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歌舞伎初心者アナウンサーのひとりごと。~あなたの推し“犬”を見つけちゃおう~『南総里見八犬伝@国立劇場』

はじめまして。おはようございます。
こんにちは。こんばんは!
歌舞伎が大好きなアナウンサーの渡邉唯です(*^^*)

2022年も大好きな歌舞伎を追いますよっっ!!
今年もゆる~く、時にアツく
備忘録として観劇メモをのこしていくので
お目汚しでございますが、
もし宜しければ最後までご覧いただけますと嬉しいです★

さーて!
今月は歌舞伎座で第一部と第三部を、
そして国立劇場で
南総里見八犬伝を見て参りました~U^ェ^U
数多くの映画や舞台などにもなっている歴史的な作品。
日本を代表する大人気漫画”ドラゴンボール”も
インスパイアを受けていると知ったときは驚きました~!

新年最初のnoteは、
国立劇場開場55周年記念 令和4年初春歌舞伎公演 
 通し狂言 南総里見八犬伝 五幕七場
」をメモしていきますっっ。
去年、文化勲章受章された尾上菊五郎さん監修のもと豪華出演陣が
新年にふさわしい華やかなお芝居を繰り広げられていました~🐶!

劇場にはいってすぐどどーんと華やかなお出迎え

勧善懲悪!元祖スーパー戦隊ものがたり!

もともとこのお芝居は、江戸時代後期を代表する
曲亭馬琴(きょくていばきん)の有名な小説を脚色したもの。
文化11年(1814年)11月に刊行が開始され、なんと28年もの歳月をかけた
全98巻106冊に及ぶ長長長編小説
それぞれ「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」の
文字が書かれた水晶をひとつずつもち、
からだの何処かに牡丹の痣をもつ8人の犬士たちが不思議な縁で出会い
衰微しかけた里見家の再興のために大奮闘する!というお話。
因果応報勧善懲悪というメッセージが込められた
スーパー戦隊ものの元祖のような作品です。

今回は、物語の発端となる伏姫と愛犬・八房の結婚の場面や、
伏姫の体内から8つの水晶が飛び散るシーンは
浮世絵風のパネルと尾上菊之助さんのナレーションで解説という
大河ドラマのような雰囲気で始まり始まり~!
原作を見たことがない私のような若い世代にもわかりやすい演出でした☆
最近、このような演出方法が増えてきていますが、
作品によっては、お芝居の前に簡単な解説があるのは
親切だなあと思っています(^ω^)

新春祝う、初笑い演出☆

新年の国立劇場は、尾上菊五郎さんが座頭を務める「菊五郎劇団」による
初春歌舞伎公演が恒例となっています。
毎年、時事ネタを取り入れた演出やアドリブなども見どころの一つ。
私は今回が初菊五郎劇団だったので、
どんなユニークな演出が見られるのか楽しみにしていました。

今年は「ドローン」。
ドローンといっても本物のドローンではなく、
糸で吊られた木製のドローン。
そのアナログな見た目と仕掛けに会場は爆笑。
そのあと舞台が暗転したかと思えば、
ドローンに見立てた複数のちょうちんの明かりによる
”富士山”、”鷹”、”茄子”のシルエットを浮かび上がらせ
一富士二鷹三茄子”と新春を祝う演出で初笑い~!
片岡亀蔵さんの憎めないコミカルな悪人ぶりも最高でした(笑)

個性豊かな八犬士!あなたの推し犬は??

8人の犬士がもつ「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」の水晶。
この8つの文字は、儒教における八種の徳。人間が生きていくうえで大切な8つの道徳的規範を示したもの。
それぞれの文字がもつ意味合いが違うように、犬士たちも個性豊かです。

尾上菊五郎さん演じる「犬山道節」は”忠”の珠をもち、火を操る術を習得。
円塚山でのシーンや、ほかの7人を従える姿はまさにビッグボス!(笑)

尾上菊之助さん演じる「犬塚信乃」は”孝”の珠をもつ青年。
ふだん女形でもある菊之助さん、中性的な美しさと爽やかさがとても素敵だったなあ・・・(^ω^)♪
後ほど紹介する現八との、芳流閣での大立ち回りは力強さとしなやかさのバランスがとても美しかったです。

尾上松緑さん演じる「犬飼現八」は”信”の珠をもつ正義感溢れる勇者。
松緑さんは、現八とは正反対衣の超悪役・網乾左母二郎との一人二役
180度違うキャラクターを演じ分ける凄さはもちろんのこと、尾上左近さんとの親子共演、花道での引っ込みは見ごたえ十分でした!
左近さんが引っ込むのを見守る表情は、役を超えた父親の表情そのものにも見えたし、見送ってから「ふぅ」と一息つく姿には思わずクスッとなってしまいました(笑)
これも歌舞伎だからこそ生まれる楽しみ方ですよね!

私が一番印象的だった犬士は、中村時蔵さん演じる「犬坂毛野」です。
”智”の珠をもつ女性と間違われるほどの美貌の持ち主で、劇中も女田楽師のふりをして敵陣に乗り込みます。
中国風の衣装で唐伝来の剣の舞を舞う姿は、妖美な雰囲気に包まれていました・・・(//▽//)
かと思えば、父親のかたき討ちをすべく闘う場面では勇ましく男らしい犬士で、目でずっと追っていました(笑)
中国風の衣装で剣の舞を舞うのは、時蔵さんが初めて
7年前の上演時に、菊五郎さんから”中国風の扮装で”。と提案があり、その時に引き続き今回も唐風衣装での舞となったそうです。
時蔵さんが舞うたびにフリフリの裾がヒラヒラと揺れる姿と、風情あふれる中華風音楽があいまって、不思議な空間がクセになりそうでした。

この「南総里見八犬伝」。
なんともうはや、2月6日にNHKBSプレミアムで放送されるそうです!
わかりやすいお話なので、これを機に歌舞伎をご覧になってみてはいかがでしょうか!
きっとあなたの推し犬が見つかるハズですっU^ェ^U わんわん

最後までご覧いただきありがとうございました☆

フリーアナウンサー(ボイスワークス所属)
渡邉唯
Instagram:https://www.instagram.com/watanabeyui.0108/?hl=ja

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