見出し画像

普通のサラリーマンが音楽フェスをやってみた①~お金がないならお金をもらえばいいじゃない の巻~

はじめに


 みなさま、ご無沙汰しております&明けましておめでとうございます!東京都文京区千石にある無人のレコードと古本屋、ムジンレコーズ(現在臨時休業中)の店主の渡辺です。
*私のことをご存じでない方は過去の記事をご覧ください

 2023年、私個人としてはなんというか、タフな一年でございました。人生初の救急車での搬送、度重なるギックリ腰、親知らず抜いたら口が開かなくなり2週間お粥のみで生活、飼い犬の手術(80万円・ペット保険下りず。キツすぎ) などなど。誰かに呪いでもかけられているんじゃないだろうか、、、。


みんなの声援のおかげで元気になったよ!



 一方で、友人や先輩、ご近所さんに支えられ色々なことを成し遂げることができた一年でもありました。ムジンレコーズ開業1周年、勤務先よりの独立/起業、イベントの開催。関わってくれた全ての方々に感謝を!ありがとう!

 で、今回のnoteでは、9月30日に文京区千石で開催した音楽フェスSmalltown Supersound(以下SMSSとします)の実施までの経緯と内容、結果を書いていこうと思っております。金の話もできる限り詳しく!!みんなお金の話興味あるでしょ!!

今回の記事で実現したいこと

①SMSSに来て下さった方に、背景を知ってもらって更に楽しんでもらう
 
開催までに、SNSやnoteで情報発信はしていたのだけれど、どんな思いでやっているか、や裏側の運用や資金管理と売上見積をどのように立てているかについては全く語ることはできていませんでした。忙しすぎてそこまで全然手がまわらなかった感じです。

 当日いらして下さった方からも「なんでこんなことやろうと思ったの?」とか「なんで教会でライブできるの?」とか「お金大丈夫なの?」などのご質問をいただいていたのですが、時間もなく適切に回答できず。あと親知らずを抜いて口が開かなかったのでモゴモゴとしか言えず、、、。

 皆さんの疑問に答えて、「あーそんな背景があったのね」という楽しみ方をしてもらえると嬉しいです。

②何かイベントを自分でやりたいと考えている人にノウハウを伝える
 
ちらほら「私もイベントをしたいんだけれどどうすればよいですか」というご相談をうけることが増えてきました。僕は自分でいくつか小さいながらも音楽イベントをやっていたり、会社員やフリーランスとして企業のプロモーションイベントの企画/実行などの仕事を受けたりすることがあるので、ある程度ノウハウはあるのだけれどやったことがない人にとっては難しいですよね。
 この記事でゼロから百まで書いていくので、読み終わったらあなたもきっとイベントができるようになるはず!多分ね! ご近所で楽しいイベントがいっぱい増えて僕が遊びにいけるといいなーと思っています。
 趣味としてイベントオーガナイズ。結構たのしいっすよ。

③手伝ってくれたスタッフの皆さま&ご出演してくださったアーティストの方々への感謝を伝える
 
今回30名ほどボランティアでお手伝いしてくださったスタッフの方々がいらっしゃいました。これだけの人が力を貸してくれたことに感動。感謝の言葉を伝えつつも、まだまだこの気持ちをしっかりと伝えることができていないと思っています。また、今回26組のアーティストの方々にご出演いただきましたが、直接お話できていない方も多いため改めてしっかりとnoteという形で言葉をつづっていこうと思います。

そもそもSmalltown Supersoundってなによ?

 来場いただいた方には説明不要かと思いますが、改めてSmalltownSupersoundって何よをプレスリリースを引用する形でご説明しちゃうぜ!

