翻訳チームのリーダーである生井英考さんと映画宣伝のプロである竹内伸治さんのお二人をメインで2月1日にジュンク堂書店にて、『ビデオランド』についての出版記念トーク・イベントを行いました。
手前味噌ではありますが、なかなか面白かったと思います。個人的には竹内さんが黎明期の日本のレンタルビデオ店が顧客へのダビングをやっていたというような私が知らない時代のレンタルビデオの歴史を教えてもらえて大変勉強になりました。
せっかくなので、トーク・イベントの中で見せながら解説した動画に加えて、『ビデオランド』と関連するアメリカのレンタルビデオの歴史を知る参考になる動画をまとめしたので、ここに公開します。
『アイ・アム・レジェンド』のマネキンを並べたレンタルビデオ店での社会的行為
この映画の中では、ウィルス感染症で人類がほとんど絶滅した世界で、ニューヨークのただ一人の生存者であるウィル・スミスが無人のレンタルビデオ店でマネキンを並べて社会活動をする。DVDやビデオそれ自体が大事なのではなく、レンタルビデオ店という社会的空間が重要なのである。
シアトルのスケアクロウ・ビデオの様子
米国最大のビデオ店である<スケアクロウ>は文化的ランドマークとなっており、『ビデオランド』でも議論されている。
ネットフリックスの歴史
今では映像配信の最大手であるネットフリックスも初期にはDVDを郵送するというビジネス・モデルであった。以下の動画チャンネルはネットフリックスの歴史をまとめている。
クライテリオン・コレクション
『ビデオランド』はハリウッドの作品だけでなく米国外のアート・シネマなどを配給することで差別化戦略をとった流通業者たちも議論している。アート・シネマのDVDを買おうと思うと今では大体クライテリオンで買うことになる。
ブロックバスター
90年代から2000年代初頭にかけては、アメリカのチェーン経営のレンタルビデオ店といえばブロックバスターだった。しかし、オンライン配信に押されて倒産してしまい、私がアメリカに留学したのは2011年からだったので、結局ブロックバスターの店舗を見ることは一度もなかった。
パパママ・ショップ型レンタルビデオ店
ブロックバスターのような規格化されたチェーン店が普及する前は個人・家族経営のレンタルビデオ店が一般的だった。パパママ・ショップ型の店舗がアメリカ人にビデオを借りるという文化的行為を教えた。
大学のフィルム・スクール(映画学校)
アメリカにはロー・スクールやメディカル・スクールなどの専門化した高等教育機関があるが、同じように映画に特化したフィルム・スクールと呼ばれるものもある。著者のダニエル・ハーバードは南カリフォルニア大学のフィルム・スクールで博士課程の研究をし『ビデオランド』を博士論文として執筆した。ちなみに私の先輩にあたる。
『ビデオランド』の情報はこちらからどうぞ。