渡辺久志

日中戦争に関する調査研究の成果を雑誌に寄稿しています。

渡辺久志

日中戦争に関する調査研究の成果を雑誌に寄稿しています。

マガジン

  • 歴史の話題散策 リンク集

    マガジン画像は ”Allée of Chestnut Trees” /1878/Alfred Sisley の部分。 https://www.metmuseum.org/art/collection/search/459121

  • 歴史修正主義・否定論

    歴史事実を否定する"珍説"を検証します。 マガジン画像は"The Death of Socrates, Jacques Louis David, French, 1787" https://www.metmuseum.org/art/collection/search/436105

  • 日韓請求権協定 ―― 何がどのように"解決された"のか

    日韓請求権協定で何が締結され、何がどのように解決されたのでしょうか。 大変長くて、入り組んだ記事になりました。ゆっくりお読み下さい。 無料で公開していますが、記事がお役に立ちましたら、ご支援をお願いいたします。

最近の記事

  • 固定された記事

ごあいさつ

・「日韓請求権協定 ―― 何がどのように"解決された"のか」を掲載しました。  長編となりましたので、内容を分割し、マガジンの形式にしました。 https://note.com/watanabe_on_note/m/m6dd2423a92d3  私事都合により、関係者の皆様にはご迷惑おかけします。  事情により、とり急ぎ note に記事を掲載しました。 ・時間的余裕ができましたら「【検証】正定事件」を寄稿したいと思います。

    • 再生

      【動画共有】明治大学平和教育登戸研究所資料館 第13回企画展講演会「ゾルゲ事件を通じて見えてくる近衛体制の弱体化と東条体制の強化」

      ゾルゲ事件を通じて見えてくる近衛体制の弱体化と東条体制の強化 ー『国際諜報団事件』公表80年ー 2022年12月3日(土)に開催された企画展講演会の動画です。 講師:館長 山田 朗(明治大学文学部教授) レジュメはこちら▼ https://www.meiji.ac.jp/noborito/event/lecture13_1_index.html

      • 蓮舫氏「二重国籍」の期間はなかった ー人権と国籍ー

         2016年に、蓮舫氏は「台湾籍」と日本国籍の「二重国籍」の疑いがあるとされ、区役所で戸籍の「国籍選択」の届けをしました。ところが、蓮舫氏は国籍で嘘ついた、説明が二転三転した、25年間国籍法の違法状態にあったなどとバッシングを受けました。  しかし、そもそも蓮舫氏は「二重国籍」でもなく、法務省の国籍事務に矛盾があったのです。この note 記事は、想定外に長くなってしまいましたが、それらの点を中心に述べました。(2014.9.5改訂 台湾出身者を含む中国人の国籍が「中国」とさ

        • 再生

          【動画共有】第13回企画展「極秘機関『ヤマ機関』と登戸研究所 —日本陸軍の防諜とは ゾルゲ事件80年—」展示解説音声

        • 固定された記事

        ごあいさつ

        • 【動画共有】明治大学平和教育登戸研究所資料館 第13回企画展講演会「ゾルゲ事件を通じて見えてくる近衛体制の弱体化と東条体制の強化」

          再生
        • 蓮舫氏「二重国籍」の期間はなかった ー人権と国籍ー

        • 【動画共有】第13回企画展「極秘機関『ヤマ機関』と登戸研究所 —日本陸軍の防諜とは ゾルゲ事件80年—」展示解説音声

          再生

        マガジン

        • 歴史の話題散策 リンク集
          12本
        • 歴史修正主義・否定論
          3本
        • 日韓請求権協定 ―― 何がどのように"解決された"のか
          10本

        記事

          日本学術会議への人事介入に抗議するのはなぜか|倉阪秀史 #note https://note.com/sustainablezone/n/ndc2dfa2c2a64

          日本学術会議への人事介入に抗議するのはなぜか|倉阪秀史 #note https://note.com/sustainablezone/n/ndc2dfa2c2a64

          【資料】南京事件に対する日本政府見解

           1937年に日本軍が南京を攻撃・占領した際に多数の軍民が殺害され、市民への暴行が日本軍によって行われました。この南京事件に対して、日本外務省の「(アジア)歴史問題Q&A」の問6で日本政府の見解を次のように簡単に記述しています。  ここでは「非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できない」としていますが、文言の中に捕虜の殺害が言及されていません。そこで、一部の歴史事実を否定したい方々が、南京事件には市民の殺害は含まれているが捕虜殺害は含まれていないと主張しています。

          【資料】南京事件に対する日本政府見解

          【否定論】南京事件に捕虜殺害は含まれない?