以下プレスリリース引用

ホームページはこちら

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Smalltown Supersound ちいさなまちの音楽会
東京都文京区千石で入場料無料・カンパ制の音楽フェスティバルが開催
~築90年以上の教会やコインランドリー、保育園などをステージに繰り広げる下町のイベント~
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
文京区千石、どこにでもあるような住宅街の中で2023年9月30日(土)音楽フェスティバルが開催。
「いつものまちをもっと楽しく」をコンセプトに、教会・コインランドリーをはじめとする町の施設をステージとして、入場料無料・カンパ制ながらも豪華アーティストが出演。それぞれのステージではアコースティックライブ、ワールドミュージックのDJ、ラップ・ポエトリーリーディングなど、
コンセプトが異なるプログラムで、1日飽きることのないイベントになっている。
出演者はナツ・サマー、東郷清丸、川西卓をはじめとする豪華ゲストに加えて、地元のアーティストも出演。主催は文京区千石の古民家で営業し、カルト的な人気を誇る無人のレコード屋 ムジンレコーズ。
また、本企画は文京区社会福祉協議会(Bチャレ)の助成を受けている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
イベント名:Smalltown Supersound ちいさなまちの音楽会
日時:9月30日(土)13:00-18:00
場所:東京諸聖徒教会、千石セルフランドリー、ムジンレコーズ、コドモカフェ・オトナバー Tummy ちいさいおうち大塚仲町 カフェ風
出演者:ナツ・サマー 川西卓 東郷清丸 岩出拓十郎(本日休演) mayu ぎがもえか 上田真平(Group2)SaToA RumiNagasawa(LIGHTERS)うちだゆう(abenie) kiwano 1an TSUJI 山口兄弟 SHOCHANG  マーライオン たすく(睡眠船) ドルジとアサト(Fanny Hill)ぺのてあ Cyano DJ KENT molphobia DJダンボール Wimm Lana Miura ビートル部 mikiomurahatib(muddy days) isyswimmingclub(Group 2)  Food:MIDORI 雑貨:WOKASHi
入場無料・カンパ制

チラシ

ね、超楽しそうじゃないですか?コインランドリーや教会、レコード屋やらがステージになっていて、そこでライブやDJがあって。それで入場無料のカンパ制。最高だよね。実際最高でした!!

開催までの経緯 

なぜやろうと思ったのか

 まず最初は、なんでこれをやろうと思ったのか、から。実は2022年の秋ごろから考えていたので、記憶を掘り起こしながら書いていきます。

 僕はサラリーマン業の傍ら、ムジンレコーズという古本とレコードを無人で売るお店をやっていたのですが、(詳細はこちら)1年ほど経つと正直飽きてきてしまい、、、。無人店だから僕がやることあんまりないし、しばらく経つと「つっまんねえなー、赤字だしやめちゃおうかな」マインドに。

 店舗があればいろんな人が集まってきて自然発生的にいろんなイベントが起こるのではとか期待していたんですが、実際は僕の期待するスピードよりゆっくりだった。それならこっちから仕掛けていこうか、というところが出発点。

 で、とりあえず何かやろうかな、ということで沢山あったアイデアの中の一つが音楽フェス。そのほかで考えていたのは以下

  • ムジン店舗内でストリップショー → 狭いのと法律的に不味そうなのでやめた

  • ムジン店舗内で落語会 → 狭いのでやめた

  • 近隣で場所を探して映画を上映する → よくよく考えたら映画なんて家の中で見ればいいからやめた。僕インドア派だし

  • 千石の街を爆音でテクノを鳴らしながらパレードする → 警察が怖いのでやめた。

  • 音楽フェス → 普通に楽しそうだし、出来そうだからこれにした

 あとこのタイミングで「ウッドストックがやってくる」というノンフィクションを読んだのも理由の一つ。借金まみれのモーテルを救うため、街にウッドストックフェスティバルを誘致するゲイの青年の話。最高なのでみなさんにもぜひ読んでほしい。


渡辺のバックグラウンド

 ここで音楽フェスが楽しそう、出来そう、と考えたところについてより深く掘り下げるために、僕のバックグラウンドを説明しようかなと。2つの音楽イベント。大学時代にやっていたkomamo、そして社会人になってからやっていたENSOKU を軸に語っていきたい。(自分語り失礼!!)興味なかったらスクロールしてスキップしちゃって!

KOMAMO (ex.komamorphose)

 2005年~2016年まで、東京大学の5月祭、駒場祭内で開催された音楽イベント。大学内の空き地をつかって、でかいスピーカーとDJブース、たまにバンドセットを搬入し、学園祭の一角で爆音を鳴らすレイヴパーティー。僕の入学前にはTheo Parrish、田中フミヤ、曾我部恵一、向井秀徳など錚々たるアーティストが出演してきた。これが入場無料のカンパ制。やばいでしょ

 2011年に入学した僕は、生来の中二病を発揮しまくり&学校に全然馴染めていなかったので、1年生の秋の学園祭、ウイスキーの瓶を片手に酩酊してよろよろ学内を歩き回り、いろいろなサークルのブースで奇声を上げたり、道の真ん中で寝転んだりしていた。らしい。らしいというのは記憶が全くないから。クソ野郎すぎてごめんなさい。思い出すと死にたくなる。うううう。

 そんな酩酊している僕を、当時のKomamoメンバーのS先輩(初対面)が捕獲。人手が足りないからついてこい、と言われてKOMAMOにジョイン。たしかその時に回していたDJは川辺ヒロシさん。この瞬間は今でも覚えている。青空の下でハウスがズンズン鳴っていて、大人がみんな踊っていて。クソみたいだと思っていた大学にこんなイケてて楽しい場所があるだなんて!!

