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ヨコハマハンドメイドマルシェ2020に出店してきました。

 行ってまいりました、ヨコハマハンドメイドマルシェ

 売ってまいりました、コースター小説

 コロナの影響で半年以上掛かりましたが、ようやっと対面販売に漕ぎ着くことができました(東京を脱出したのも7ヶ月ぶりでした……)。

 感染騒動が始まる前の年初には「2万枚売っちゃるで!」と息巻いていたこともあり、持って行きましたコースター6000枚。(キャリーケースが多分30kg以上の重さで、会場に辿り着くまでが不安だらけでした……。エスカレーターのステップを踏み外そうものなら、人を殺せる重さです。俺のコースター小説は人を殺すか……)。

 そうして初の販売イベント、2日間で売った枚数は499枚でした。
 6000枚も用意していったこと(裏に1枚ずつハンコを押して、そうして8編ずつビニールに詰めて、簡易ラッピングして……)、四苦八苦しつつも超重い荷物を転がしていったこと、日夜あれこれと考えまくったこと、全てが徒労のようにも感じられましたが……が、帰り道、ライトアップされた観覧者の上に輝く半月を仰ぎ見ては、思いました。この骨折りを笑いに昇華させるのだけはやめよう、と。

 笑い話に仕立て上げれば、自分の思惑が大きく外れたことによるショックを和らげることはできますが、それじゃあこの経験から何も学べないように感じられたので、ちゃんとこの胸の疼きを大事にしようと決めました。

 そんなこんなで一週間経ってみて今思うことは、「参加して良かったなぁ」です。正直、赤字です。真っ赤です。せめて出店料分くらいはいきたかったですが、それも半分くらいしか回収できていません。とはいえ、本当に楽しい出会いが、次々とありました。

 1枚25円のコースター小説を、「額に入れて飾るつもりです」とアート作品として大切にして下さる方がいました。

「君は絶対、大物になるよ!」と絶賛し、いきなりお客さんの呼び込みを始めてくれた方がいました。

 皮算用の過ぎる目標には至らなかったけれど、沢山のお客さんがコースターを手に取ってくれました。「これ、めっちゃエモくね?」という会話を耳にしました。

 10セット(80枚)求めて下さった方がいました(想定外の爆買いだったので、袋を用意できずにごめんなさい……)。

 今度の集まりで配ってみます、と複数のセットを買って下さった方がいました。

 中でも特に印象的だったのは、10才くらいの小さな女の子です。

 じっと、テーブルの上に並べられたコースターを眺め、自分が「ゆっくり読んでいってね」と声を掛けつつも、読めない漢字とかあるかな……と思っていると、コースター2作を指さし、「この話と、この話、対になってる」と伝えてくれました。

 正直、10才くらいで「対になる」という表現を知っているのも驚きでした。そうして女の子は、胸元にぶら下げた小さながま口から、これ下さいと、50円玉を出しました。

 大人の財布の中の50円と、子供のがま口から出る50円は、まるで意味が違います。なけなしの、です。「ありがとう」と、対になったコースター小説2枚を透明袋に入れて、お渡ししました。読めない漢字もなかったとのことでした。

 そうして数十分ののちに、文庫本から顔を上げると(店番のときには大抵、本を読んでました)、先程の女の子がまた立っていました。「さっきはありがとう」と伝えると、今度は3枚を手に取ります。75円。よっぽど気に入ってくれたようで。がま口を逆さにして、80円を木皿の中へ。

「ご縁がありますように」とお釣りを返しました。

 1枚25円。赤字だったとはいえ、本当、この値段にしておいて良かったです。

 以下、反省点とか改善点

・バラ買いする方にも、店頭分からではなく、在庫分から商品を出すこと(コロナのこともあるし)。

・大量買い用の小さな紙袋を用意しておく。

・売上げに執着しない。

・声を掛けるタイミングをもうちょい考える(基本的に、テーブル脇の椅子でじっと読書をして、古書店の店主のように、がつがつとした接客はしないよう心掛けていました。とはいえ、買おうと思って下さった方からは声をかけやすいようにしたい……。お客さんがいらしたら「どうぞごゆっくり」程度の声掛けが標準で、あとはお客さんの反応次第という感じだろうか。このへんの見極め、当日も難しさを覚えると同時に楽しかったです)。

・新商品を作る(構想は頭の中にずっとあって、でもコロナのためにずっと先延ばしに……)。

・コースター小説はハンドメイドじゃないので、ハンドメイド系のイベントよりも、アート系のイベントを狙うか……?(ハンドメイド系でも、充分売れるかなぁとは思っていたが……そもそも来場者数は、今までと比べてどれほど減っていたのだろう……)

・お昼ご飯を楽しむ(お昼はゼリー系で済ませたけれど、対策は施しつつも少しくらいは無人販売所にして、ご飯を楽しんでもいいかもしれない……)。

・荷物を軽くして、ささやかながらでも旅を楽しむ(6000枚はやりすぎっすよ)。


 思った通りの売上げは得られませんでしたが、だらかといって、呼び込みを始めたり、がつがつ声を掛けてみたりしようとは思いません。赤字になるやもしれませんが、今後も同様の静かな販売姿勢を貫きます。少なくともコースター小説を売るにはそっちのほうが合っていると思えるし、何よりそれが店主の性分なのです。
(その代わりじゃないですが、Twitterでは会期中に寅さんの啖呵売を真似ておりました。あたしゃ入れ歯で歯が立たないよときたもんだ)

 なお、コロナ下での(禍という表現はどうも馴染みません)イベントレポートっぽいことを手短に書けば、感染症対策はかなりきちんとしているように感じました。初めての参加なので、今までの雰囲気は知りませんが、ブースの間隔もしっかりと空いていて、なおかつ座っていても微かに空気の流れを肌に感じていたので、空調は機能していたと思います。何より、一週間経っても神奈川県の感染者数のグラフには大きな変動がありません。ちなみに自分はフェイスシールドを持参したものの、誰もそこまでやっていないので周囲と同様にマスクのみで通しました。

 お客さんの入りは結構あったように見えました。ただ間隔を空けるために出店ブースが今までの半分ほどの1500ブースとなり、それと比例するように来場者数が減っていても不思議ではないので、やはりコロナの影響は不可避だったかと感じています(運営さん、来場者数の公開を何とぞー)。

(※11/23追記……来場者は二日間で一万人とのこと。つまり例年の半分ほど)

 基本的に自分のブースの購買層は、若い方々が中心でした。多分、20-30代くらい。年配のお客さんも結構いらっしゃいましたが、老眼のために読めないとのことで手に取って読み込むといった行動はあまり見られませんでした。

 今回、売上げとしては赤字でしたが、他のブースに比べてお客さんがあまり寄らなかったかと言うと、決してそうではありません。人数だけで言えば、そんなに悪いほうじゃないよな……、というのが自分の実感です。むしろ黒字売上げのブースは、そこまでなかったんじゃないかなぁ、というのが自分の予想です。

 とまぁ、大体こんなところでしょうか。


 さて。
 お次は京都の予定だけれど、どうなることかしらん。
 なお、北陸のイベントはコロナでおじゃんになったので、代わりに旅に出る予定です。GoToしてきます。

 それではまた!

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