幼稚園・保育所・認定こども園の違いってなに?
みなさんこんにちは,わたあめせんべいです。
みなさんと一緒に,子どもの教育について学んでいくためのnoteを書いています。
今回はタイトル通り,
幼稚園・保育所・認定こども園(幼保連携型認定こども園)の違いについて,です。
どれも小学校就学前の子どもが通う施設ですが,どうして3つに分かれているのでしょうか。
それぞれに,どのような違いがあるのか,また同じところはあるのでしょうか。
今回はそのあたりについて,学んでみたいと思います。
では早速,いってみましょう!
~目次~
1.どうして3つもあるの?
2.幼稚園ってなに?
3.保育所ってなに?
4.認定こども園ってなに?
5.まとめ
1.どうして3つもあるの?
まず,子どもが小学校就学前に通う施設は,なぜ3つもあるのでしょうか。
「ひとつでは だめなの?」と思いませんか?
僕は1つでいいじゃん,と思ってます。(笑)
では,3つある理由をみていきましょう。
2006年10月,日本で初めての認定こども園ができるんですが,それまで子どもが通う施設は,幼稚園と保育所の2つでした。
この2つの違いについては,なんとなく理解されている方も多いのではないでしょうか。
不思議に思うのは,なぜ3つ目の施設,認定こども園ができたのか,というところだと思います。
これは子育て世代の働き方と関係しています。
日本では,1997年から共働き世帯が専業主婦世帯数を超えて増え続けています。
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/02/dl/s0224-8h_0005.pdf
(厚生労働省の資料を引用)
このように,子どもを保育所に通わせながら仕事をしたいと希望する家庭が増えました。
しかしその需要に対して,保育所の受け入れ枠が足りなくなってしまいました。
これが待機児童問題ですね。
一方,幼稚園では入園希望者が減少していきました。
それは保育所に比べて,保育時間が短いことが原因でした。
幼稚園の保育時間は基本的に4時間。
これでは就労している親からすると,子どもを預かってもらえる時間が足りず,保育所を選択することになり,幼稚園が選ばれなくなっていきました。
そのような理由から,幼稚園でも保育所のような長時間保育をできるようにしよう,幼稚園と保育所を合わせたような施設を作ろうと,新たに ”認定こども園” という仕組みをつくり対応することになりました。
この流れと似たものに,”幼保一元化” という施策があります。
2010年の1月に,政府が子ども・子育て新システム検討会議というものを設置して,幼保一元化に向けて検討しています。
これは簡単にいうと,幼稚園と保育所をひとつにまとめてしまおう,ということです。
おなじ年齢の子ども,例えば5歳の子どもが通う施設が,幼稚園,保育所などと別れている日本のような国は,実は少ないんですね。
世界に目を向けると,お隣の韓国なんかも幼稚園と保育所にわかれていますが,一元化に向けて進んでいます。
世界にならって日本も一本化しよう,という流れです。
しかし,2つあるものを1つにすることは簡単ではありません。
後で説明しますが幼稚園と保育所では,それぞれに管轄が違いますからね。
ですから,まずは2つを1つにするのではなく,2つの機能をあわせもつ3つ目の施設を作ろう,というわけです。
後々,幼稚園も保育所もこの施設に変わっていき,最終的にはみんな認定こども園(総合こども園,ともいいます)化しようとしています。
施設が増えたことで,さらにややこしくなっている気もしますが,先にあげた待機児童の問題など,急ぎ対応しなければならないこともあってのことでしょう。
このような理由から,就学前の子どもが通う施設は,3つに分かれてしまったということです。
2.幼稚園ってなに?
幼稚園は,文部科学省が管轄する施設です。系列でいうと,“学校” にあたります。
3歳から小学校就学前までの子どもが通うことができます。
最近は2歳の子が通うことのできるプレ保育を実施している園もありますが,基本的には3歳入園です。
他の2つの施設との大きな違いは保育時間で,基本的に4時間となっています。
多くは朝9時前頃から登園が始まって10時頃には子どもたちが全員揃い,そこから午後2時までを保育時間としています。
「それ以外の時間も,子どもいるじゃん!」と思うかもしれませんが,それは課外活動や預かり保育です。
また幼稚園にいる先生の正式名称は “幼稚園教諭” です。
これ,勘違いされている方が多いのですが,幼稚園の先生は “保育士 ”ではないんです。
学校ですから教諭なんですね。
幼稚園の先生になるためには,幼稚園教諭としての免許状が必要になります。
幼稚園は以前から教育施設という位置付けですので,小学校以上の教育の練習をする,というような,いわゆる “お勉強をする場所” というイメージを持っている方もいると思います。
実際に行われている教育は,そういうものではないんですが,一部の私立の幼稚園では,今でもその流れが強く残っている園があるのも事実です。
3.保育所ってなに?