↑2010年のDJ NOBUさん、最高。

 KOMAMOはサークルでなくて、主催者一人がいて、都度都度友達や先輩をよんで手伝ってもらうようなそんな緩い共同体。だから定例のMTGもないし、当日数時間会う先輩、どこの学部の何年生かわからないみたいな人もいた。で、1年生が僕だけしかいなかったのでその日中に後継者になることがきまった。困った酔っ払いから、6年続く屋外イベントの主催者になったので大出世。
 ここから僕はKOMAMOのオーガナイザーとしてプロジェクトマネジメントのイロハを学んでいくことになる。

 アーティストさんのブッキングや開催場所や機材手配したり、スポンサーさん探したり、広報・メディア関係手配したり、、、それらすべてを一人で管理して、それぞれのタスクは先輩や友達にお願いして。今思えばプロジェクトマネジメントの修行をしていたのかもしれない。有難いことにそのスキルで会社員をやめた今もなんとか飯を食えている。大学時代は毎年赤字で借金までしていたけど、全然元は取れているはずだ。(と信じないとやってらんない。そのはずだ!!)

 KOMAMOの主催者という肩書のおかげで、イベントのお仕事につながることもあった。ただ、そっちの方は全然上手くいかなった。
 800人入るクラブでイベントを打って5人しかお客さんが来ないとかやっちゃったし。日本に2日だけ滞在するインドからの旅行者に「日本のクラブはこんなに人がいないのか?今リハーサルか?」と言われた時、「It's Japanese Style」と自信満々で返したけど、あれはぶん殴られても文句言えなかったな。各位本当に申し訳ありませんでした。
 CouCouというイベントでフリーTシャツとフリーグミ(光をあてるとぼんやりと光る)でめちゃくちゃ面白くなるとおもったんだけどなあ、、、

 とまあ、このような生活をしつつ、たまに大学に行っていたのですが、気が付けば何もしないまま就職活動が終盤に差し掛かっており。数社にエントリーシートだすも全く通らず。もう働かなくていいや、と諦め貴重な新卒カードを使うことなく。卒業。2-3月に働きまくりためた60万円で出来る限り遊ぶためにタイのメコン川のほとりで朝から晩まで酒を飲む生活に突入します。(これはまた別のお話)

ENSOKU

 タイで無事持ち金を使い果たし、帰国した僕は渋々ハローワークに。広告制作会社の営業の仕事を紹介してもらい、安月給&長時間労働でリーマン生活をスタート。なんだけれど、全然仕事が楽しくないエブリデー。そこでKOMAMOを一緒にやってくれていたO君に声をかけ、新たにイベントを始めることに。超大手外資コンサルティング会社で快進撃を続けるO君に引け目を感じつつも立ち上げたイベントの名前はENSOKU。

 ENSOKU=遠足。コンセプトは「ちょっと変てこな場所でパーティーを」普通のクラブやライブハウスから飛び出して、他の人がやらないところで音楽イベントをしよう、という試みだ。

 第一回は、本郷の金魚坂。創業350年の金魚問屋さんで、ゲストDJはスカートの澤部さん。音楽イベントでありながら、金魚すくいができるという縁日仕様(他にこんなことできるイベントある?)。大好評でした。

 第二回は、神保町の中華料理屋さんでゲストDJはVIDEOTAPEMUSICさん。神保町徒歩5分の地下に広がる「酔仙酒店」(名前がヤバい!!)。グッドミュージック×フリー杏仁豆腐という大盤振る舞い。

第三回は、根津のネパール料理屋さんでゲストDJはトリプルファイヤーの鳥居真道さん。今度はフリービリヤニ。だんだんとどんなご飯を出すかにフォーカスしていった。もちろんこれも大好評。

