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挨拶は「Moin(モイン)!」

『わたしの叔父さん』で主人公たちが交わす挨拶「Moin(モイン)!」。
北欧に詳しい方ならば「あれ、デンマークだからHejじゃないの?」と不思議に思うかもしれません。実は本作で話されているのは、映画の舞台になっているユトランド地方、Als島付近の方言。キャストを選ぶ時も、ユトランドの言葉を話せることが条件となりました。

ドイツ国境に面した「南ユトランド」地方では、他のデンマーク国内では使われない「モイン」が出会うときも別れるときも使われる挨拶の言葉。「モイン!」と聞いたとたんに、人々には首都コペンハーゲンから遠く離れたこの〝田舎〟の地方の物語であることをただちに理解され、登場人物のお互いに語りあう言葉の発声、イントネーション、語彙から来る特有の表現から、本映画の言わんとすることの大方の背景が伝わります。
映画のなかの方言では、「私の叔父さん(標準デンマーク語ではmin onkel、要するにmy uncle)」が「その叔父さん・私の(onkelen min)」となり、「おまえの父さんの誕生日(din fars fødselsdag)」が、「その誕生日・(の)・その父さん・おまえの(bursdagen til faren din)」となり、誕生日という語彙も違っています。
ー村井誠人先生(早稲田大学名誉教授 デンマーク史)プレス資料解説より

語彙のみならず、語順までも違ってくるとは!フラレ・ピーダセン監督によると、コペンハーゲンで『わたしの叔父さん』が公開された時は字幕付きでの上映となったそうです。同じ国の映画なのに字幕付きとは、そんなにも違うのでしょうか…??デンマーク語学習者の方、ぜひ映画を観て感想をお知らせください〜

映画『わたしの叔父さん』
2021年1月29日(金)より、YEBISU GARDEN CINEMA、アップリンク吉祥寺ほか全国順次ロードショー!

公式サイト:https://www.magichour.co.jp/ojisan

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