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てのひら小説作品集

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愛媛の作家によるてのひらサイズの短い小説。 500文字以下の小物に印刷したら映えるサイズ。 それが「てのひら小説」です。 1000文字超えてても2000文字以上でも「いや、これが…
運営しているクリエイター

#会話

遠くからあなたを見ていた

◇◇ショートショート 順次はその日お気に入りのミュージシャンのコンサートを聞いてご機嫌で…

絵本と櫻子と王子さま

☆☆ショートショート 「王子さまは、少女の手に触って呪文を唱えました、”トロトロトローリ…

形見のメガネは不思議

◇◇ショートショート 洋子のおばあさんは人気者でした。喫茶店を営んでいましたがとにかくお…

木の精のことばが聞こえた

◇◇ショートショートストーリー 木の一本一本がやさしく語りかけてくるのです、森にいると不…

言葉の引き出しの鍵

◇◇ショートショートストーリー 涼子の言葉の引き出しには生活に必要な最小限の言葉しか入っ…

私は土に何かを埋めていた

◇◇ショートショートストーリー 私は夜になるのが本当に怖かったのです。暗闇から何か不思議…

私は演じることで生きている

◇◇ショートショートストーリー みつ子は台本に何度も書き込みをしています。演出の是沢がその場でどんどんセリフを変えていくので、常に緊張感と共に、稽古に臨まなければいけません。 彼女はデパートの販売員をしていますが、彼女にとって職場は生活のための収入を得る場所であって、自分の魂が心から求めている所ではありません。 彼女は稽古場では、演技にメラメラと火がついて、心を震わせながら舞台の世界にのめり込み、生きている実感を得ることができるのです。 真夏の夜も、汗だくになりながら

ステンドグラスのオルゴール

◇◇ショートショートストーリー ルリ子はまるでバレリーナのような華奢なボディーでパープル…

日曜日の讃美歌

◇◇ショートショートストーリー 美幸はここ最近少しもいいことがありません。昨日はお気に入…

noteで空想◇イラスト人物図鑑vol.7

空想の時間がやって来ました。91歳のばあばが描くイラストから様々な人物像を空想なさってくだ…

忘れられない最後の会話

ショートショートストーリー 小百合のおばあちゃんは電話好き、ハキハキした通りのいい声で一…

昭和の終わりにタイムトラベル

◇◇ショートショートストーリー サクラはこれだけは失くしたら大変だと携帯を握りしめていま…

友情はアジサイ色

◇◇ショートショートストーリー 雨を受けてよりいっそう青さが増しているアジサイを眺めなが…

お祖母ちゃんと僕の夏越し

◇◇ショートショートストーリー 僕は小さい頃からお祖母ちゃん子で、お祖母ちゃんと色々な所に行きました。初詣も夏祭りも、秋の宮出しもお祖母ちゃんに手を引かれて、昔話を聞きながら目的の場所に向かうのが楽しみでした。 僕は5歳の時に行った夏越し(なごし)のことが忘れられません。 夏越しの前の日の夜には、枕の下に自分の名前と年齢を書いた白い人形(ひとがた)の紙を敷いて寝ました。翌日、お祖母ちゃんが、「洋二、ここに息を吹き掛けるんぞね」と言というので、僕は人形に息をふーと吹きかけ