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Q.タピオカミルクティーが流行っていますが好きですか?

A.この質問が寄せられたの2022年6月4日なんですが、えっ、そうなんですか…!??

私の記憶だとタピオカミルクティーのブームって2019年、コロナ禍の前だったと思います。

それも終焉が国民が飽きたのではなく、緊急事態宣言による飲食店の強制閉店の影響で根絶やしになったというブームの歴史でも珍しいケースのやつ。

それこそ当時ニュースになったじゃないですか。

なのに何で……はっ、もしかしてこの投稿者は私とは違う、別の未来「パラレルワールド」で過ごしている人なのかもしれない!?

今私たちのいる「現在」は過去に発生した選択の積み重ねによって構成されています。

つまり、タイムマシンで過去に遡って何か些細な選択をひとつ変えるだけでもバタフライ効果で世界中に影響を与えて、「現在」と呼ばれるそのパラレルワールドは私たちの知る現在と大きく違っているわけです。

※『バタフライ効果』……気象学者エドワード・ローレンツが提言した「蝶が羽ばたく程度の非常に小さな乱気流でも遠くの場所の気象に影響を与えるか?」が由来で、小さな現象からいくつものドミノ倒しが重なって後に大きな現象を招くこと。

そして、この投稿者は2019年の時点で「どこか私たちと違う歴史の出来事」によって、「まだタピオカミルクティーが流行っている未来」を迎えた、そういう私の予測です。

ちなみにこの考え方、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に登場する時空論とは全く違うんですよね。

(途中の詳しい過程は省略しますが……)『バック・トゥ・ザ・フューチャー(以下BTTF)』では、近所に住む科学者ドクが発明したタイムマシン「デロリアン」に乗った主人公の高校生マーティは30年前の地元に遡り、当時高校生だったマーティの母親ロレインに一目惚れされて、マーティが生まれないかもしれない未来を迎えてしまう話です。

話の展開としては大変シンプルで両親が結婚しなかったら自分が生まれないのは当たり前なんですが、この展開を近年の理論物理学で考えると、案外そうでもないらしいです。

たとえばタイムマシンで昔に遡って、自分の母親を殺したとします。

一般的なSF作品だと、母親が死んだ瞬間に自分の体は消滅しますが、実際は体は消滅しないでそのまま残っている。

その理由の一つに、この世界にある時空間という物は一元的ではなく多元的に存在する。

つまり先ほどの「バタフライ効果でタピオカミルクティーがまだ流行ってる未来」が存在するように、選択肢の枝分かれによって未来の数が膨大に、かつ同時進行でパラレルワールドは今も誕生しているということです。

この良い例に『ドラえもん』のひみつ道具「もしもボックス」があります。

「もしもボックス」は公衆電話ボックスのなかで「もしも〇〇〇〇だったら……」と言うと、ボックスのベルが鳴って、その「もしも」の世界になります。

ただ、SF的な見解でいうと自分たちの住む世界の認識や状態そのものが変わるのではなく、「もしも〇〇〇〇だったら……」という架空間をもしもボックスが作成しているだけ。

マンションの部屋で例えると、私たちが在住する現空間が3階の301号室ならば隣の空き部屋302号室に「もしも〇〇〇〇だったら……」という架空間を作成して、もしもボックスという時空移動マシンで移ったことになります。

そしてもしもボックスで再び301号室に戻っても、作成した302号室の架空間は消滅することなく、私たちと同じ時間の流れで永遠に交わることなく存在しています。

そういう調子で、さらに隣室の303号室・下階の201号室・上階の401号室・さらに隣の下階の上階の……このようにパラレルワールドは多空間というマンションに無限の部屋数だけ存在しています(机から落ちたボールペンを今拾うか拾わないかだけでも別室の扱い)。

私たちと違う法則・違う未来・違う常識で暮らす無限の数々の宇宙空間、その様々な宇宙空間が私たちと同じ時間軸でそれぞれ進んでいる、このSFのような概念を天体物理学用語で「マルチバース(多元宇宙論)」と言います。

だから、BTTFのロレインが誰を好きになろうがマーティ自体が消滅することは少なくともありません(もしもBTTFの世界では時空は一元的(ひとつしか存在しない)ならば、映画の通りマーティの体は消滅するので、BTTFでは「パラレルワールドという概念がない」裏設定が見えてきます)。

ただ問題は、過去に戻って母親を殺人した場合、その息子は実際どうなるのかというと理論上は存在しますが現実どうなのか分かりません(あくまで架空の話だから)。

私たちと違う「異空間の人」ということで、どこか生きているのかもしれません。

では、タピオカミルクティーの質問者も「異空間の人」ということになりますが、私たちの空間ではタピオカミルクティーはブーム終了しているので、文面から考えられるに同じ空間にはいないでしょう。

そしてタピオカミルクティーが変わらず流行っているということは緊急事態宣言の原因となる新型コロナウィルスもいないし、貿易停止の原因となるロシアによるウクライナ侵攻もないし、電力需要逼迫の原因となる火力発電所の資源不足もない(店舗の安定的な運営が出来るほど電気の供給が行われている)。

あいにく、こちらの世界ではタピオカミルクティーは地上から絶滅しました。

そして私は、今でもタピオカミルクティーが流行っているそちらの世界に飛び移りたいです。

こちらでは2020年開催の東京オリンピックが1年延期しました。

2020年のアメリカ大統領選挙ではバイデン氏が勝ちました。

リーマン・ショックよりも酷い株価暴落が世界中で起こっています。

「陰謀論」というカルト教団がロシアと中国を崇拝しています。

陰謀論者たちが「天動説こそ正しい。我々は騙されている」と叫んでいます。

日本中がタピオカミルクティーを飲みながら、2019年のラグビーワールドカップ日本を応援していた、あの頃の日本に帰りたいです…(泣く)。

ああそうだ、質問に答えてなかったですね…(涙を拭く)。

タピオカミルクティー、まだ飲んだことありません(突然の真顔)。

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