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MLS観戦記⚽️ 2022/10/9

こんにちは!
2週間前にアメリカのプロサッカーリーグ「MLS」の試合を見てきました!
たまたま見に行った試合が好カードだったこともあり、非常に楽しむことができました🙌✨

アメリカ。
サッカー。
…。

あまりイメージが湧かないと思います。

しかし、実は野球、バスケ、アメフト、アイスホッケーの4つにプラスして「アメリカ5大プロスポーツ」と呼ばれるようになってきているほど、サッカーの人気はアメリカ国内で高まってきているのです。

今日はそんなMLSの魅力を現地観戦の記録とともに紹介していきたいと思います!

MLSとは

まずはリーグの説明を軽くします。

MLSとは、「Major League Soccer(メジャーリーグサッカー)」の略で、アメリカとカナダにある全28チームで競われるプロサッカーリーグのことを指しています。

僕は今回、試合を見に行くにあたってこの本を読みました↓

MLSの成り立ち、運営方法、今後の課題・展望について詳しく説明されている本で、とても勉強になりました。

とっても大まかにMLSのリーグ運営の特徴をまとめると…

・「シングルエンティティシステム」と呼ばれる制度を採用しており、収支の管理のほとんどをリーグが管理できるようになっている
→選手はチームとではなくリーグと契約を結び、リーグから給与を得る
・昇格降格なしの1部リーグ制
・サラリーキャップ(年俸の上限)がリーグ全体のバランスを見て適切に定められている
・マーケティング目的の別会社をもち、MLSだけでなくアメリカで行われるエキシビションマッチ等の企画も全て行なっている

などなど、とにかく考え抜かれており、本を読んでいて運営主体のビジネス思考の強さに驚きました。

皆さんのイメージ通り、一昔前までアメリカではあまりサッカーが盛んではありませんでした。
MLSより前にプロリーグがあったのですが、経営難により廃止になってしまったという過去があるくらいです。

そんな過去があるからこそ、MLSはサッカーの本場であるヨーロッパのやり方をそっくりそのまま模倣するようなことはしませんでした。
なぜなら、そもそもアメリカでは人気がなかったからです。
リーグを長く続けていくために必要なのは高額な年俸でも有名な選手でもなく、小さい規模から徐々に基盤を固めていくことだと考え、20年かけて今の人気を作ってきました。

ちなみにMLSは、人気が高まり出してきた2011年以降は年間観客動員数においてNFL(アメフト)、MLB(野球)についで3番に位置しています。
本当に意外ですが、アメリカでは今サッカーが根付きつつあるのです。

生観戦で感じた魅力

プロスポーツがお客さんに提供する商品は「試合」です。
試合には「勝敗」という誰にもコントロールできないものが常に付きまとっているため、お客さんが楽しいと思うか楽しくないと思うかは「勝敗」にかかっていると多くの人が考えています。

しかし、そんなものを商品にしていてはビジネスとして安定度に欠けますし、なにより、プロスポーツの課題はそれだと長年言われています。

そのためMLSは、
・試合の勝敗が予想できないようにチーム間の実力差をなくすこと
・勝敗に左右されない魅力を提供すること
の2つに力を入れて取り組んできました。

実際に観戦してみると…
その2つがとってもうまく工夫されており、初観戦で選手の名前はおろかチームの順位すらも知らない僕でも最高に楽しむことができました。

具体的に2つの魅力を紹介します。

1.熱を感じられる適切な大きさのスタジアム

各チームの平均観客動員数は15,000人〜25,000人ほど

現在ではリーグへの参入基準として「特定のフランチャイズ内(地域内)に専用のスタジアムを所有していること」というものがありますが、リーグが立ち上がった当初はアメフトのスタジアムを借りたりしながら試合を行なっていました。

アメフトといえばアメリカでNo.1の人気を誇るプロスポーツであり、その試合には毎回5〜10万人の観客が訪れます。
ということは、当然、アメフトのスタジアムはその規模の観客が入れるような座席数を保有しているわけです。

そんなところを立ち上がったばかりのMLSが借りると…
たとえ2万人のお客さんが入っていてもガラガラで人気のないスポーツに見えてしまうのです。
そんな経験があるからこそ、MLSの各チームが保有するスタジアムはそれぞれの地域、それぞれのチームが集められる観客数に合わせてサイズ感が調整されています。

今回観戦に行った「Exploria Stadium」(地元チームOrlando Cityの本拠地)の収容人数は25,500人。
先日僕がRed Hot Chili Peppersのライブで行ったお隣の「Camping World Stadium」はアメフトのスタジアムで、収容人数は65,000人。
おおよそ3分の1しか人が入らない小さめなスタジアムなのです。

スタジアムの中に入った時の僕の正直な感想は、「あれ、意外とちっちゃいな…🤔」でした。
しかし、試合を観戦していると次第にその魅力に気づき始めたのです。
どこから見てもフィールドが近い。
選手の声やボールを蹴る音、声援、拍手などが大きく聞こえる。
応援歌がドンドンと胸に響く。
気づけば、「スタジアムが小さいからこそ感じられる臨場感」に気持ちが高められていたのです。

