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ロイヤルティにつながる満足度を優先しよう【わたちゃんの、まったりビジネス】

10年ほど前に半年間の上海勤務を終えて帰国し、家族と中華ファミレスで食べた北京ダックに思わず「まずい!!」と言ってしまい、カミサンから「あんたは変わった!!」と非難された、わたちゃんです。
最近では、回転ずしの無料サービスのあら汁を飲んで、同じ事態になりました。それほど贅沢はしていないのですけれど。

どの企業も商品やサービスの品質向上を目指すことから、品質面での差別化は徐々に困難な状況になっていきます。同時に顧客の事前期待や満足レベルも向上し続けるため、同じ商品やサービス品質をキープしているだけでは、顧客満足度が下がってしまいかねません。 

通販事業者の配送サービスは、ひと昔まえまでは多くの人が1週間以内に配達されると満足できたはずですが、翌日配達が一般化して、当日配達や時間指定配達、再配達もすぐに対応してもらえるようになった結果、より迅速できめ細やかなサービスが求められるようになりました。
一方で、ひと昔前のヤマト運輸の事例にあるように、サービス品質の向上が収益を圧迫したり、従業員の労働環境の悪化も引き起こしてしまい、行き過ぎた“サービス品質向上合戦”が社会問題化しています。

確かに、お客様のニーズに応えること、競合を意識しながら、さらなる品質向上を目指して改善活動を継続することは重要です。しかしながら、

本当に自社の収益やお客様のニーズに合致するかを見直し、優先順位度をつけた施策を立案すること

もとても重要です。その判断基準として、お客様のロイヤルティと改善項目との相関性を見極める方法が有効です。 

ロイヤルティを考慮した痛点分析

通販を利用した顧客に「時間指定配達があると嬉しいですか?」と聞けば「あった方がいい」というお客様が大半でしょう。しかし「時間指定配達が無いと次からは絶対利用しない」というお客様は少ないのではないでしょうか。そのような相関関係を明らかにすることです。
同時に、時間指定配達より、さらにお客様のロイヤルティに影響する企業固有の課題を見つけ出すことも重要です。オンラインショップの配送時間の短縮は重要な課題ではありますが、それが生き残るために最も重要な課題と位置づけたとたん、大企業アマゾンに勝ち目が無くなり、お先真っ暗になります。

ということで、早速我が家に帰ったら「あら汁がマズイと言ったのは、決してこの回転すしにもう行きたくないということではないんだ。家族団らんできる素晴らしい場所なのだからまた行こうじゃないか」と伝えることにします。「あら汁が美味しい高級鮨屋に連れていけ」と言われるよりずっと収益につながる(小遣いを減らさない)満足を提供できるはずです。

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