 ここで、コロナの影響もあり一旦ENSOKUはストップ。ただ、今回のSmalltown SupersoundはENSOKUの文脈の中で存在している。ライブハウスやクラブ、広い場所じゃなくても工夫次第でどんな場所でもステージにできる。素敵なアーティストの方と手伝ってくれる友達、当日来てくれるイケてるお客さんがいれば、良いパーティーを成立させることができる。これが今回の話のベースになっている。

企画の立案

場所を決めよう

 と、ここまで僕の過去の話をしてきたのだけれど、本題に戻ってSmalltown Supersoundの企画に戻る。今回は、開催場所も何も決まっていなかったので、まずはよさげな場所を探すことにした。まずエリアについてはムジンレコーズのある文京区千石で決定。でキャパについては500名ほど入れる場所だとよい感じ、ミニマムでも200-300名くらい。これはエイヤで出した数字なのだけれど、僕は会社員の傍らで準備時間も週に数時間しか取れないし、オペレーション的にもこれくらいが丁度いい感じだろう、という感覚で出している。

 また、今回はフリーのイベントでカンパ制にしようと思っていた。これはKomamoでカンパでやったところからの経験に基づいている。あらかじめチケットをうるのではなく、フリーとすることで広くお客さんを集め、満足度に応じてお金をもらう形の方が双方ハッピーである、という偏った思想である。

 ただ、千石は住宅街なので全然場所が見つからない。小学校の体育館、校庭、企業のオフィスのホール。でいくつか借りれそうなものはあった。ただ僕学校も会社も好きじゃないし。折角大人になったのでもう学校とか入りたくないし、休みの日に会社に入るとかちょっと嫌じゃないですか。小さな音楽スタジオはあったけれど20-30名しか入らなかった。 

 この段階で場所を千石から移して、ライブハウスがある場所に移すなどを考えたのだけれど、それだったら誰でもできるじゃんと思い却下。ENSOKUでやっていたように、カフェやレストランなどをステージにしていけば、1つの場所のつき60名くらいは来場者に対応できる。これが5会場あれば300名くらいは余裕で入る。ということで、場所を貸してくれる&ライブができる(住宅街の中なのでアコースティック)で場所を探すことにした。

 とはいえ、千石にお店を構えて1年ちょっとしか経っていないので、どこが借りられるか全然わからない。そこで、千石ブックメルカード(一箱古本市)というイベントを主催されているMさんに助けを求めることにした。

 一箱古本市とは、参加者が段ボールやキャリーケースなど1箱に本を詰めてきて一日だけ本屋さんの店主になれる、というイベント。神社や近所の出版社さんの社屋を借りて開催している。2022年の秋に開催された際にムジンを場所として使ってもらった縁もあり、借りれそうな場所を聞いてみることに。あとは、SNSで場所を貸していただけるところを探してみた。

 単にカフェやレンタルスペースでなく、場所に色があるところ。場所と音楽との組み合わせで何かしらの科学反応が起こりそうなところ、そんな場所を教えてもらった。

東京諸聖徒教会 (東京都文京区千石2-18-4)
 
1931年に建てられたカトリック教会。国の登録有形文化財。ドラマ「相棒」のロケ地や三浦大知さんのPVの撮影場所にもなっている。近所の丸山町会の楽団「ルントベルグ楽団」のコンサートの場所として使われていることもあって、町内会の方のおつなぎいただいて、お願い。

 日曜日の朝のミサに出席させてもらったのだけれど、そこの空気感をイベントの中で再現したいなと思っていた。

美しすぎる礼拝堂

千石セルフランドリー (東京文京区千石4-1-9レジデンス高久101) 
 
おしゃれなコインランドリー。待ち時間を過ごせるカウンターや小さなお子様も遊べるスペースや絵本などもあります。しかもフリーwifi。リモートワークもできちゃう。ENSOKUの時からコインランドリーでライブをやりたかったのでぜひぜひ使わせてもらいたかった。


おしゃれランドリー

コドモカフェ オトナバーTummy (東京都文京区大塚3-43-3-101)
 
昼からクラフトビールが飲めるオトナバー、こどもが遊べるコドモカフェ。文京区回りのボランティア団体や町内会のMTGは大体ここでお酒のみながら開催されている。おなじみの場所なのでお願い

ちいさいおうち大塚仲町 (東京都文京区大塚3-43-3-101) 
 
できたばかりの綺麗な保育園。Tummyさんでお話をさせてもらうタイミングがあって、そこにオーナーさんがいらしていただいた経緯で場所をお借りできないかお願い

ムジンレコーズ(東京都文京区千石4-46-2)
 僕のお店です 

 場所の候補が決まってきたので、イベントタイトルや全体のコンセプトも作り始める。今回候補として選定した場所は普段ライブやイベントなどが行われておらず、ステージとしての用途がない場所ばかり。そこでコンセプトを「いつものまちをもっと楽しく」とした。とりあえずコンセプトつけなきゃーと思ってつけたのでコピーとしてそこまでイケてはないんだけれど、まあまあ及第点でしょ。60点くらい?

