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【現代詩】春風の使者

心を見つめるとき
そこに浮かぶ黒さやくすみ
それを二度と消えぬものと
あきらめてしまわないで

それは
ギザギザのついた刃物でこそぎ落とさなくとも
婚礼の儀式に用いられるヴェールを
そっと揺らす一吹きの春風によって
空へと舞い上げられる程度の
薄い膜なのかもしれない

あきらめないで
決めつけないで
春風の季節はまだ終わってはいないから
春風の使者は
冬の終わる場所をいつも探しているから


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