チャイルドプレイ02ポスター

チャイルドプレイ、ネタバレ気味のレビュー

昔のホラー映画のリメイク作品。最近この手のリメイク増えたな・・・というのはさておいて、中々スプラッターで面白かった映画なので、見に行ってない人は見に行くことをオススメする。
前半はちょっと人間パートが長いが、ちゃんと後半に関係してくるので無駄ではない。ようやくチャッキーが暴れ出すが、こいつがけっこう狡猾でえげつない殺し方でドンドン人を殺していく。最初のうちは殺される方にも問題のある人間だったが、そのうち無差別に人を殺すようになっていく。とはいえ、子供を殺さなかった(少なくとも画面には映ってなかった)のはちょっとマイナスかな。
残虐性とギャグ性を絶妙に混ぜて、残虐だけど胸糞悪すぎないように調整されていて良かったと思う。

さて、今までチャイルドプレイという映画は、殺人鬼の魂がブードゥー教の呪いで、近くにあった人形に乗り移ってチャッキーが誕生する、という風になっている。よってチャッキーは純度100%の悪魔としてこの世にもう一度誕生するというわけだ。ちなみに、ジョジョ3部の呪いのデーポ人形は、完全にチャッキーである。他にジョジョは無数にホラー映画をパクりまくっているので、気になるジョジョラーはホラー映画を漁って見るのもいいかもしれない。

しかし、今回のチャッキーは今までのオカルト要素からは距離を置き、徹底して「AIの暴走」という解釈で再構成されている。同じくこの映画を見た友人が「これ、スモールソルジャーズじゃね?」と言っていたが、まさにそれである。そしてスモソルは完全に虹村形兆のバッドカンパニーである。
まあ、ジョジョネタは置いておき、チャッキーの存在に関してそこらへんは少し疑問は湧いた。今までは相当無理な展開でも「これオカルトだから!」ということで許容できた節はあったと思う。しかし今回はSFのため、そういう力技は行使できなくなってしまった。しかし、それなりに説得力のある構築になっている。

冒頭でカスラン社のCEOがプレゼンを行っているのだが、この様子はどう見ても最近はやりのテック系企業のプレゼンをパロっているだろう。特にアップルのティム・クックになんか似ていると思った。
殺人方法最初の方は原始的な殺し方だが、やがてハイテクやAIがらみの殺し方も混ぜてくる。自動運転車両も出てくる。しかし、そう簡単にハッキングできるものなのか・・・最終的にドローンを飛ばして攻撃してくる。ドローンってそんなに切れ味鋭いプロペラ使ってるのか・・・家電量販店で触ったが、そんなことはなかったような気がするが、この映画の世界ではそうなんだろう。
そしてこの映画を見ているとスマホというのがどれだけ弊害をもたらしているか、良くわかる。というより、この映画を作っている監督なんかは、割とスマホにいい思いを抱いてないのでは、と感じた。特に小さい子供にスマホを持たせても、この映画のようにほぼろくなことに使わないだろう。
テクノロジー全盛の時代だからこそ、こういう反テクノロジーの要素を入れたことでただのスプラッター映画から一つのテーマもあってよかったと思う。
ただ、だったらこれってもうチャイルドプレイである必要ないよね?感は否めないが・・・

後は、この設定変更によってチャッキーの属性が変更された。旧作は純度100%の悪だったのだが、今回のチャッキーは「制限が外れて暴走したAI」なので、純粋に悪と断罪することもできない。かといって「AI」や「アイ・ロボット」のように機械と人間の溝を切なく描いたわけでもない。
最後はうざいだけのメンヘラAIと化してしまったのが何とも言えない小物感はある。

否定的に見ることもできるが、現代的な解釈でチャッキーを再構成したらこうなるだろう、という意味ではちゃんと想像の範疇に納まっていると思う。
あと、チャッキーと名前が似ている映画で『チャッピー』があるので、ぜひご覧いただきたい。


こちらもオススメの名作だ。

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