 そして、そこからイベント名をSmalltown Supersound にした。小さい町からイケてる音楽。頭の中に浮かんできたフレーズをそのままイベント名にした。

事前見積をしよう

 ステージとなる場所の目途は立ったので、より具体的にイメージをつけるために、ざっくりの金額感を概算で出してみた。まだ会場も抑えきっていない段階で予算感を出したのは、場所レンタルやアーティストのブッキングの交渉前にある程度の線引きが必要だから。

ーーー(以下 事前ざっくり見積)ーーー

【支出の部 ざっくり 67万】

内訳
①場所レンタル費:12万
3万×4か所 

②アーティスト謝礼:20万
ざっくり!

③音響設備:15万
マイク×10本
アンプ×4
スピーカー×8本
WEB配信用マイク・カメラ×4セット
マイクスタンドなどなど
*DJブースと業務用スピーカーは私物で確保済

④チラシ/HP :10万
チラシ・ステッカーの印刷費
WEB広告費 

⑤グッズ・ドリンク仕入れ:10万
販売用のグッズとドリンクの仕入れ

【収入の部 ざっくり 35万】
①カンパ 20万*
②グッズ&ドリンク売上 15万

*カンパは 来場者数500名×カンパ率40%×1000円/人=20万 で算出

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

なるほど、32万円の赤字。なるほど。払えなくはないけどちょっときちい。
補足として、以下に諸々の算出のロジックを書く。

支出① 会場レンタル費
 飲食店の貸し切り時の粗利期待値=キャパ50人程度のお店であれば3-5万 でこれまで大体の交渉をさせてもらってきた。(各お店の広さや条件によって当然変動有)過去実績を踏まえて1会場あたりのレンタル費を3万円で計算。

支出② アーティストさん謝礼
 これはもちろんアーティストさんによりけり、なのですがとりあえず予算枠だけ取っておく。

 なお、この後の章で、実際にかかった費用を記載するのですが、ビジネス倫理上、各アーティストさんの謝礼や会場別の費用は記載せず、まるっとまとめた数値で書くことをご了承ください!

支出③ 音響設備
 DJブースと業務用スピーカー、アンプは自前のもの、過去ENSOKUで使ったものが家にある。バンドセット用の機材を手配すると4会場分で40万ほどかかってしまう&オペレーションが煩雑になりすぎてしまうので、アコースティック用の機材。マイクとアンプ+スピーカーでの準備を想定し、安めに抑えることにした。

収入① カンパの収入
 カンパ制の一番怖いところは、売上の目途が全く立たないことにある。なので過去にやった投げ銭型のイベントの数値から予測する。お酒が入っている場合、来場者の60%がカンパ。一人あたり平均1500円ほどの投げ銭額のイメージ。今回はお酒をガンガン飲ませるのは難しそうなので、来場者の40%がカンパ、一人あたりの金額を1,000円とした。やっぱお酒でみんな馬鹿になってもらわないとお金あつまらないよねー。

 コストについては実際に交渉してみるまでどこまで削ることができるかわからないが、明らかに売り上げが足りないことは見えているので、埋めるための施策を打つことにする。

赤字を埋めるための策を考えよう


 イベントでの売上を上げるためには、「①販売するチケットの枚数or単価を上げる」「②WEBでの有料配信を実施する」「③協賛や助成金を受ける」の3つがある。(ってChat GPTが言ってたよ)

①のチケットに関わる施策 → ✕ カンパ制なので不可。来場者数を増やそうと思っていても今回小規模な会場を複数抑えている=来場者数が大きく上振れるとトラブルにつながる(というかそもそも入れない)ので。

②WEBでの配信を実施 → ✕ youtubeでの配信はするものの、がっつりはやらない(やれない)。WEBでのライブ配信は配信でお金が取れるようにするためには15-20万/1会場で必要になるため。どこまでWEB配信でお金を取りに行くことができるか不明なので投資リスクが大きいという判断

