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(主に管理系人材)を採用しようとしている上場準備企業等の経営者、管理部門責任者や人事の方へのお役立ち情報(人材紹介会社のナマの声)

このnote記事を公開することによって、少しでも企業と人材の「防ごうとすれ防げるような中途採用ミスマッチ」が減ったらよいなとの想いで、私が信頼している人材エージェント3名にインタビューさせていただいた内容をまとめています。

なぜこの記事を書いたのかなど、詳しい経緯はこちらをぜひ。

インタビュー①人材紹介会社の上手な使い方、接し方について

「人材紹介会社との付き合い方が上手な会社とダメな会社があると思います。よい人材を持って行きたくなる会社とそうでない会社という見方もあるのではないかと。」という点について、コメントをいただきました。

スピード感がある会社からの求人は対応しやすいですね。求職者は応募して気持ちが高ぶっているのに結果が出るまでに2週間待たせるケースなどありますが、そのような対応をする会社にはエージェントとしてもいい人材は出せないですね。求職者の心も離れていってしまいますから。私の感覚では、エージェントからの連絡への返信が1日以上空くのは良くないことですね。(X氏)

ハイクラスの採用は、タレントを獲得する戦争のようなものですね。採用をする企業の側にはそのような認識をもっていただけるとよいです。こちらが必死に探して推薦しているのに、書類での検討に1週間かかって、それから面接のアポ調整をするのに何日もかかるというようなスピード感ではまったくダメですね。とても著名で人気もある超大企業の話ですが、人材の書類を出したら大至急会いたいと反応があり、役員も含めた複数回の面接を一気に行い、こちらからの提案からたった1週間で内定、本人応諾まで行きました。いい人材をとるためには会社側も本気でやるべきですね。(Z氏)

オリンピックのイラスト「陸上競技・短距離走」

→ スピード感の有無は重要。当たり前のことに聞こえますが、タイムリーなやり取りにならない会社がとても多いそうです。あと、担当者レベルではなく経営レベルがどれだけ関与するかなど、本気度でも差がつくようです。

会社の情報を私たち(人材エージェント)にも積極的に開示してもらえると進めやすいですね。なお、社内事情なども。人事部門が求人の詳細(現場が求めている人材像など)まで分かっていないことはよくあることです。人材エージェント業者の対応をすべて人事がやるのではなく必要に応じて、その人材を求める部門と直接やり取りをさせてくれるほうがありがたい(進めやすい)ですね。(Z氏)

→ エージェントとしても、求人案件について出来るだけ深く理解したいそうです。事業内容、会社の状況、この求人をすることとなった経緯、職場環境などなど。会社としても丁寧に情報を開示すればするほど、的外れな人が出てくる確率を減らせますので、面倒がらずに丁寧に対応したほうがよいということ(急がば回れ)だと思います。

人事部門は会社の顔です。人事部門がエージェントに対して横柄な態度をとる会社があります。そのような会社にはいい人材をあまり出したくないですね。
かなり有名な会社の中にもその手の会社があります。「お前らを使ってやっているんだぞ」という対応をされることがありますが、そのような態度をとる人事部門がある会社は、社内に何か問題があるようで、社員の離職率が高い傾向があるように感じます。(X氏)

私たちも人間ですので、業者扱いをしすぎる会社さんには、やる気が出ないですね。「仕事としてやってんだろ。紹介して来いよ」ということを言われてしまうと・・・ 経験上、特にひどい対応をされるのは人材紹介会社出身の人事担当者です。威張り倒されるとその会社にいい人を持って行く気は起きないですよ。(Y氏)

通常の人材紹介としての契約なのに、推薦者が出せないことについて私たちに怒ってくる会社がありますがそれは困ってしまいます。リテーナー報酬(着手金)を頂いて責任を持って見つけてくるという契約なら何も動けなければクレームをいただく意味もわかりますが、マッチする人材が出せていない状況に対して感情をぶつけられるのは筋が違いますよね。(Z氏)

