシルクドソレイユのオーディションを受け合格し、渡米。
在米3年半、計650回以上のパフォーマンスをした後、帰国。
現在は自身のアクロバット教室を運営している。

【実績】
・インターハイ団体優勝
・全日本学生新体操選手権大会団体4連覇
・全日本新体操選手権大会団体4連覇
【出演】
・Cirque du Soleil「Drawn to Life」
・Avex主催「STAR ISLAND」サウジアラビア公演
・日本サッカー協会主催「夢先生」講師
・大阪ガス主催「10歳若がえりセミナー」講師
・Athlete Business United 「人に伝わる文章術講座」講師
・東京テレビ「年忘れにっぽんの歌」鳥羽一郎コラボ
・TBS「音楽の日」三浦大知コラボ
・BS11 ドキュメンタリー「ザ・チーム 勝利への方程式」
【資格】
・中学、高等学校第一種教員免許状
・ビジネスアスリート2級
・日本スポーツ協会公認スポーツリーダー

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