③協賛や助成金を受ける
 企業さんや自治体から協賛金を受けて、それを資金としていくやり方。よくある地域イベントなんかでは、イベントのパンフレットに広告枠を付けて5,000~20,000円くらいで販売している。ただ、今回赤字が32万なので、一枠5,000円だと64枠取らなきゃいけない。
 全然どぶ板営業をやってもいいのだけれど、来場者数500人の見積だと広告効果がめちゃくちゃ低いので枠を売るのは難しそう。営業のリソースもとれないので。別の商材やらサービスで単価上げるのはありだけれど、あまり健全じゃないのでやめる。
 例えば僕が業務委託で働くので、イベントにお金出してください、みたいな交渉は全然させてもらえる会社さんはあるけれど、それって本質的じゃないっすよね。

 というわけで、自治体や国がやっている助成金を取りに行くことにする。
予算はあるところから引っ張ってくる。会社員の基本ですね。

今回の取り組みを、単なる趣味の音楽イベントのくくりから外して、個人事業主としての「新規事業開発」の位置づけとすると使える補助金がいくつかある。

・ものづくり支援補助金
・小規模事業者持続化補助金 などなど

で、今回だしたのが文京区が実施しているこれ

提案公募型協働事業「Bチャレ」

 2つの部門があって、1つは100万円まで&もう一つは20万まで。文京区の抱える課題を解決するイベントや試みを文京区社会福祉協議会さんに対して提案して採択されるともらえる形。

補助金をもらおう

 というわけで補助金をもらうために2022年の年末に企画書を書き書き。世の中には補助金をもらうためのコンサルティングなるものがあってこういうことばっかりやっているらしい。需要はあるだろうなあ、とは思いつつ、なかなかすごい商売だなあと思う。

 ざくっとご説明すると、このBチャレ、は文京区の課題解決にたいするイベントにお金を払うものになっている。そこで今回のイベントが解決する文京区の課題を、「文化芸術に触れる機会が少ないこと」に設定。メインターゲットを「親子連れ」に設定した。これはあながち後付けでもなく、お店にいらっしゃる方々でお子さんがいらっしゃる方からの声に基づいている。

 文京区内には親子で音楽などを楽しめる施設があまりなくて、たまに区役所の入っているシビックセンターというところで、クラシックのコンサートが実施されているくらい。これ確か1,000円くらいで入れるのだけれどすぐ席が埋まってしまう。また、クラシックのコンサートって小さい子連れていくの結構ハードルが高い。

 そもそもクラシックのコンサートって子供は楽しいのか?寝ちゃうんじゃない?あとじっとしてられないよ。32歳の僕でもクラシックのコンサートで落ち着きがなくて彼女に怒られているんだから。でも街の色々な場所でポップミュージックが流れていれば、気軽に立ち寄れるし。多分大人も子供も楽しいはずだしご近所さんはお子さんが飽きたら帰ればよいし。この課題解決をベースに実施内容や詳細を記載してい形になっている。

 というわけで、まずは100万円の方に企画を出したのだが、あえなく敗退。区役所からのフィードバックは「どんなことをやるのかイメージがつかなかった」である。なるほどね。
その時の僕の気持ちは、バックトゥザフューチャーのマーティーマクフライが代弁してくれている。(Johnny B. Goode歌ったあとね!)

"Guess you guys aren't ready fot that yet…But your kids are gonna love it"
(君たちにはまだこれは早いかもね、けど君たちの子供はきっと気にいると思うよ)


 結局100万の部門には採択されなかったため、20万の部門の方に再度提案させてもらい採択していただいた。その数か月間で文京区に何があったのかはしらないけれど、とりあえず残りの赤字は12万円になった。これはコストを切り詰めればなんとかなりそうなので事前企画段階でのお金についてはなんとかなりそうだった。ありがとう文京区!これからも税金納めます!納税ラブ!

 ということで企画の概要を固めることができたので、実現に向けて具体的なステップを踏んでいくことにした。

と徒然なるままに書いていたらめちゃくちゃ長くなってしまったので、今回の記事はここまでにしようと思います。
次回の記事では具体的にやることを洗い出して、仲間を集めていきます。お楽しみに!!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
古本と音楽 ムジンレコーズ (合同会社しろいいぬ)
営業日:毎日 10:00~20:00 店舗は現在休業中
場所 :東京都文京区千石4-46-2
https://www.mujinrecords.com/
instagram:@mujinrecords
twitter :@mujinrecords
















 

 

 
 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?