威張っている人のイラスト

→ 人材紹介会社との「接し方」も大切ということですね(あたりまえのことですが)。3名全員がこの種のコメントをするということは、「業者扱い」(威張るなど)をする企業が相当数あるということ。経営者はその認識がなくても、人事責任者・人事担当者が酷い対応や残念な対応をしているということなどもあるようです。

どのレイヤーの人材を採用するのかによって、使うべきエージェントは違ってくるのではないかと思います。ハイレイヤーを採りに行くなら丁寧に動く中小エージェントに、素直でこれからの若手人材を多量に採りたいということなら大手エージェントになど。(Z氏)

秘匿性が高いハイクラスの求人は、ちゃんとしたエージェントに任せないと情報が広まってしまいますね。●●社(著名企業)が凄い数のエージェントにハイクラスの求人を出した時のことですが、同じ人物にいろいろな業者からその会社の求人が届いたようです。そうなってしまうとその人物からはよほど採用がうまくいっていない問題があるポジションなのではないかと思われ、敬遠されてしまったといいます。このように、ハイクラスの求人については、しっかりと会社のビジネスモデルや求人の魅力を語れるようなエージェントが探せばうまくいくかもしれないところを、有象無象の素人エージェントが探しに行くとその求人(ポジション)の価値が下がってしまって、いい人が応募しなくなってしまう可能性がありますね。(Z氏)
自社の希望を一方的に主張する会社がありますね。そんな条件でそんな人材いないよという求人を出してきて、こちらから求人内容の変更を提案しても変えないような会社です。こちらは他社との比較などをした上で必要だと思って提案していますので、柔軟に考えてくれる会社のほうがやりやすいですね(X氏)。

耳をふさぐ人のイラスト(男性)

大手を中心に、求職者(採用される側)の対応と企業(採用する側)の対応で組織・チームが分かれているエージェント業者は多いですよね。そのようなエージェント業者に求人を出すのであれば、求職者側に直接その求人について詳細説明をさせてもらうのは有効かもしれません。
自社の窓口になっている担当者に「キャリアドバイザー(求職者側)にプレゼンさせてもらえないか」と打診して、説明会を開いて話させてもらう。求職者側の担当者にとっても、自社の中で回ってきた伝聞の求人情報よりもナマの情報が得られるので喜んで集まってくれるようなケースもあります。求職者側としても会社の魅力や探している人物像をより正確に理解できれば、それにあった人を探しやすくなりますので。

会議でプレゼンをする人のイラスト(女性)

→ こういうアプローチは知りませんでしたが、魅力が伝われば(求人情報が届けば)絶対にいい人が応募してくれるはずというような会社であればやってみる価値はありそうですね。

優先的にいい人材を紹介させるために、紹介手数料を上乗せするという会社はありますね。エージェント業者へのカンフル剤として有効なこともありますが、危険性もはらんでいます。求職者を無理やりその会社に押し込みに行く動機付けになりますので。求職者にはいいことだけ伝えて受けさせるということになりかねない面があります。(X氏)

通常なら手数料35%のところを50%出すからいい人を出してくれなどキャンペーンをやる会社はありますね。だからといって、優秀人材がその会社に行くかというとそうでもないんですよね。(Z氏)

太っ腹のイラスト

→ 考えさせられるコメントです。企業としては、良かれと思って、フィーも上乗せしているのに、その施策がミスマッチ確率を高めている可能性も・・・ 求職者側は、この求人は業者へのフィーが特別に高い(業者が強く推したくなる案件)ということなど聞かされません。それも怖いところですね。

他社のことを悪くいうことはよくないと思いますが、ネガティブな情報を一切伝えずに無理やり押し込んでいるエージェント業者も存在しますので気をつけたほうがよいです(Z氏)。

