Q.ネッ友に、恋してもいいと思いますか?
A.明治時代には文通による恋物語があったように、令和時代にはデジタル化した文通の恋「SNSによる恋物語」があって全然良いと思います。
むしろ反対する理由が見つからないぐらいに私は賛成派ですよ。
かく言う私も生まれてから33年間、その半分近くがリアル社会とは断絶された引きこもり生活でした。
初恋は小6の同じクラスの女子で、それ以降の色恋沙汰はすべてネット内での出来事でした。
さすがに詳細な内容は省略しますが、SNSで書いたコメントの返信が来たことに喜んで、何度も会話を繰り返すうちに「あの話題を言おう」「この出来事を話そう」と考えるようになって、今まで普通に話していたことが「こんなこと言ったら嫌われるんじゃないかな」と時に臆病になって、そして電子機器の電源を切った後に「ああ、思ってたよりも好きだな」と自覚する、そういう感じです。
SNSの恋愛が世間から嫌がられる原因として、最も挙げられるのは出会い目的の犯罪事件ですよね。
これには賛成派の私も同意見で、その危険性は気軽な気持ちで「いいんじゃな~い?」では言ってはいけない、現代社会を包み覆うほどの根深い闇が潜んでいます。
この問題点について、なんでこういった事件が発生して、そして後が絶えないのかというと、まずシステムの構造上SNS相手の存在と意思を100%に証明することが不可能なんですよねえ。
たとえば、長らく連絡を取っている相手のプロフィールが「20歳の女子大学生」だった場合、こちらはどうやって相手が本当に「20歳の女子大学生」だと確証できるか。
それこそ身元特定まがいな相手の意図せぬ証拠(SNSにアップした写真から情報分析)から割り出さない限りはどうしようも証明できないんですよねえ。
もちろん特定行為に走った私も「プライバシー権の侵害」で警察に逮捕されます。
(その後パトカーで護送されて、テレビ中継とネットニュースで顔が晒されて、いざ裁判になったときに私の弁護に就いた弁護士が超有能で、それはそれは全国民が夢中になるような二転三転のドラマチックな攻防劇が繰り広げられ、決定打となるこちら側の証拠が法廷に提出されて、まさかの無罪判決という逆転勝利のニュースが日本中を駆け巡り、この出来事はネット犯罪による法律を語る上では外せない事例の資料となった……ということがあったんですが時間がないので話を省略して)
逆に、自分が「20歳の女子大生」であることを、どうやって身分証を使わずに相手に証明するか。
自撮り写真とか、いろいろと手段はありますけど「よそのアカウントから盗ってきたんじゃない?」と言われれば、またもや証明し難い話になります(こっちは非常に稀なケースですが)。
しかし、ここまでならまだ優しい方で、本当に難しいのは腹の内にある真の魂胆です。
恋愛に限らず、SNSという環境下では情報を嘘つくことも隠すことも簡単ですからね。
これに関しては、(極端な話)こちら側に卓越した推理力とあちら側から普遍性のある言質を取らないと、この「相手に害心はない」という命題を完全に証明することは不可能です。
要するに、“見えないもの”を“見えているもの”と同等に証明することの不完全さ、言うなれば一種の「悪魔の証明」です。
まあ、ここまでしてSNSの恋愛に執着する理由もないのですが、犯罪目的となると猥褻欲と金銭欲が絡みますから、この生物的な本能から発する異常な集中モードに私たちは通常の理性モードで戦わないといけません。
これだからSNS関連の犯罪は現実世界よりも面倒で、ネットの世界から犯罪を撲滅させることは理論的にも難しいのでしょう。
めちゃくちゃに情報統制すれば無くせるかもしれませんけど、それはSF小説級のディストピアな終末世界で、自由を認めると犯罪が伴うというジレンマが発生します(“罪を犯す自由”と言うんでしょうかね)。
だから、SNSで恋愛する以上は尋常ではない警戒心を持っていないと、あっという間に犯罪者の餌食になります。
序盤に「賛成派」と名乗っておいて怒られそうですが…そこまでリスクを冒してまで、SNSで恋愛する理由はあるんでしょうか。
ただ、SNSに恋愛要素がなかったら、自分の生活圏に出会いの場がなくなって、本当に終独身コースになりそうです…。
ネット犯罪の画期的な撲滅手段、それを編み出されない限りは「ネッ友に恋する感情」は白い目で見られる時世が続くかもしれません。
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最後に、これだけは伝えておきたいのですが、人間心理にある「恋愛欲求」と「性的欲求」は混合しがちですが、本質は全然違います。
「恋愛欲求」は、恋愛対象に当たる人ともっと親密な関係になりたいと願う、精神的な欲求です。
一方、「性的欲求」は、(恋愛対象の人に限らず)性的な行為をしたいと願う、肉体的な欲求です。
重要なのは「性的欲求に恋愛感情が伴わない」ということ。
人が工口動画を見るときに、まさか登場者全員が恋愛対象なわけではないし、人はガチ恋してるときほど独占欲が伴って、突然と周囲に見せているその動画のことが見れなくなって、場合によっては複雑な嫌悪感すら抱きます。
ここで正しい手順を踏めば恋愛の道、間違えば犯罪の道。
あまりにデリケートすぎて、一概には説明できませんが、ご本人に正しい理性の軸があれば時間をかけて、お相手のことを喜ばすことができるでしょう。
だから、ネッ友に芽生えた気持ちを大切にしていいです。
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