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2021年度を振り返る⑤

解散と孤立

3月30日。ついにプレゼンの日。

私は発表する際に、緊張しない人間だった。なぜなら私はカメレオン。堂々とした講演家であるというペルソナを被り、容姿さえ堂々たる姿に擬態できた。擬態できていた・・・。

しかし、今回のプレゼンはペルソナを被ることができなかった。どう頑張っても、探究のペルソナを作れなかった。擬態できなかった。
講演家のペルソナを被ってもしっくりくることはなく、プレゼンが始まった瞬間から、私は何をしゃべっているのだろうという感覚に陥った。

どこで息をしていいのかわからない。緊張とマスクで息が苦しい。そもそもどこで息を吸うのだろう。
話していくうちに浅く息を吸ってまた話す作業が続き、自分の肺の空気残量が徐々に減っていくことがわかった。
過呼吸。テンパるとはこういうことなのか。気絶をしてしまうんじゃないかという意識が朦朧とした状況の中、なんとか講演家のペルソナを被ったままプレゼンは終了した。(このころから自分が精神疾患に陥っていたのだろうと思う。そして残念ながら大人達の前での過呼吸は未だ改善していない。得意としていたことが突如苦手になる。スランプとかイップスはこういうことなんだろうな。)

最悪なプレゼンではあったが、学校として学科再編をし、新しい学校を創りあげるという方向性となった。

プロジェクトチームの解散。やっと終わった。いつもの校務に戻れる。挑戦しろと生徒には言っているのに、いざ自分になった途端こんなもんか。でも乗り切った。大変だったが共有できるチームがいたのはありがたかった。久しぶりに家でゆっくりしよう。

帰ろうとすると、私だけ呼び止められ、こんな話をされる。
「このまま、次年度に向けて探究を進めてほしい。」

色とりどりの世界が白と黒に染まった。そして私は学校という組織から孤立したのだった。


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