           東京裁判で南京事件、すなわち「南京暴虐事件」(The Rape of Nanking )がとりあげられました。その判決では、日本軍が南京攻略戦及びその後の南京占領時に中国の軍人と市民に対して戦時国際法と国際人道法に反した残虐行為を行った事実が認定されました。  その結果、事件当時、支那方面軍司令官であった松井石根が、その残虐行為の事実を知りながら軍を統制しなかったとして、無作為の罪(訴因55)を問われて有罪となりました。  ところが、東京裁判で南京事件での非戦闘員(市民)

          【否定論】南京事件に捕虜殺害は含まれない?

          再生

          【動画共有】元徴用工訴訟原告側代理人林宰成(イム・ジェソン)弁護士インタビュー #ポリタスTV

          韓国で行われている元徴用工訴訟で原告側代理人を務める林宰成(イム・ジェソン)弁護士へのインタビュー(2023年2月2日収録) 翻訳:南周賢 翻訳監修:徐台教 日韓請求権協定については、マガジン『日韓請求権協定 ―― 何がどのように"解決された"のか』をご覧ください。 https://note.com/watanabe_on_note/m/m6dd2423a92d3

          【動画共有】元徴用工訴訟原告側代理人林宰成(イム・ジェソン)弁護士インタビュー #ポリタスTV

          再生
          再生

          【動画共有】#NoHateTV Vol.159 - ㊗️世界遺産推薦決定 佐渡金山の真実

          "歴史問題を棚上げする形でひとまず世界遺産への推薦が決定した佐渡金山。朝鮮人徴用工たちの実態はどうだったのか? 地元の雰囲気は? 冬の日本海の荒波を越えて、NO HATE TVクルーが現地へ赴きました。" ホスト=安田浩一、野間易通

          【動画共有】#NoHateTV Vol.159 - ㊗️世界遺産推薦決定 佐渡金山の真実

          再生
          再生

          【動画共有】明治大学平和教育登戸研究所資料館 第12回企画展「参謀本部と登戸研究所による対中国謀略」展示解説

          登戸研究所資料館第12回企画展「参謀本部と登戸研究所による対中国謀略」の展示解説です。 ※企画展開催期間2021年11月17日~2022年3月26日、オンライン同時開催 解説:館長 山田 朗(明治大学文学部教授) ●理解を深めたい方は,展示解説パネルPDFを参照しながらの視聴をお勧めします。 企画展展示パネルPDFは下記資料館HPからご覧いただけます。 https://www.meiji.ac.jp/noborito/even... -目次- 0:00:00 オープニング・はじめに 0:02:17 第1章 日中全面戦争と登戸研究所 0:07:36 第2章 日本の対中国謀略 0:34:27 第3章 謀略最後の切り札-偽札工作 0:45:17 おわりに

          【動画共有】明治大学平和教育登戸研究所資料館 第12回企画展「参謀本部と登戸研究所による対中国謀略」展示解説

          再生
          再生

          【動画共有】 明治大学平和教育登戸研究所資料館 講演会「帝銀事件と日本の秘密戦:捜査過程で判明した日本軍の実態」2021年8月7日開催

          当日のレジュメはこちら▼ https://www.meiji.ac.jp/noborito/even... 【内容】 帝銀事件の主任捜査官が残した『甲斐捜査手記』を詳細に分析し、帝銀事件において旧日本軍関係者を重点的に警察は捜査していた事実を、数値的な面から明らかにします。 さらに、なぜ旧軍関係が捜査対象となったのか、第731部隊や登戸研究所といった秘密戦部隊の実態にどこまで迫ったのか『甲斐捜査手記』より明らかにします。 また、帝銀事件再審弁護団より、第20次再審請求の最新の進捗状況の報告もあります。 【目次】 0:00:00 はじめに 0:02:16 Ⅰ 帝銀事件とはどのような事件だったのか?  0:02:16 帝銀事件の発生  0:07:37 使用された特殊な毒物  0:11:56 初期段階での捜査の重点 0:17:47 Ⅱ 捜査の焦点はどこにあったのか  0:17:47 帝銀事件の捜査陣  0:20:51 捜査1課係長が残した『甲斐捜査手記』  0:23:13 『甲斐捜査手記』(第1巻~第8巻+別巻)の数量的分析  0:25:51 旧日本軍のどの組織に捜査の焦点があてられたのか  0:32:15 捜査の焦点の推移      ~化学戦部隊(習志野学校など)から生物戦部隊(第731部隊など)へ  0:48:07 使用毒物の特定捜査~登戸研究所への捜査  0:53:43 平沢貞通の逮捕(捜査の急転回)  0:58:25 捜査方針の大きな転換:捜査・裁判過程における毒物鑑定 1:00:40 Ⅲ 帝銀事件捜査と占領政策の転換  1:00:40 占領政策の転換とG-2の台頭~ウィロビーによる旧日本軍人の利用  1:04:05 731部隊関係者の免責  1:06:20 『甲斐捜査手記』に散見されるGHQと旧軍人の関係  1:10:01 米軍による登戸研究所関係者への調査・追及・免責  1:14:56 登戸研究所関係者の米軍への協力      (秘密戦技術の戦後への継承) 1:17:42 おわりに 1:21:09 第20次帝銀事件再審請求の最新の進捗状況報告      (帝銀事件再審弁護団・渡邉良平弁護士) 1:40:55 質疑応答

