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自称とんでも美人の自死論


どうもワタリノです。
かなり変な顔をしています。
謙遜ではなく、自他共に認めるド級の変な顔です。
高校に入学したての頃、「なんかすごいブスが入ってきたらしいぞ」と先輩がわざわざ見にくるほどでした。

もろもろのトラウマを回復するため便宜的に美人を自称する試みをしております。

美人なりの苦悩を知りたくてタイトルに釣られてきた方には申し訳ないですが、真逆の話です。

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さて、高校生活はまさしく波乱の幕開けでした。幼い頃は美人の母に瓜二つ、小学生のときは普通に可愛く、中学に入る頃からただならぬ変態を始め、16歳でやべー顔に成り果ててしまった私は、こちらを見てニヤニヤ笑う先輩たちを見て、ショックで凍りついていたと思います。
その後、学年一のブスの称号を獲得し、その後も卒業するまで、学校のあちこちで「あっあれがブサイク先輩だ、マジでブスじゃん」とか「ゲロブスさんだ」とかコソコソ言われ続けました。

神経の細い人は不登校になるような環境かもしれませんが、なんだかんだ皆勤賞をとり、卒業式で表彰されました。

あの顔で何が楽しくて生きてるのかわからんとか、私なら自殺してるとか、陰口(大音量)をよく言われました。
友達はいましたし、先生方にも恵まれたので、楽しいこともありました。
しかし自死を考えなかったかというと、当時から今に至るまで、結構頻繁に考えたものです。

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先日、通勤経路にて人身事故にニアミスしました。何気なく駅に行ったら、救出活動が終わった直後でした。
駅員さんが、おそらく、飛び込んだ方の持ち物を透明な袋に入れて歩いていました。
その中に、柄がグニャグニャに、ありえない方向に捩じくれた、折り畳まれた白い日傘がありました。
それが目に焼き付いています。
亡くなった方の心はあのくらいねじり上げられていたのだろうと感じました。
他の選択肢は無かったのでしょう。
とても悲しい。
綺麗事のようですが、私は誰にも死んでほしくありません。自死を選んで欲しくありません。
私の通勤で通る路線では飛び込みが頻繁にあり、そのたびに残念な気持ちになります。
この世は理不尽でとかく生きづらいです。同じ生きづらい中頑張っている同士が、耐えられずにいなくなってしまうのは、悲しいことです。

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私が自死を選ばなかったし、これからも選ばないのは、死んだ後に楽になれるとは、全く思えないからです。

私は宗教に造詣が深くないし、醜い顔がもたらした経験から、めちゃくちゃ疑い深く神(またはそれに類する存在)をとらえています。その道の人からしたら、以下、不快な妄言の垂れ流しかもしれません。浅学ゆえ、ご容赦ください。

死んだら無になるとか、
地獄に落ちるとか天国にいくとか
安楽に眠れるとか

いろんな説がありますが、
全て、死んだことのない人間の推測に過ぎません。

蘇生された人が死後の世界を垣間見たという話はよくありますが、たとえそれが真実だとしても、

死んだ後に行き着く先が皆同じとは限りません。

Aさんは死後、完全な無となり、
Bさんは川を渡って別の世界に行きました、
Cさんは苦しみのなんかよくわからないところに行きました、
なんてこと、余裕でありうると思うんです。

なにせ誰も死んだことがないので、絶対はありえません。わかりません。宗教的にはわかるとしているところもあるのでしょうが、私は特定の宗教に属していないので、不明と考えます。


神というのか運命というのか、宇宙というのか、呼び方は知りませんが、
そういったものが存在するとしたら、
正直、話の通じる相手ではないとも思います。

少なくとも、「辛いから途中でリタイアしました」という個体に対して、ヨシヨシ辛かったね、もう生きなくていいよと布団をかけてくれるような優しい存在ではないと思います。

「ブスが嫌で途中で自殺しちゃったの?だめじゃん。その顔で全クリ頑張ろうねってテーマだったのに。あーあ、最初からやり直しね。罰として爪の形と頭の形も歪にしとくか。じゃあもう一回頑張って」

これくらいやりかねないと思うんですよ。
ちなみにこれ↑は私にとっての「地獄行き」です。

ただ生きているだけでクソみたいな理不尽に殴られ続けるものです。この世界のデザイナーは理不尽が好きみたいですし、それを解消すべきとも思ってないでしょう。
一個体が、死んだくらいで、そこから逃れられるものでしょうか。
また別の、想像もできない理不尽が私たちを待ち構えている可能性の方が高くないですか。

とりあえず生きている限り、この世界では、情報を伝達し合い、わずかながらも信頼できる仲間を得て、理不尽に対抗する術を身につけることができます。理不尽のパターンもある程度予想可能です。

死後については誰も確たる情報を持ち合わせておらず、連携が取れるのか等一切が不明です。

自死というのは、平穏へ繋がる緊急脱出口か、また別の理不尽への転送か、文字通り命を賭けたギャンブルだと思います。
相手は世界そのものです。すなわち生死の謎、人はどこから生まれ、どこにいくのかというアレです。
私はギャンブルにめっぽう弱いし、相手が強すぎると思うので、勝負しません。

ゆえに、私はとりあえず寿命まで死にません。
なんか戦争が起きて社会がメチャクチャになって、本日中に拷問されて死ぬのが確定したくらいで、やっと自分で死のうかなって感じです。

いま死にたい方、頑張りましょう。
神だか世界だか知りませんが、本当に、死なそう死なそうとしてきますよね。
どこまで耐えられる?って悪ガキが虫をつかまえてする実験みたいに、
ひとつの困難を這いつくばって乗り越えたら、次の困難が降ってきます。腹立つよね。

でもマジで死んだら、たぶん思うツボです。色んなやつにとって。
何を奪われても、
命までは、自分から渡さないでください。
一度渡してしまったら、次に何されるかわかりませんから、とりあえず生き延びましょう。

石に齧りついても生きましょう。
私は神に与えられた変な顔のまま、あらゆる人に罵られながら、創意工夫して頑張って生きていきます。

それで寿命まで頑張って、死んだ後になんらかの理不尽が待ち受けていたら、ゴネましょう。
めちゃくちゃ辛いのに最後までやり切ったんだぞ!なんでフカフカの布団がひいてないんだよ!寝かせろ!


上記文章は、すでに自死を選んだ方を冒涜する意図はありません。
彼らに対して私は、
安らかに眠っていてほしいという祈りしか、
捧げるものはありません。

電車に飛び込んだ彼女も、賭けに勝って、いまは苦しみから解放され、安楽の中にいることを祈ります。

長いのに読んでくれてありがとう。
またね。

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