お金を見つめてニヤけている男性のイラスト

→ 冷静に考えれば誰でもわかることですが、このような人材エージェント業者がごろごろいる世界であることは知っておかないといけないですね。。

インタビュー②「よい人材」を採用したい企業へのアドバイス

「転職のプロとして、よい人材をとるために人材を募集する企業へのアドバイスがあれば教えてください(やるべきこと、やってはいけないこと)。」という点について、コメントをいただきました。

面接に誰が出てくるかやその対応の仕方は大切です。人事担当者が横柄な態度をとったら、求職者のやる気は一気になるなります。社長が応対して丁寧に話をしてくれたらやる気でますよね(Z氏)

会社にとってキーマンとなるような人材を探す場合は、社長が前面に出て会社説明をした上で、書類選考および1次面接もやった方がスピーディーかつ効率的だと感じます。社長が出てこないケースが多いですが。
いい採用をする会社は社長が会社の説明と自分の想いをしっかり語っています。私からも「面接は、できれば社長、難しくても経営陣を」とお願いしている。最低でも人事部長が応対しないとダメ。超・最悪なのは人事スタッフが一次面接をする会社ですね。それなりのポジションを採りに行くのに、人事のスタッフが一次面接するという会社は最悪ですね。まずいい人は入りません(X氏)。

1対1の面接のイラスト(男性)

能力だけで判断するのではなく、性格や相性などもみたほうがよいですね。その候補者がいくらスペックが高くて経験があったとしても、一緒に働くメンバーとの相性が悪いとその人が入ることで組織が壊れることもあります。そのため、内定を出すまでの間にメンバーとの面通しをしてみて双方ともに大きな違和感がないかどうかは見ておいた方が良いように思います。一緒に働くメンバーと会ってもらうなど。よくあるのは内定を出す前にご飯行ってもらうことですね。内定を出す前提で食事に行ったところ、やっぱり採用をやめる、入社をやめるとなることが結構ありますね。会社側、求職者側のどちら側からもあります。面接の場では出なかった本音が食事の場でぽろっと出ることありますので。

酒癖の悪い人のイラスト(男性会社員)

→ これは私も強く同感します。面接というお互いが気を張り詰めて、背伸びしたり取り繕ったりしながらの会話でだけの判断は危険です。一度や二度、食事をしたところで相手のことがわかるものでもありませんが、それでも面接だけというよりはよっぽどましです。実際に、食事に行った結果でNGになるケースがそこそこあるということは有効なプロセスだということの証だと思います。

ポジションにもよりますが、会社のビジョンへの共感を重視すべき人材なのか、実務能力を重視すべき人材なのかをケースバイケースで考えて募集したほうが良いと思います。すべての求人に一律にビジョンへの共感を強く求める会社さんが採用で苦労しているというのを見かけます。CFOにはどうしてもビジョンに強く共感している人でなければダメと求めるのはわかるが、経理部長や経理課長クラスまで求めすぎなのではないかと思うときもありますね。専門的な能力を求めるのにさらにビジョンへの共感までを求めるとそう簡単にあてはまる人には出会えない。本人としてもその会社のビジョンが好きなのかどうかはすぐにわからないこともある。入ってもらってから共感してもらうのでもいいのではないかと思うときがありますね。(X氏)
ビズリーチを使うのもいいと思います。ダイレクトリクルーティングを広めた功労者ですよね。いい人材が圧倒的にいますよ
ただ、一般企業が自分で使うのがよいかはケースバイケース。魅力的な何かがある会社、知名度がある会社、報酬を出せる会社、それに専念できる担当者が置ける会社にとっては使い勝手がよい手法だと思います。
それにあてはまらない会社が自力で使いこなそうとすると案外難しいツールでもあると思います。
我々エージェントもビズリーチを使って人材探しをしています。スカウト面談を申し入れてやりとりする。企業からのダイレクトなオファーではなく、エージェントが第三者的に求人情報を話すことでうまくいくこともあるんですよ。(Z氏)
 