          【動画共有】 明治大学平和教育登戸研究所資料館 講演会「帝銀事件と日本の秘密戦:捜査過程で判明した日本軍の実態」2021年8月7日開催

          再生

          §0 記事執筆の理由

           note マガジン「日韓請求権協定 ―― 何がどのように"解決された"のか」に掲載されている一連の、長文で読みにくい記事を書いた経緯とその理由を追加掲載いたします。  この記事を書くきっかけは、ツイッターでの議論でした。  日韓請求権協定については、日韓交渉の経緯をはじめ、戦後補償訴訟、あるいは米国でのサンフランシスコ平和条約をめぐる賠償請求訴訟での法判断に至るまで、広範囲で細部に渡り、ときに専門知識を要する話題に及びました。そのような議論は字数が限られたツイッターでは断

          §0 記事執筆の理由

          【否定論】戦争犯罪処罰に裁判不要?

           戦争犯罪人の処罰に際しては、処罰に先立って裁判が必要であることは第二次世界大戦前であっても常識であり、国際慣習法となっていました。  しかし、"実は国際慣習法でなかった"、"全然「審問」(聞取り)しないことが国際慣習法で禁じられていただけだ"、という主張があることを最近知りました。 1. 立作太郎『戦時国際法』を発端に 立作太郎(たち・さくたろう、国際法)は、著書『戦時国際法論』の中で次のように述べています。  つまり、条約で明記はされていなものの、全て戦争犯罪人は交戦

          【否定論】戦争犯罪処罰に裁判不要?

          §8 まとめ

           第二次世界大戦によって生じた諸問題を日本が連合国との間で解決するために、1951年にサンフランシスコ平和条約が締結され、同条約第4条(a) 項は、日本が領土放棄した地域について、日本国・日本国民と地域の施政当局・その住民の間の財産・請求権の処理を日本国と施政当局との間の主題とすることとしました。この規定に従って、日韓会談が行われ、1956年に締結されたのが日韓請求権協定です。 1. 問題の所在(1) サンフランシスコ平和条約は戦争によって生じた賠償請求権について、日本国・

          §7 補償はどのように行われたのか

           日韓請求権協定は第1条で、日本国からの韓国に対する経済協力による「前記の供与及び貸付けは、大韓民国の経済の発展に役立つものでなければならない」と定めています。経済協力は、記事§5で述べたように請求権とは直接の関係がないばかりか、経済発展に役立つことを義務とし、請求権が失われる韓国民への補償にそのまま充てることを、むしろ禁じているわけです。  では、韓国は日本からの経済協力をどのように転化し、韓国民に対する補償を行ったのでしょうか。 1. 協定にない救済規定  日韓請求権協

          §7 補償はどのように行われたのか

          §6 請求権問題とは何か

          1. 財産・請求権問題とは何か 協定によって解決されたという財産・請求権問題とは何か、少し詳しく見てみましょう。大韓民国政府が1965年3月に刊行した『韓日会談白書』は、請求権とは何かについて次のように述べます。 大韓民国政府, "한일회답백서"(1965年3月20日)39頁  サンフランシスコ平和条約の第14条などに規定されたクレイム(claim)は「請求権」と訳されていますが、次のように、国際法学者の小寺彰は「個人が国家に直接請求する権利はない」としています。  つ

          §6 請求権問題とは何か