保育所は,厚生労働省が管轄する児童福祉施設です。
ちなみによく使う “保育園” は通称で,正式には “保育所” となります。
親が就労などの理由によって子育てが困難であり,自治体から「保育に欠ける」と認定された家庭のみ利用することができます。
そのため保育所の保育時間が幼稚園に比べて長く,原則8時間です。
保育所には認可保育園と,認可外(無認可)保育園があります。
認可保育園は,児童福祉法の基準を満たして、国から認可されている保育所のことです。
子どもの人数に対して、保育士の人数や、施設の面積(広さ)、設備などが法律によって決められています。
認可外保育園は,認可保育園以外の保育所を指します。
ちなみに認可されているかどうかは,設置の基準を満たしているかどうかによるものなので,保育の質とは関係がありません。
0歳から入所が可能で,小学校就学前までです。
規模の小さい保育園では,0歳から2歳までのみを預かっているものがあります。
保育園の先生は ”保育士” です。
保育士資格という国家資格を取得すると,保育士となることができます。
保育園では,教育を行っているイメージがあまりないかもしれませんが,2018年から保育所も日本の幼児教育施設として位置付けられましたので,現在は保育所でも幼稚園と同じような教育が受けられる,こととなっています。
4.認定こども園ってなに?
認定こども園は,内閣府が管轄する幼稚園と保育所をかけあわせたような施設です。
ソフトクリームでいえば,ミックスソフトです。このたとえは不要ですね。(笑)
保育時間は,通う子どもによって違いがあります。
なぜなら幼稚園としては4時間,保育所としては8時間の保育となるからです。
要は,所属している枠組みによって子どもが受ける保育時間が変わる,ということです。
簡単にいうと,自治体から「保育に欠ける」と認定されて入園している子ならば8時間,そうでなけい子がいればその子は4時間,ということになります。
早く帰る子と,まだ残る子がいる,ってことで,ややこしいですよね。
勤務している先生も ”幼稚園教諭” ”保育士” の両者がいる,もしくは両方を取得した ”保育教諭” として働いている,という形になります。
また,認定こども園の特徴は,通園する家庭に限らず,地域に対して子育て支援を行うことが義務づけられているということです。
地域の中で,教育のハブとなる役割を担っていて,子育てに困っている家庭を助けたり,地域社会と子どもたちをつなげたりします。
これらのことは,実際に幼稚園や保育所でも行っているところもありますが,それは義務ではないんですね。
また現在の認定こども園には4つの形があります。さらにまたややこしや。
1つめは,幼稚園と保育所の両方が一体的に設置されたタイプの ”幼保連携型”。
これは“ザ・認定こども園”と捉えてください。王道タイプです。
2つめは,認可幼稚園に保育所の機能を加えた ”幼稚園型”。
要は幼稚園が認定こども園化して,幼稚園をベースに保育所の機能をくっつけたものです。
3つめは,認可保育所に幼稚園の機能を加えた ”保育所型”。
保育所をベースとして,幼稚園の機能をくっつけたものです。
4つめの都道府県が独自で認める ”地方裁量型” は,幼稚園・保育所いずれの認可もない地域の教育・保育施設が、認定こども園として必要な機能を果たすタイプです。
もうこの4つだけでもややこしくて,よくわかりません。
正直,わからなくても問題ないですが。
まだ,施設として完成していない感じが強いですね。
5.まとめ
日本は今,幼児教育施設を1つにしようとしています。
それは世界をみても,多くが一本化しようとしていることから自然な流れだといえます。
幼稚園,保育所,認定こども園という3つにわかれた幼児教育施設があることは,正直仕組みとしてわかりにくいですね。
もちろん,今までどの幼稚園,保育所においても,自分たちが大切にしてきた教育や保育があるわけですから,急に「一本化します!ひとつになってください」と言われたって,「はい,そうですか」とはいきませんよね。
今は幼児教育施設が一本化する過渡期と捉えらられます。
時代は流れれば,認定こども園という形が,日本の幼児教育の核になると思います。
どのような形になっても,子どもが成長するための幼児教育施設である,ということに変わりはありません。
わかりにくいですが,過渡期の現在においても,それは同じです。
2018年に改訂された保育所のガイドライン(保育所保育指針)には,今,この3つの施設は,どの施設に通っても同じように教育が受けられる,ということで幼児教育施設としてひとくくりになっています。
ですから3つある施設のうち,お子さんがどの施設に通っていても,同じように教育を受けられる仕組みができあがったということです。
さて,3つの施設の違いについて,みてきました。
おわかりいただけたでしょうか。
違いはもちろんありますが, “どの施設に通っても教育を受けられる“ という幼児教育施設としての位置付けになったという部分においては,同じ点もみられました。
もちろん,ひとつひとつの施設によって行っている保育の内容や教育の考え方が違うため,どこに通っても全く同じ教育を受けられる,ということにはなりません。
でも,「幼稚園だから小学校へ行ったあとに困らない」とか「保育園の子は字が読めない」とか,そんなイメージはなくなっていくことでしょう。
ということで,今回はここまでにしたいと思います。
幼稚園,保育所,認定こども園,その違いについて,お分かりいただけましたでしょうか。
また皆さんと幼児教育について,少しずつ情報を共有していきたいと思いますので,興味がありましたら,読んでみてください。
よろしくお願いします!
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