CFOクラスではなく、もっと下のポジションへの求人の話ですが、その会社に入って得られる経験や磨かれる能力がその人にとってキャリア的にどれだけプラスなのかを見せられると興味づけしやすいと思います。
「しっかり指導もするし場合によっては自分の会社を踏み台にしてもらっていいよ、いずれ別の会社で働くとしても当社の経験は役に立つから」と伝えて優秀な人材を集めている会社も実際ありますね(X氏)。
経歴詐称は、ありますね。転職歴が多い人が、そのうちのいくつかをなかったことにするというのが圧倒的に多いと思います。すべてを見抜けているわけでもありませんが。流れを聞いていくと第6感的にわかることもあります。話のつじつまが合わなかったりすると。肩書をごまかしているというのもありますね。(Y氏)

経歴詐称は見たらわかるときがあります。何か違和感があるんですよ。履歴書と職務経歴書がずれているとか、書いていることと話していることがずれているなどで。学歴詐称もありますね。ネット検索でトラブルが見つかることもあります。卒業直前に退学したこととなっている方がいて、気になってネットで調べたら事件起こしていたとか。(X氏)

転職回数の多い高学歴の人には注意するようにしています。よくあるのは、1社抜いて、前の職場の在籍期間を延ばす、もしくは次の会社の入社時期を早める調整。当社では、「詐称などはありませんよね」という基本的なことを確認する書類を書いてもらうようにしていますが、その上で面談時に相手の目を見ながら「詐称する人が増えているんですよ~」という話題を出したりします。その時にキョロキョロと目が泳ぐ人もいますよ。(Z氏)

オファーの直前に、本人に現職もしくは前職の上司2名出してくださいと頼んでリファレンスチェックをさせてもらうことなど。なお、リファレンスはいいことを言うにきまってるので、話の内容だけでなく、話をしたときの反応を見ることも大事ですよ。(Z氏)

本人に了承を得て、本人が出してきた元同僚などにリファレンスチェックをやった結果、採用NGとなるケースがあります。感覚的には、本人が選んだ人物からその人の評価などを聞いても意味ないだろうなと思うが、リファレンスチェックに嘘はつけないという真面目な人も結構いますね。後々、自分が偽った話をしたことが問題になると自分がキャリアチェンジするときに支障になるかもしれないなどとも考えるらしいです。(X氏)

リファレンスチェックは、お金を扱うポジションなどはできる限りやってもらったほうがよいと思います。オンラインのリファレンスチェックサービス(back checkなど)を活用する会社も増えています。ただ、この手のサービスを使うにあたってはタイミングは気をつけたほうがよいです。しっかり情報を得るサービスの場合、リファレンスチェックの応対者(=応募者の上司や同僚など)にそれなりの作業負担がかかります。お願いして協力してもらうことだとしてもそれが連発してしまったりすると嫌がられる可能性も。選考の最終段階で使うのはよいと思いますが、これを早めにやりすぎるのはあまり良くないように思います。(Y氏)

本人了承を得ずにリファレンスチェックをやる会社があるが、大トラブルになるリスクがあるので注意。(Z氏)

自慢話をする人のイラスト(男性)

→ 経歴詐称は、かなりよくあることのようです(発覚せず、そのまま就業しているケースもたくさんある)。あと、重要なポジションの場合、リファレンスチェックを実施したほうがよい場合が多そうです。業者ではなく、個人的なツテでの採用であれば、紹介者がまともであれば不要かもしれませんが、完全に「初めまして」の場合には本人とのやり取りだけでの採用判断は危険かもしれません。


インタビューは以上です。

(中途採用をしている企業側の方だけでなく、転職を考えている方やIPO準備プロジェクト等で関わる外部関係者なども)この記事に目を通すことで、ひとつでも参考にしていただけることあればよいなと願います。

インタビュー対応いただいたXさん、Yさん、Zさん、どうもありがとうございました!

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