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歌舞伎初心者アナウンサーのひとりごと。~若手花形役者が歌舞伎座に集合!~2021年歌舞伎座・壽初春大歌舞伎第一部

いまだ猛威をふるうコロナ禍。歌舞伎界も大きな影響を受けています。
毎年1月、浅草公会堂で行われている『新春浅草歌舞伎』。
昭和55年(1980)からお正月の風物詩として公演されてきましたが、
ことしはコロナで中止に・・・

この新春浅草歌舞伎は、まさに私が歌舞伎にはまるキッカケそのもの。
なのでことしも新春浅草歌舞伎を見て歌舞伎初めするぞ!と、
意気込んでいたので中止の知らせを聞いたときは本当に悲しかった・・・。そんな我々ファンの気持ちを、いや、何よりも浅草の舞台に立つはずだった若手役者の皆さんのためにでしょう。
歌舞伎座で、新春浅草歌舞伎が再現されたのです!
松竹さんありがとうございます!!(´;ω;`)ウゥゥ 笑


『新春浅草歌舞伎』とは

そもそも新春浅草歌舞伎って何?と思われた方へ簡単にご説明します。
毎年1月、浅草公会堂に若手花形役者の皆さんが一同に会し、普段だとなかなか演じることができない主役や主要なお役を務められる公演です。
なので若手役者さんたちにとっては勉強や研鑽の場でもあるそうです。
歴史も深く、昭和55年(1980)に「初春花形歌舞伎」として幕を開け、それから毎正月、若手歌舞伎役者の皆さんの登竜門として上演されてきました。
ドラマやバラエティーにと歌舞伎以外での活躍も華々しい市川猿之助さんや片岡愛之助さんもかつては出演されていらっしゃいました(^^♪
この新春浅草歌舞伎は私にとって、歌舞伎を好きになったキッカケ。
母と2人で新春浅草歌舞伎を見に行き、役者の皆さんの迫力と色気ある演技、華やかな空気、衣装の豪華さ、特殊な舞台演出、、、、。一気にその世界に魅了され、次の日には歌舞伎座へ当日券を買いに行っていました。笑


浅草×はながたつどう=”花形集う”

2021年1月の歌舞伎座・壽初春大歌舞伎(ことぶきはつはるおおかぶき)。
第一部の第一幕は『壽浅草柱建』
読み方はといいますと、、『ことほぎてはながたつどうはしらだて』。
お気づき頂けたでしょうか。そう、浅草と書いて花形集うと読むんです。
何と粋な計らいなんだ・・・と思われたファンの方は多いはずっ!

浅草に立つはずだった若手花形役者がまさに歌舞伎座に舞台を移して集い、曽我十郎・五郎兄弟の仇討を描いた”曽我もの”の舞踊「新柱建」をこの舞台のために新しく作り直し、9名の若手花形役者を中心に上演されました。


コロナの終息、新春浅草歌舞伎の復活を祈って

タイトルにもある「柱建」とは、神社仏閣を建築するにあたって、初めて柱を建てる重要な祝賀儀式のこと。おめでたい場にふさわしく、上演当時の平均年齢28.5歳と若さと個性あふれる9名の皆さんがエネルギッシュに踊りやセリフをつないでいきます。

終盤、中村歌昇さん演じる工藤祐経が
世界(平)たいらかなるを皆々で祈念いたそうぞ
と呼びかけると8名が同意し、舞台奥の宝船に乗り込んだ9名全員が七福神や鶴亀とお正月にふさわしいおめでたい絵面できまり幕は下ります。

工藤のセリフ。コロナ終息を願う全人類の想いが込められていますよね。
コンサートやスポーツ会場と同じく、歌舞伎座も大向こう(おおむこう)と呼ばれる声出しは禁止されていますので、劇場のお客さんも工藤のセリフに賛同するかのように大きな拍手を舞台へおくっていました。

2021年1月、歌舞伎座で再現される形となった新春浅草歌舞伎。
お正月にふさわしい、華々しくおめでたい雰囲気で眼福そのものでした。

新型コロナウイルスが終息し、世界が平和になったそう遠くない未来、
ここに集った9名の花形役者の皆さんが歌舞伎界の柱として活躍されていることを心から待ち望んでいます。

最後までご覧いただきありがとうございました。
渡邉唯(わたなべ・ゆい)
https://www.instagram.com/watanabeyui.0108



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