もちろん、人がたくさん入るに越したことはありません。
毎試合5万人、10万人集まるならそのキャパのスタジアムを持たないといけないでしょう。
しかし、現実はまだそうではない。
であれば、2万人のお客さんで「満員を演出できるスタジアム」を作ってその雰囲気を楽しんでもらおうよ、というのがMLSのスタジアム作りなわけです。

ちなみに今回、1階の前から3列目を40ドルという安値で手に入れることができまして、とってもいい場所から観戦しました。(隣のエリアは100ドル超えてました😅)
夕方の西日がややキツかったですが、間近で見るサッカーは本当に最高でした。

2.サッカーだけに頼らない雰囲気づくり

アメリカのスポーツ観戦って、スタジアムの中で見るだけが観戦ではないんですよね。
日本でも徐々にこの考えが広まりつつあり、最近では野球界において「ボールパーク構想」という考えが主流になりつつあります。

どういうことかというと…
「サッカー観戦=サッカーを見る」の他に
=BBQ
=お祭り
=ダンスパーティー
=スポーツアクティビティ
といういくつもの「答え」があって、「サッカーの試合を見ながらこれをしようよ」という選択肢がたくさんあるわけです。

その証拠に…

写真では小さくて見にくいとは思うのですが、スタジアムの手前に駐車スペースがあります。
ここ、1台停めるのに40ドルのお金がかかります。僕のチケットと同じ額です。

なぜそんなに高いお金を払ってここに車を停めるのか…?
その理由は、この駐車場で試合を観戦するからです。
大きな発電機とテレビ、BBQセット、スピーカーを持ってきて、自分だけの空間を作って試合を観戦するのです。
広い青空の下、家族と一緒にBBQをして、お酒を飲んで、大きな音で音楽を流し、おまけに隣からは本当の試合の音が聞こえてくる。
もしかしたら、スタジアムの中で試合を見るよりも幸せな空間かもしれません。

それ以外にも、外にはPKゲーム用のゴールがあったり、子供が遊べるキッズスペースがあったり、スタジアムの中にもお酒を飲みながらのんびりできるラウンジスペースがあったり…
とにかく、「サッカーを観戦する」ことの目的がサッカーに限られていないのがアメリカのスポーツ観戦の特徴です。

サッカーが好きだから観戦に来る。
サッカーが見たいから観戦に来る。
応援したい選手がいるから観戦に来る。

そんな概念はここにはありません。
みんな、「サッカー以外のところ」にそれぞれの目的を持ってサッカー観戦にきているのです。
だから、何も情報を知らない僕が観戦に行っても楽しめたわけですね。

まとめ

今回の試合、なんとレギュラーシーズンの最終節で、両チームともにプレーオフ進出が勝敗にかかっているというなんとも激アツな戦いでした。
結果は2-1で地元Orlando Cityが勝利しプレーオフへ駒を進めたわけですが、正直に言ってしまうと、どっちが勝ったとしても僕は「最高に楽しかった」と言っていたと思います。
「勝敗に左右されない魅力づくり」がうまく機能している証拠ですね。

さて、これでアメリカ5大スポーツのうち4つを見終わりました。
残るはNHL(アイスホッケー)のみ!
アイスホッケーの観戦は高校ぶり。
来年の頭くらいに見に行けたらいいなぁ〜。

今日も最後まで読んでくださりありがとうございました!
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ではまた次回!


井藤 亘(いとう わたる)
Cirque du Soleil 「Drawn to Life」
男子新体操アーティスト🤸‍♀️

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KYOMEIプロジェクト

名古屋市立原中学校ー埼玉栄高校ー青森大学ーシルクドゥソレイユ

3歳から男子新体操を始め、中学校3年生時の全日本ジュニア出場をきっかけに、埼玉栄高校へ進学する。
骨折などの大きな怪我を克服しながら3年時にインターハイで団体優勝し、名門・青森大学へ進学。
大学では、全日本選手権・全日本学生選手権ともに4連覇を果たし、4年時には主将も務めた。
卒業後は、幼児・小学生を対象にスポーツ指導をしていたが、パフォーマーとしてイベント出演したことをきっかけにシルクドゥソレイユのオーディションを受け合格し、渡米。
現在はパフォーマー業を行いつつ、男子新体操の普及を目標に様々な活動に取り組んでいる。

【実績】
・インターハイ団体優勝 
・全日本学生新体操選手権大会団体4連覇 
・全日本新体操選手権大会団体4連覇
【出演】
・東京テレビ「年忘れにっぽんの歌」鳥羽一郎コラボ 
・TBS「音楽の日」三浦大知コラボ 
・BS11 ドキュメンタリー「ザ・チーム 勝利への方程式」
・Avex主催「STAR ISLAND」サウジアラビア公演 
・大阪ガス主催「10歳若がえりセミナー」講師
【資格】 
・中学、高等学校第一種教員免許状 
・ビジネスアスリート2級
・日本スポーツ協会公認スポーツリーダー

20年以上続けてきた「男子新体操」というスポーツをより多くの人に知ってもらうため、日々活動をしています!! 頂いたサポートは、今後の活動費、またはその勉強のために使わせていただきます!🙇‍♂️✨ また、サポートとともに記事のリクエストも募集しております。