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ITエンジニアを飛躍的に成長させる、そんな環境とは

前回の記事では、「自身が成長できる会社じゃないとね~」「だってITエンジニアの市場価値ってあっというまに下がるもんね~」ということを書きました。

ということで、じゃあ、自身が成長できる環境ってなんだろう、ということを今回の記事のテーマにしたいと思います。なお前回の記事はこちらです(こちらもお読みいただくと幸い)。

私たちは案件で成長してきた

ITエンジニアを成長させる環境とは、恵まれた案件とそこでの恵まれた職責(立ち位置)です。 ですよね。今のあなたが持つスキルは、何で身をつけたものですか。学校ですか。自宅での学習でしょうか。いいえ、恐らくあなたが持つスキルの大半は、仕事で、開発現場で、身につけたはずです。そもそも日常生活で圧倒的に多くの時間を、連続的に費やすことができるのが、仕事の時間なわけです。

ITエンジニアに与えられる案件や職責は、優秀な人との出会いを生み、新技術の理解を深め、技術力を育むいい環境になります。これをもっと具体的に言えば、優秀な先輩エンジニアや、尊敬に値する顧客による、前向きで的確なレビューは技術力や洞察力などの基礎体力を飛躍的に伸ばす機会になります。これは自己学習では決して得られない成長機会です。

スキルは何より仕事で身につく。このことは、ITエンジニアのスキルを見極めようとする側が、学歴でも資格でもなく、職務経歴を最重要視することで裏付けられると思います。開発現場は新しいエンジニアを迎えようとするとき、まずは彼(彼女)の職務経歴を確認し、与えられた成長機会を読み取ろうとします。そして、その成長機会を生かしたスキルの有無を、その他の情報や面談で確かめようとするのです。

余談ですが、SIerやSESの営業の人々には、現場で必要とされるスキルが分かりません。彼らは職務経歴そのものをエンジニアの価値であると短絡して理解するようです。彼らが発する「経歴を積み上げる」「この経歴の技術者は高く売れる」等の言葉からそれが分かります。同じ職務経歴を見ているのに、現場と営業で見ようとするものが違う。個人的に興味深い現象です。

そして 案件に成長を阻まれることもあった

ところで、出会う案件によって、身につくものの量と質が変わります。確かに案件によっては、新技術が吸収でき、技術力、洞察力が育まれます。でも、そんなにうまい話ばかりではない。多くの読者は実体験からご存知のことでしょう。

案件によっては、旧技術の利用、その現場でしか通用しない技術や開発プロセス、単純作業が強制されます。人生におけるなんたる不毛な期間。そして、ヘタにこの現場に重宝がられ、そこから抜けることができなくなると、案件に飼い殺しにされたまま時代から取り残されることになります。

この期間が長くなると、まずいことになります。クソ案件の長く続く経歴ではスキルが身につかないことは客観的にも一目瞭然ですから、このエンジニアの市場価値は下がりつづけ、似たような案件へしかアサインされなくなる。案件の負のスパイラルです。

案件運という理不尽

ITエンジニアの職務経歴は、一方でエンジニアとして大きく成長できる期間、他方で時間と労力のみが費やされ、スキルが伸びず時代に置き去りにされる期間、これらが地層のように積み重ねられている。と、一般に言えるのかもしれません。職務経歴は、『案件運』という名の理不尽との戦いとの戦史なのです。

エンジニアによっては、大きく成長できる期間だけが続いてスキルを形づくる場合もあるかもしれません。他方、案件の負のスパイラルに巻き込まれ、ほとんどの職歴でろくな成長機会が与えられない場合もあるでしょう。この記事を読んでいるあなたに与えられた成長機会は、今まで恵まれていましたか、それともロクでもなかったですか。

まとめと次回予告

今回は「案件運がITエンジニアの成長を左右するよね~」という話をしました。前回の記事とまとめると、「ことにITエンジニアって、どんな仕事が与えられるかで将来がだいぶ左右されるよね~」というわけです。スキルの陳腐化におびえ、「外れ案件」に飼い殺しにされる機会損失におびえる、そんな私たち。

なんか暗い話になってしまいましたが、次回ではこれを打開するためには、どうすればいいだろうか? について書きたいと思います。もちろん、転職もありますが、転職はあくまで、事態打開のための手段の一つに過ぎません(前の記事では転職を煽るようなタイトルにしましたが)。
#コラム #ITエンジニア #キャリアデザイン #案件 #将来

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