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【3月19日新規上場】T.S.I(7362)/介護関連事業/注目点は?

サービス付き高齢者向け住宅事業などを手掛ける株式会社T.S.I(Terminalcare Support Institute) が、3月19日に東証マザーズに上場します。業種的にマザーズ上場というのが意外ですが、どのあたりに注目すればよいでしょうか?
今回は、サマリー記事になりますので、2分~3分でさくっと読める記事です。

目論見書の簡単な読み方を知りたい方は、こちらのnoteをぜひご覧ください。

それでは、T.S.Iについて、解説していきます。

<サマリー>
上場時の時価総額が31億円で、資金調達額は約6億円。株主は、役員・社員のみで外部株主は一切入っていません。ストックオプションは全く発行しておらず、マザーズ上場企業としては珍しいです。主幹事証券は野村証券、監査法人はPwC京都監査法人です。
注目するKPIは、全室稼働率、新規拠点開設、人材確保


数字で見るT.S.I.

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設立から約11年。2021年12月期売上は前年比13.3%増で順調に伸びています。

介護事業を手掛ける上場企業は、チャームケア(6062)、セントケア(2374)、また、2015年に介護事業に本格参入したSOMPOホールディングス(8630)などです。それらの企業に比べて、売上の規模感は小さいものの、高い成長率をキープしています。

株主は社長および役職員のみとなり、同族株主も含まれています。マザーズ上場企業としては珍しく、ストックオプションを発行していません。


事業内容

介護事業と不動産事業の二本柱で、介護事業が主力事業です。不動産事業は高齢者向け住宅建築事業であり、完成状況により売上は大きく変動します。

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売上・経常利益推移

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CAGR(年平均成長率)が28%となっています。介護市場は筆者のイメージだと、成熟産業であると認識していましたが、同社の売上は5年で4.5倍となっています。

売上高
2016年12月期  7.4億円
2021年12月期予 33.2億円(2016年比、約4.5倍)


KPI

高い全室稼働率と拠点数の増加に注目。人材確保は重要な経営課題

全室稼働率

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3期連続90%以上で、比率は高まってきています。

新規拠点開設

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現在24拠点となっており、上場時の調達資金で新拠点を開設予定です。上場時の調達資金が(想定)4億円程度であり、デット調達と合わせた資金により、年間4~5棟の開設を計画しています。

人員確保

ビジネスとして労働集約的であることは顕著です。売上原価の6割が人件費、求人倍率が高く採用コストが高い、新卒採用に力を入れていれば育成費用も掛かります。そのような中で同社の特徴としては、ドミナント戦略による同一エリア内での複数拠点の人材融通を図っています。

初値

類似企業のPERは10倍~70倍と開きがありますが、既存の介護事業と不動産事業を運営し、堅調に推移する場合には、PER20倍程度で推移するものと思われ、トレイダーズウェブの初値予想は4,600円と高めですが、明日、どのような初値が付くのか注目しましょう。


最後までお読みいただき、有難うございます!

3月19日、同日上場するココナラ(4176)については、目論見書および成長可能性に関する説明資料を合わせて分析します。